【業界図鑑】情報・通信業界 ~ タイム収入を牽引するスポーツ番組

2019年10月09日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】情報・通信業界 ~ タイム収入を牽引するスポーツ番組

10月5日夜のラグビーワールドカップの日本対サモア戦の平均視聴率は32.8%、瞬間最高視聴率は46.1%と驚異的な数字だった。試合を中継した日本テレビ系にとって、どのような恩恵があるのだろうか?

1. インターネットが総広告費を牽引

広告費の動向を見ると、2018年の総広告費は6兆5,300億円(前年比102.2%)と7年連続プラスだった。内訳において、地上波テレビ広告費の1兆7,848億円(同98.2%)に、インターネット広告費が1兆7,589億円 (同116.5%) と迫っており、2019年には逆転すると見込まれている ( 電通「日本の広告費」)。テレビ広告費は景気の影響を受けやすく、2000年のピーク時の2兆793億円と比べると大きく減少している。一方、インターネット広告費は当時590億円しかなかった。

2. スポーツがタイムCMを牽引

しかし、地上波テレビが広告媒体で最も影響力があることは変わりない。総務省の情報通信白書によれば、依然として全年代のテレビ(リアルタイム)視聴の平均利用時間は平日159.4分と長い。
テレビCMには、タイムとスポットがある。タイムは番組を提供するスポンサーが番組の間に流すものであり、30秒が基本。買い付けは番組編成の区切りである3か月を1クールとして、基本単位2クールを購入する。スポットは番組と番組の間に流されるもので15秒が基本。買い付けは出稿期間と予算を決めてから、ターゲットを意識して曜日と時間帯を設定した露出パターンを指定し申し込む。これは「絵柄」と呼ばれるもので、視聴率の低い時間帯は料金が安くなる。
2018年のタイムCMには、オリンピック冬季競技大会(平昌)、FIFAワールドカップ(ロシア)、アジア競技大会(ジャカルタ) などのスポーツ番組が大きく貢献した。

3. 視聴率が売上に直結

GRP (Gross Rating Point;延べ視聴率) という数値が、主にスポットCMの買い付けに使われる。視聴率と同じ到達率 (リーチ) と、同じCMに到達した人における頻度 (フリークエンシー) の掛け算である。人に記憶させるためには、6回到達させなければならないともいわれる。
CM料金は需要と供給によって決まるが、供給は時間で限られており、いかに需要があるかが重要だ。需要側としては、視聴率の高いテレビ局の方が効率よくスポットCMの買い付けができる。テレビ局からGRP1%あたりの料金が提示され、交渉で料金が決まる。タイムCMは既存のスポンサーが優先され、空きがでなければ新たなスポンサーは入れない。
衛星放送は、コストを抑えてCMを流すことができる。ターゲットを絞りやすく、大人の視聴者が多いことが利点である。

<放送局のマッピング>

出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. 放送局関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(10/9)
注文画面
4676フジ・メディア・ホールディングススポットが好調。映画事業が業績を牽引。タイムはFIFAワールドカップから反動減。1,403
9404日本テレビホールディングス地上波視聴率首位。タイムは前年のFIFAワールドカップから反動減。1,377
9409テレビ朝日ホールディングスタイム、スポット共に減収。タイムはFIFAワールドカップから反動減。1,683
9413テレビ東京ホールディングスタイム、スポット共に減収。タイムはFIFAワールドカップから反動減。BS増収。2,208
9414日本BS放送人気番組の時間帯を変更するなど編成を工夫したが、2019年8月期は営業利益3割減。1,083

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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