【業界図鑑】証券、商品先物取引業 ~ サービス、ツールの充実化に注力するFX業者

2019年10月02日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】証券、商品先物取引業 ~ サービス、ツールの充実化に注力するFX業者

本日の一部報道によれば、米フェイスブックの暗号資産「Libra (リブラ) 」の非営利団体「Libra Association」に加盟する28社のうち4社がLibra導入計画への正式参加を再考しているようだ。ドイツやフランスの政府関係者が、国家主権を脅かすものと警戒し、欧州で運用を認めない意向を表明していることが背景にある。また暗号資産に関しては、2018年1月にコインチェックで、2019年7月にビットポイントジャパンでハッキング事件が起きた。暗号資産の逆風から、FX (外国為替証拠金取引) に資金が回帰するかもしれない。

1. 取引金額は減少傾向

金融先物取引業協会の統計によれば、店頭外国為替証拠金取引の出来高は、2015年1月660兆円をピークとして、減少傾向にある。2019年8月の出来高は、約407兆円(前月比+62.4%)だった。前月の250兆円から大きく伸び、2018年2月の水準並みとなった。現在は米国金利が低下傾向にあり、取引高が増えやすくなっている。

<店頭外国為替証拠金取引の状況(月次)>

出所:金融先物取引業協会統計より作成

2. 預り証拠金残高と口座数は増加傾向

過去にはFX業者が顧客の資金を使って勝手にトレードをしたことがあり、業者が破綻した際にはほとんど顧客に資金が戻らないという事件もあった。現在は、FX業者に完全信託が義務化されており、顧客の安心感は確保できている。全体的に初心者向けのサービスが充実してきたこともあり、預り証拠金残高と口座数はここ数年増加し続けている。

3. 差別化戦略

FXには大和證券のような大手証券会社も参入しているが、日興コーディアル証券 (現シティグループ・ジャパン・ホールディングス) のように撤退した会社もある。現在取引高で首位のGMOフィナンシャルホールディングスは、システムを内製化し、顧客の声を素早く反映。取引高と収益率の掛け算で収益が決まるため、手数料を業界最安値水準にしても、顧客数を獲得することで利益をあげている。
また、新規顧客開拓には口座開設手続きの簡素化が欠かせない。最近ではスマートフォンで自分の顔と運転免許証を同時に撮影し、オンラインで本人確認できるサービスが増えている。FX業者にとって顧客基盤の拡大は欠かせないため、サービスやツールはますます高度化、充実化すると見られる。

4. FX関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(10/2)
注文画面
7177GMOフィナンシャルホールディングスGMOインターネットグループの金融持株会社。利益率が改善傾向。596
8473SBIホールディングスFXと暗号資産交換所との相互送客を促進。2,257
8704トレイダーズホールディングス口座数が順調に増加。オンライン本人確認サービスを開始。65
8732マネーパートナーズグループFX大手。大和証券グループ本社が出資。取引高が回復傾向。260
8628松井証券FXの情報提供に定評。暗号資産交換所ディーカレットに出資。911

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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