特定口座

特定口座

1.特定口座の概要

2003年1月から、株式譲渡益課税制度が申告分離課税に一本化されたことにともない、原則、申告が必要となりました。この申告の手間を簡略化できるしくみとして登場したのが「特定口座」です。

特定口座において上場株式等を売買(現物取引および信用取引)した場合、お客様に代わって金融商品取引業者が譲渡所得金額の計算を行います。また、源泉徴収を行う特定口座を選択した場合、金融商品取引業者がお客様の譲渡益税を源泉徴収し、納税お手続きを行いますので、原則として、申告が不要となります。

お客様の1年間のお取引にかかる上場株式等の譲渡所得金額につきましては、金融商品取引業者から「年間取引報告書」がお客様あてに送付または電子交付されます。この年間取引報告書をご利用いただくことにより、お客様ご自身による1年間の全取引の明細の作成等の手間が省略できますので、簡単に申告・納税を済ますことができます。

  • 特定口座に対し、お客様自身で譲渡所得金額等の算出、および申告・納税お手続きを行うことを、便宜上「一般口座」といいます。
  • 当社では、中国株は「一般口座」でのお取引となりますので、ご了承ください。
【特定口座(源泉徴収あり、なし)一般口座のイメージ】

2.特定口座の種類

特定口座には、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。

源泉徴収あり

「源泉徴収ありの特定口座」では、上場株式等の売却等譲渡にかかる譲渡益税を、金融商品取引業者がお預りし、1年分をまとめて税務署等へ納税するしくみです。なお、お客様には1年間のお取引にかかる上場株式等の譲渡所得金額等を記した「年間取引報告書」を電子交付いたします。

メリット
  • 1. 原則として、面倒な申告のお手続きが必要ありません。
    損失の繰越控除や、他の金融商品取引業者における口座間の損益通算等の適用を受ける場合は、申告をする必要があります。
  • 2. 源泉徴収ありの特定口座における株式等の譲渡所得は、控除対象配偶者の適否を判定する合計所得金額(38万円以下)に加算されません。

    ただし、損失の繰越控除や他の金融商品取引業者における特定口座間の損益通算等の適用を受けるため、申告を行った場合はこの限りではありませんので、ご注意ください。

注意事項

  • 「一般口座」および他の金融商品取引業者の口座間の損益通算を行うには申告が必要となります。
  • 「損失の繰越控除」の適用をお受けになる場合、申告が必要となります。

源泉徴収なし

「源泉徴収なしの特定口座」では、金融商品取引業者がお客様の1年間のお取引にかかる所得金額等を記載した『年間取引報告書』を作成し、お客様に送付または電子交付します。お客様はこの報告書のご利用により、簡易なお手続きで申告・納税をすることができます。

メリット
  • 1. 年間取引報告書を利用して、簡易な方法で確定申告ができます。
  • 2. 一般口座および他の金融商品取引業者口座間の損益通算ができます。

注意事項

  • 申告した譲渡所得はお客様の控除所得金額に加算されますので、所得制限のある税制上の優遇規定(配偶者控除など)を受ける場合には注意が必要です。

3.源泉徴収ありの特定口座における上場株式等の譲渡損失と配当等の損益通算について

「源泉徴収ありの特定口座」において、譲渡損失と配当金等(株式の配当金、投資信託の分配金)の損益通算が可能となりました。ただし、株式の配当金につきましては、配当金受領方法を権利確定日までに「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。

配当金受領方法の変更手続きについて

譲渡損失と配当金等の損益通算について

特定口座内の譲渡損失と配当金等の益金を年末に損益通算を行います。損失が出ている場合は、超過徴収となった源泉徴収額を自動的に還付します。

例:100万円の譲渡損失があり、配当金を50万円受取った場合。
配当金に対して、50万円×20.315%(所得税および復興特別所得税:15.315%、住民税5%)=101,575円の源泉徴収が行われます。本制度を利用すると、譲渡損失100万円と損益通算をし、源泉徴収された配当金への課税額101,575円が自動的に還付されます。
2013年12月末までは、10.147%(所得税および復興特別所得税7.147%、住民税3%)の軽減税率が適用

注意事項

  • 2011年8月1日以降に当社で処理を行った中国株の配当金につきましては、特定口座における損益通算の対象となります。

この制度をご利用いただくには

この制度をご利用いただくために必要なお手続きはお客様の登録状況により異なります。

「源泉徴収ありの特定口座」での損益通算を希望しない場合

「源泉徴収ありの特定口座」を開設している場合でも、損益通算の対象としないことが可能です。希望される場合は、以下のお手続きが必要となります。

株式の配当金のみ対象外とする場合

配当金受領方法を最初の権利確定日までに「株式数比例配分方式」以外に変更してください。変更のお手続きが完了した日以後に支払いの確定する株式の配当等から対象外となります。
※投資信託の分配金のみを対象外とすることはできません。

