2020年2月後半、新型コロナウィルスが世界中へ感染拡大したことをきっかけに、コロナ・ショックと呼ばれる世界的な株式相場の下落が発生。日経平均株価は、数か月にわたって堅調に上昇する推移を保ち、高値の更新を目指していたところから、大きく暴落しました。ここでは、そうしたコロナ・ショック前後の日経平均株価の推移を振り返りつつ、もっと過去からの変遷についても、確認していきます。歴史に学ぶことが、コロナ・ショック後の予想に役立つかもしれません。
コロナ問題顕在化で、日経平均株価はどう動いた!?
下図のチャート1は、ここ6か月(2019年10月16日~2020年4月16日)の日経平均株価の日足です。2020年1月17日には、リーマン・ショック後の最高値に迫る24,115.95円をつけて、高値更新が期待される局面を迎えていました。
ところが、1月23日にコロナウィルスの感染が拡大していた中国の武漢市が都市封鎖(ロックダウン)されるなど、事態の深刻さが世界に伝播し始めたころから、日経平均株価の上昇基調に陰が差すことに。それから2月にかけて安値を切り下げ、その後の2月初旬~中旬には直近高値水準に迫る戻りを見せたものの、2月24日の祝日を含む3連休のタイミングで、一気に下げ足が加速し、暴落に発展しました。
その暴落は、3月19日に安値16,358.19円をつけて反転。1月高値から約7,800円幅を下げることとなりました。その後、2020年4月16日時点では、19,000円台にまで戻り、さらに20,000円の大台への回復をうかがう位置にいます。
チャート1 日経平均株価日足(2019年10月16日~2020年4月16日)
(出所)岡三オンライン「岡三ネットトレーダープレミアム」より
日経平均重大局面! 7年の上昇が終わる形になるか否か
次に、もっと引いた目線で、日経平均株価の大きな流れを見てみましょう。下図チャート2は、ここ10年(2010年5月~2020年4月)の月足です。最安値から最高値まで、途中で下落する局面を挟みながらも、右肩上がりに上昇していることが分かります。最安値は2011年11月の8,160.01円、最高値は2018年10月の24,270.62円です。すなわち、7年にわたって、約16,000円超の上昇を遂げたのです。ちなみに、これがいわゆるアベノミクス相場です。
しかし、図に破線で囲んだのチャートの形は、その上昇基調が崩れたかのようで、弱気相場入りを示唆する三尊天井、あるいはダブルトップと見ることもできます。実際に、2018年10月に高値をつけて以降は、右肩下がりの兆候を見せています。7年の歳月をかけて上昇してきた方向性が、今回のコロナ・ショックを挟んだことにより、崩れるか、持ち直すか。現在はその分水嶺となる、重大局面であると言えそうです。
チャート2 日経平均株価月足(2010年5月~2020年4月)
(出所)岡三オンライン「岡三ネットトレーダープレミアム」より
2001年以降の日経平均株価はどうだった?
