値段が決まるプロセス

株式入門 ~株取引の仕組み~
値段が決まるプロセス

株式の価値である株価について説明します。株価はモノの値段が決まるプロセスと同じで需要と供給のバランスで決まります。業績拡大が期待できそうな製品を発表する企業があり、その企業の株を買いたいと思う人が増えると株価は上昇します。一方、不祥事などで企業業績が下がりそうな場合は、その企業の株を売りたいと思う人が増えるため株価は下落します。

株価の決まり方

実際に株価がどのように決まるのかを見ていきます。投資家が出した注文は「板(気配値)」に集約されます。「板」とは対象となる銘柄の値段ごとの売買注文数量を示すもので、「何円」で「何株」買いたい(売りたい)のかが分かります。

例えば上図(1)のような「板」があったとします。このとき1,001円で30,000株の買い注文が入ったとすると、気配値1,001円の買い気配株数に30,000株(①)が入ります。同気配値の売気配株数を見ると25,000株の注文が入っているので、買い注文のうち25,000株の注文が成立(注文が成立することを「約定(やくじょう)」という)します。残りの5,000株は売気配株数に対応するものがないため、買気配株数に残ることになります。

取引開始時

前場・後場の取引開始時(「寄付(よりつき)」)は少し複雑になります。取引中でなければ取引は成立しませんので、価格を指定しない注文である「成行(なりゆき)注文」も板の中に表示されています。注文には優先順位があり、価格では「成行注文」「指値(さしね)注文」、価格が同じ場合は注文時間が早い方から約定します。

以上の原則を踏まえたうえで板を見ていきます。まず成行の部分に売り買いとも気配株数が入っているので、この部分の約定をします。

売気配株数-買気配株数=10,000株

売気配株数が10,000株多く残りました。この場合残った株数は売気配株数の最も価格が低い部分に加算します。

次に最も安い売気配株数と最も高い買気配株数を見ます。売りは1,000円で14,000株、買いは1,003円で2,000株です。この部分を約定すると、売りが12,000株残りますので、1,002円の買い、1,001円の買いと約定していきます。

ここまで約定を続けると売りと買いの値段が1,000円でようやくつりあいました。

売気配株数8,000株と買気配株数60,000株を約定すると買気配株数が52,000株残ります。

相殺を続けて左図の状態になりました。現時点では売り・買いともにこれ以上約定させることができなくなりましたので、始値(はじめね)が決定します。

左図の場合の始値は、最終の相殺があった1,000円になります。

ページトップへ