損益通算を一切行わない場合

「源泉徴収選択口座内配当等受入終了届出書」を最初の支払いの確定する日までにご提出ください。当社においてお手続きが完了した日以後に支払いの確定する株式の配当等および投資信託の分配金から対象外となります。
(当該書類をご提出される場合、株式の配当金等の受領方法を「株式数比例配分方式」以外の方法に変更する必要はありません。)

書類の送付はお電話で承りますので、ご本人様よりコンタクトセンターへお問い合わせください。

お電話によるお問い合わせ

4.源泉徴収区分の変更について

特定口座源泉徴収区分を変更する場合は、書類でのお手続きが必要となります。日本株取引画面の【口座情報】-【取引情報】-【特定口座】欄「申込/変更」ボタンから「特定口座源泉徴収選択変更届出書一式」をご請求ください。当社より2~3営業日程度でお手元にお届けします。必要事項をご記入の上、ご返送ください。変更手続きの完了までにはおおよそ1週間程度を要します。

変更の完了は、日本株取引画面の【口座情報】-【お客さま情報】-【登録情報確認・変更】画面でご確認ください。

注意事項

  • 変更を希望される適用年内に、既に特定口座預りの株式等を売却されている場合は、同年中の変更は承れませんのでご注意ください。また、源泉徴収あり(配当受入)から、源泉徴収なしへの変更は、当年中に配当等が発生している場合も変更は承れませんのでご注意ください。なお、変更後は、お申し出のない限り翌年以降も継続的に適用されます。

5.年間取引報告書について

年間取引報告書の表示形式は下記のとおりです。

【サンプル】 ※イメージをクリックして拡大

⑨合計 特定上場株式等の配当金等にかかる「配当等の額」、「源泉徴収税額(所得税)」、「配当割額(住民税)」、「特別分配金の額」、「外国所得税の額」それぞれの合計金額となります。
⑮合計 上記以外にかかる「配当等の額」、「源泉徴収税額(所得税)」、「配当割額(住民税)」、「特別分配金の額」、「外国所得税の額」それぞれの合計金額となります。
⑯譲渡損失の金額 「譲渡の対価の額(収入金額)」と「取得費及び譲渡に要した費用の額等」の「差引金額(譲渡所得等の金額)」が「-(マイナス)」(損失)の場合に記載されます。「+(プラス)」(利益)の場合は「0(ゼロ)」と表示されます。
⑰差引金額
(⑨+⑮‐⑯)
「特定上場株式等の配当等の額」と「上記以外の配当等の額」の合計と「譲渡損失の金額」の差引金額となります。
⑱納付税額 損益通算の結果生じた、配当等の源泉徴収税額(所得税・住民税の額)となります。
⑲還付税額
(⑨+⑮‐⑱)

損益通算の結果、配当等の源泉徴収税額から還付される所得税・住民税の額となります。

この欄に数字が記載されているお客さまは、特定口座で受け取られた配当金額(税引前)と年間の譲渡損(上記の差引金額が「-(マイナス)」の場合)と相殺され、年初にお客さま口座へ配当課税還付金(特定口座)として入金処理されます。処理結果は当社Webサイトの入出金履歴よりご確認いただけます。

譲渡に係る年間取引損益の見方

金融所得課税の一体化に伴い、2016年1月より、特定口座年間取引報告書の譲渡損益の計算方法が変更されております。改正により特定公社債・公社債投資信託(MRF等)が特定口座内において損益通算の対象※となります。

金融所得課税の一体化の詳細はこちら

特定口座内で損益通算可能となるのは、特定預りとなっているMRF等となります。

特定口座で国内株式を購入し、保有している場合の記載例

銀行口座から100万円を入金し、その後国内株式を60万円分買付けた際の記載内容は以下となります。

譲渡区分 ①譲渡の対価の額
(収入金額)
取得費及び譲渡に
要した費用の額等
差引金額
(譲渡所得等の金額)
上場分 60万円 60万円 0円

取得費はMRF買付100万円のうち、国内株式買付に際し解約した60万円分のみを計算対象とします。

6.特定口座の廃止について

特定口座の廃止につきましては、書類でのお手続きが必要となります。日本株取引画面の【口座情報】-【お客さま情報】-【登録情報確認・変更】画面から「特定口座廃止届出書一式」をご請求ください。当社より2~3営業日程度でお手元にお届けします。必要事項をご記入の上、ご返送ください。お手続きの完了までにはおおよそ1週間程度を要します。なお、特定口座を廃止すると、特定口座にお預けいただいている株式等は一般口座へ払出しされます。