さらに大局的な視点に立ち、アベノミクス相場以前も振り返ってみます。これより前には、明らかに1990年代前半のバブル崩壊による不景気を引きずっている時代が続いており、かのリーマン・ショック(2008年)もありました。ここに、主な歴史や経済などの出来事をまとめます。
【主な歴史的、経済的な出来事と日経平均株価】
<2001年 米国同時多発テロ事件>
1990年代のバブル崩壊による景気後退が続く環境下、2001年9月に発生した同時多発テロ事件の翌日から、日経平均株価は急落の流れに。1984年以来、17年ぶりの10,000円割れとなりました。
<2003年 20年ぶりの8,000円割れ、りそな銀行に公的資金投入>
2003年4月に、バブル崩壊後の最安値を記録しました(7,607円)。しかし同年6月に、りそな銀行への公的資金投入が発表されると、それまでの下落を打ち消すかのように急回復。世界経済の成長などを背景に、上昇基調を強めていきました。歴史的最安値を記録したこの年が、景気のターニングポイントとなったのです。
<2007年 サブプライム・ショック>
2003年以来の上昇基調にある中、米国でサブプライムローン問題が顕在化し、2007年末から2008年にかけて世界的に金融危機が連鎖。日経平均株価も暴落しました。
<2008年 リーマン・ショック>
サブプライム・ショックによる暴落から、やや持ち直していた2008年9月に、米国のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことで、金融危機が発生。日経平均株価は、再び暴落に転じました。
<2009年 バブル崩壊後の最安値を更新>
2009年3月に、バブル崩壊後の最安値を更新しました(7,054円)。
<2012年 アベノミクス相場>
第二次安倍内閣が掲げた成長戦略「三本の矢」への期待から、日経平均株価が底を打って上昇。結果的に、その後約7年にわたってアベノミクス相場が続くこととなりました。
<2015年 チャイナ・ショック>
2015年4月に、15年ぶりに20,000円台へ回復を果たしました。しかし、同年8月に中国の景気後退懸念から、日経平均株価が急落。ここからアベノミクス相場が、いったん下落することになります。
<2016年 ブレグジット、米国大統領選挙でトランプ氏が勝利>
2016年6月に、英国国民投票でBrexitが決定。日経平均株価は急落するも、ほどなく回復しました。そして同年11月に、米国大統領選挙でトランプ氏が勝利。さらに上昇基調を強めることとなりました。
<2018年 27年ぶりに最高値を更新、米中貿易摩擦>
1991年以来となる最高値更新を果たしました(24,270円)。しかし、米中貿易摩擦が顕在化すると、その上昇基調に影が差すことに。
以上の出来事の中で、現在最も関心が高いのは、コロナ・ショックの引き合いに出される、リーマン・ショックでしょう。その詳しい説明は割愛するとして、ここでは当時の値動きについて確認します。リーマン・ショック時に日経平均株価は、約1か月半で約5,000円(約41%)下落。そこから数か月は回復したかのような値動きをしましたが、約6か月後にその一番底を約100円下回る、二番底をつけました。こうした経験があるためか、今回のコロナ・ショックにおける、二番底の有無についての予想が増えています。歴史にならうならば、日経平均株価がやや持ち直しているかに見える現在は、最も注意すべきタイミングと言えるかもしれません。
日経平均株価の値動きに投資する方法
以上で見てきた日経平均株価は、ニュース等でよく見聞きする身近な存在であることから、ぜひ投資してみたいという方もいるでしょう。日経平均株価自体は売買することができませんが、それを対象とした金融商品は大きく分類して2タイプあります。ここでは、その2つのタイプの金融商品の概要をお伝えします。なお、岡三オンラインでは、ここで紹介した全ての金融商品を取引することができます。
- 1.くりっく株365(取引所CFD)
東京金融取引所に上場する、日経平均株価やNYダウといった株価指数が取引できます。株式投資のように、買いポジションを保有していると配当相当額がもらえ(株価指数の構成銘柄に配当があった場合に配当相当額が付与されます)、またレバレッジをかけて取引できるため資金効率が高いのも特徴です。 - 2.株価指数連動型ETF(上場投資信託) 株価指数の値動きに連動するETF。投資家から集めたお金を、専門家が運用します。あらかじめ定められたベンチマークに連動するよう運用されるので、間接的にその株価指数を保有するような投資となります。
まとめ
- コロナ・ショックにより日経平均株価は約31%下げた
- チャート上に、アベノミクス相場の終焉を示唆するパターンが出現
- リーマン・ショックは二番底があったので、今回のコロナ・ショックも警戒が必要
- 日経平均株価に投資する金融商品は2タイプある
- ※「日経」及び日経平均株価の表示に対する知的財産権その他一切の権利は、全て日本経済新聞社に帰属しています。
- ※ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)はSPDJIがライセンスに係る権利を保有しています。
- ※「株365」「くりっく株365」は、株式会社東京金融取引所の登録商標であり、同取引所が上場している取引所株価指数証拠金取引の愛称として使用するものです。
- ※「取引所株価指数証拠金取引株365」「取引所CFDくりっく株365」は、株式会社東京金融取引所の登録商標です。
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