7.ボリンジャーバンド

7.ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、移動平均線から上下に描くエンベロープに標準偏差(シグマ)を使ったものである。なお、ここで使う移動平均線は、ミッドバンドと呼ばれることがある。

計算式

ミッドバンド=任意の移動平均線

シグマ=移動平均線に用いた期間の終値から算出した標準偏差

+1シグマの線=移動平均線+1シグマ

+2シグマの線=移動平均線+2シグマ

-1シグマの線=移動平均線-1シグマ

-2シグマの線=移動平均線-2シグマ

図7-1 ユーロ/ドル日足 ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドの各標準偏差(シグマ)に価格が推移する統計的な確率は、右記の通りである。
価格が±2σ以上になるということは、確率的には4.55%であり、この状態が長続きする可能性は低くなるので、±2σ内に戻ることが予想される。よって、+2σを超えたら買われ過ぎ、-2σを下回ると売られ過ぎとよく言われる。実際、そのようになることが多い。
ただ、注意しなければいけないのは、±2σ内に戻ることと、買われ過ぎだから売られる、売られ過ぎだから買われるというのは、必ずしもイコールではないことだ。まず、移動平均線に使われる期間と価格が正規分布していない。上昇、もしくは下落の後、もみ合いとなり、いわゆる「日柄で調整」という場面になっても、N日移動平均線を計算する際、直近の終値がN日前の終値より小さければ移動平均線は下落(大きければ上昇)する。このため、±2σ内に戻ることがある。

バンド幅の分析

収縮(スクイーズ)
値動きが小さくなると、バンドの幅が収縮する。これをスクイーズと言い、新しいトレンドが始まる予兆。
拡大(エクスパンション)
値動きが大きくなると、バンドの幅が拡大する。これをエクスパンションと言い、トレンドの終了が近いことを示唆。
バンドウォーク
バンドウォークとは価格が上昇なら+1シグマから+2シグマ(下降なら-1シグマから-2シグマ)の間を中心に上昇(下落)している状態を言う。突発的に、+2シグマ(-2シグマ)を逸脱したり、移動平均線(ミッドライン)を割り込むこともあるが、概ねミッドラインでは支持されることが前提になる。バンドウォークは、トレンドが発生し、安定している状態であり、長続きする可能性が一番高い。

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