【業界図鑑】電気機器業界 ~ 買い替え需要でパソコン販売が好調

2019年09月04日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】電気機器業界 ~ 買い替え需要でパソコン販売が好調

昨夏は猛暑だったことからエアコンの売れ行きが好調だった。今夏はパソコンが売れている。増税前の駆け込み需要もあり、価格競争が激化してきた。メーカーは割引率を数日単位で変更しており、ユーザーとの駆け引きが行われている。

1. 法人市場、個人市場とも好調

OS (基本ソフト) のWindows延長サポートが、Windows 7は2020年1月14日、Windows 8.1は2023年1月10日にそれぞれ終了となることから、2018年から法人市場で買い替えが順次進んでいる。家庭市場は増税直前の今がピークだろう。

電子情報技術産業協会の統計によれば、2018年度 (2018年4月~2019年3月) のパソコン国内出荷台数は、739万8,000台と前年比109.3%だった。2019年7月単月では、デスクトップ型、ノート型とも好調で、83万4000台と同162.3%を記録。

一方、タブレット端末の2018年度国内出荷台数は、42万1,000台 (同81.8%) と冴えなかった。スマートフォンの大型化、ノート型パソコンの薄型化、軽量化によりタブレットの魅力度が低下していることが考えられる。文書を作成するにもキーボードがやはり便利ということで、一体化しているノート型パソコンが結局有利である。タブレット端末ならではの使い方もあるが、一般人にはあまり必要性が高くない。

< パーソナルコンピュータ国内出荷実績 (2019年度)>

出所:電子情報技術産業協会 (JEITA)

2. スペックで値段が決まる

世界シェアを見ると、中国のレノボ、米国のヒューレットパッカード、デルで半分以上を占めている。これらの外国メーカーは、国内でも存在感を増してきた。商品やサポート体制への不安が解消されてきたからだろう。日本人は日本メーカーを好む傾向にあるが、コストパフォーマンスの魅力には勝てなくなっているのではないだろうか。

例えば、CPUがCore i5以上、メモリ8GB、ストーレージ512GB、タッチパネルとペン付きというハイスペックの14インチのノート型パソコンが、レノボであれば6万円台で買える (Office除く)。デルも少し上乗せした金額で買える。ヒューレットパッカードは、やや高付加価値化へと傾きつつある。

3. 日本メーカーの戦略

部品が同じであれば、値段の差を何で説明するかという話になる。日本メーカーのブランド力だけでは厳しい。現在はECサイトに価格が瞬時に反映されるため、安易に値引きはできないだろう。日本メーカーは技術サポート、保証、軽さ、デザイン、4Kといった付加価値をつけるしかない。また、他の家電製品と一緒に購入して値引きするという苦肉の策に出ている。家電量販店のパソコン売り場は、メーカーの販売員が各コーナーで説明するため、展示場のようになっている。あまりパソコンに詳しくなければ、全体を比較しづらい。

高付加価値化といえば、ゲーミングパソコンが筆頭だろう。日本ではなじみが薄いが、外国ではパソコンでゲームをする人が多い。ゲーミングパソコンは、グラフィックにハイパフォーマンスと安定性が求められるため、グラフィックチップにエヌビディアのものが搭載されており、高額となっている。残念ながら、日本の主要メーカーがこの市場に参入する気配はあまりない。

4. パソコン関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(9/4)
注文画面
6701日本電気通信インフラで国内首位。個人向けパソコン事業は分離し、NECレノボ・ジャパングループに33.4%出資。4,515
6702富士通サーバーで国内首位。パソコン事業は分離され、中国のレノボ・グループの傘下に入った。8,359
6752パナソニックノートパソコン「レッツノート」が主に法人から支持されている。818
6753シャープ東芝のパソコン事業を買収。「dynabook」ブランドのまま展開。1,116
6758ソニー「VAIO」を売却したが、VJホールディングス2が93.5%出資する「VAIO株式会社」に4.9%出資。6,150

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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