信用取引の空売りとは?

信用取引の空売りとは?

空売りとは

「空売り」とは、保有していない株式を売ることをいい、証券会社から対象となる株式を借りて売り建てを行い、決められた期日(決済期日)までに買い戻しをして株式を返却するという、信用取引ならではの手法です。

空売りの仕組み

現物取引では買いからしか投資ができず、株価の下落局面では保有している株式を売却するか、新規の投資を見送り反発局面まで待つことしかできませんが、信用取引では、売りからも投資をすることができ選択肢が増えます。

空売りによる利益の考え方

空売りによる利益の考え方 株価下落局面でも収益チャンス

売り建てを行った時点の株価より安くなった水準で買戻しを行うことで利益を得ることができます。例えば、1,000円で空売りを行い、その後500円まで下がったところで買戻しをしたとすると、500円(=1,000円-500円)が利益となります。
逆に1,000円で空売りを行い、株価が上昇して1,200円になったところで買戻しを行った場合は、200円(=1,000円-1,200円)の損失となります。

※取引に係る手数料や諸経費、税金等は考慮していません。

このように空売りを活用することで下げ相場でも利益を狙うことが可能となり、結果として投資チャンスが広がります。

空売りができる銘柄

どの銘柄でも空売りができるというわけではありません。信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があり、それぞれ取引できる銘柄の選定基準が異なります。

制度信用取引とは、証券取引所が取引できる銘柄の選定や返済期限などのルールを定めた取引のことです。制度信用取引で空売りができる銘柄は、「貸借銘柄」といいます。逆に買い建てしかでない銘柄は「貸借融資銘柄(または信用銘柄)」といいます。東証プライム市場に上場している1,837銘柄(2022年6月6日現在)中、約92%にあたる1,687銘柄が貸借銘柄となり、空売りをすることができます。

一般信用取引とは、各証券会社が取引できる銘柄の選定や返済期限などのルールを定めた取引のことです。一般信用取引でも空売りを行うことは可能ですが、空売りの対象となる銘柄は各証券会社ごとに決められており、取扱いがあるかどうかは証券会社によって異なります。

空売りのメリット

空売りのメリット 取引事例

現物取引だと、「買い」から取引を始める必要があるので、投資機会は上図の赤と緑の部分のみとなりますが、信用取引を活用すると「売り」から取引を始められるので、取引機会(=収益チャンス)が2倍となります。

空売りのリスク

株式を借りてくる空売りでは、取引手数料以外に株式を借りるコストとして貸株料等の諸経費が発生します。貸借される株式が不足した場合には逆日歩(品貸料)も発生するため、注意が必要となります。また、現物取引では、どんなに株価が下がったとしても株価は0円までしか下がらないので、最大損失は購入金額となりますが、信用取引で空売りを行った場合、株価の値上がりが損失リスクとなります。株価の下落は幅が限定されますが、株価の上昇は理論上、青天井となりますので、株価の急騰局面では思わむ損失が発生することがありますのでリスク管理の徹底が不可欠です。

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