【業界図鑑】化学業界 ~ 化粧品メーカーは高価格帯商品に注力

2019年09月18日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】化学業界 ~ 化粧品メーカーは高価格帯商品に注力

17日、ドラッグストア首位のツルハホールディングスが、純利益+20.8% (前年同期比) の好決算を発表した。業績を牽引したのはプライベートブランド (PB) 商品。低価格商品と、高価格で圧倒的な高品質商品の2路線に集約する戦略が功を奏し、販売好調となった。特に高価格のシャンプーが売れたようだ。

1. PB商品が高価格化

PB商品といえば、かつてはメーカーブランド商品よりも低価格であることが魅力だった。ところが最近は、高付加価値化が起こり、コーポレートブランドをアピールするものとして存在感を出している。元々化粧品は高価格の方が売れると言われているが、ついにこの分野にもPB商品が浸透してきた。マツモトキヨシとココカラファインの経営統合の狙いにも、PB商品の共同開発が含まれている。今後は高価格帯のPB化粧品が市場に出てくるだろう。

2. 異業種から次々と参入

経済産業省の生産動態統計によれば、2018年の化粧品の国内工場出荷金額は、1兆6,941億円だった。リーマンショック後、しばらく1兆4,000億円レベルが続いたが、2013年からインバウンドを取り込み上昇基調となり、2016年には19年ぶりに最高額を更新した。2019年は、中国で輸入品ネット通販を規制する法律が1月に施行され、転売業者の仕入れが減少したため、伸び率が鈍化することが予想される。

一般的に、化粧品は好景気にも不景気にも強いと言われる。好景気ではいつもより高い化粧品を買おうとする人が増え、不景気では女性も働きに出なければならなくなり、化粧品を使う頻度が増えるからである。

<化粧品出荷額の推移>

出所: 経済産業省生産動態統計年報を基に岡三オンライン証券作成

3. 異業種から次々と参入

最近の傾向として、人気商品は高価格帯と低価格帯にニ極化していることが挙げられる。中価格帯の商品を出していたメーカーは、方向転換を迫られているのではないだろうか。

テレビをよく見る50代以上を徹底してターゲットとし、エイジング化粧品の通信販売に注力するサントリー、アサヒ、味の素のような異業種メーカーも多い。こうしたブランドには、通信販売だけでなく、直営店を出すところが出てきた。

百貨店で販売するブランドメーカーの商品は、より一層高価格化していくだろう。化粧品は値引きがあまりなく、保存期間が長いため、消費増税前の駆け込み需要が出やすい。ここでリピーター獲得のため、スキンケア商品の無料サンプルを配り、顧客を囲い込む競争が一層激化すると見られる。

4. 化粧品関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(9/18)
注文画面
4911資生堂国内化粧品市場首位。高価格帯商品が好調。海外売上比率55%。ブランドはクレ・ド・ポー ボーテ、インテグレート、マキアージュなど。8,745
4919ミルボン国内美容院向けヘア化粧品で首位。ヘアケアだけでなく染毛剤やパーマ剤も扱う。コーセーと化粧品を共同開発。海外売上比率15%。無借金経営。5,120
4922コーセー国内化粧品市場第3位。高価格帯商品が好調。海外売上比率28%。ブランドはコスメデコルテ、雪肌精、ジルスチュアートなど。19,060
4927ポーラ・オルビスホールディングス国内化粧品市場第4位。百貨店、訪問販売、通販で展開。海外売上比率9%。ブランドはポーラ、オルビス、THREE、Juliqueなど。2,460
4452花王国内化粧品市場第2位。2006年にカネボウを買収。海外売上比率38%。ブランドはソフィーナ、エスト、キュレル、ルナソル、ケイトなど。7,949

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

メルマガ「5 分でチェック!世界の経済指標の読み方」(毎週3回程度)配信中。

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