注意事項

  • 特定口座廃止後、同月内に再度ご開設いただくことはできませんのでご注意ください。

7.特定口座のお申込み方法

証券総合取引口座開設時に、特定口座をご選択ください。

また、既に証券総合取引口座を開設され、特定口座をお申込みされていない場合は、書類でのお手続きが必要となります。日本株取引画面の【口座情報】-【お客さま情報】-【登録情報確認・変更】画面から「特定口座申込書一式」をご請求ください。当社より2~3営業日程度でお手元にお届けします。必要事項をご記入の上、ご返送ください。なお、開設完了までにはおおよそ1週間程度を要します。

  • ご住所を変更されている場合は、先にお取引口座の住所変更お手続きが必要となります。
  • すでに岡三証券の本・支店で特定口座を開設している場合は、法令の定めにより岡三オンラインで特定口座を開設することはできません。岡三オンラインで特定口座の開設を希望する場合は、岡三証券の本・支店に開設している特定口座を事前に閉鎖いただく必要がございますので、ご注意ください。

【お申込み方法手順】

日本株取引画面ログイン後の【口座情報】-【お客さま情報】-【登録情報確認・変更】画面からご変更ください。

STEP 1

STEP 2

STEP 3

注意事項

  • ご住所を変更されている場合は、先にお取引口座の住所変更お手続きが必要となります。
  • あらためて本人確認書類のご提出が必要となりますので、お名前、ご住所および生年月日の確認ができる書類をご同封ください。

8.特定管理口座

2005年4月1日から、特定口座内の保管株式が上場廃止となった場合、当該株式は特定管理口座へ移管されます。
特定管理口座において保管された株式(「特定管理株式」といいます。)のうち、清算結了、破産お手続き開始、および100%減資等の事由により、株主権が喪失された場合、取得金額相当の価値損失分を「みなし譲渡損失」として、他の譲渡益との通算を行うことが認められます。
また、2016年1月1日以降に発生した「みなし譲渡損失」は、3年間の繰越控除制度の適用を受けることができます。
なお当社では、特定口座を開設いただくと同時に特定管理口座をご開設いただくしくみとなっております。

  • 特定管理株式は、特定口座から上場廃止にともない移管された株式のみが対象となります。
  • 上場廃止となった株式は特定口座より払出しを行います。その際、「特定口座内保管上場株式等払出通知書」をご登録の住所へ郵送いたします。
  • 特定管理口座に移管された株式は、取引画面上は「一般預り」として表示されますのでご注意ください。
【特定管理口座のしくみ】

ただし、株式が上場廃止となった場合でも、特定管理口座内のすべての特定管理株式が価値を喪失するわけではありません。そのため、特定管理口座に移管された特定管理株式すべてが「みなし譲渡損失」となるわけではありません。

税金についての詳細は、お近くの税務署または税理士にお問い合わせください。

上場廃止となった株式の取扱いについて

上場廃止になった株式については、証券保管振替機構(以下「ほふり」)での取扱が廃止されることとなりました。ほふりが定める条件を満たさない場合は、ほふりから払出しされ発行会社の株主名簿による管理となります。この場合、「みなし譲渡損失」としての通算が認められませんので、譲渡損として損益通算を行う場合は、上場廃止までに売却する必要があります。

なお、当社では特定管理口座での管理ができない場合は、払出し手続きを行うため、取引画面上での確認ができなくなります。

ただし、以下のほふりが定める条件を満たす場合は、特定管理口座での管理が継続され、取得金額相当の価値損失分を「みなし譲渡損失」として、他の譲渡益との通算を行うことが認められます。

2016年1月1日以降に発生した「みなし譲渡損失」は、3年間の繰越控除制度の適用を受けることができます。

【ほふりが定める条件-特定管理口座での扱いが継続されるケース】
  • 金融商品取引所における上場廃止の原因となる事実が、会社の解散(合併による解散を除く。)、民事再生手続開始の申立て又は会社更生手続開始の申立てのいずれかであること。
  • 機構の取扱継続期間において、機構が定める業務処理の方法に従うことを発行者が再度確認していること。
  • 機構の取扱継続期間において、発行者と指定株主名簿管理人との契約が継続されていること。
  • 機構の取扱継続期間において、発行者が機構の定める手数料を支払うこと。

上場廃止後の取扱いの詳細につきましては、発行会社にお問い合わせください。

注意事項

  • 当ページは各種の信頼できると思われる情報源から作成していますが、その正確性・完全性を保証するものではなく、今後の法律改正等により内容が変更となる可能性がありますのでご留意ください。
  • 証券税制に関する税務リスクはお客様自身が負担することになります。具体的な税務上のご質問については、所轄の税務署又は税理士等の専門家にご相談ください。

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