【業界図鑑】小売業界 ~ ドラッグストアも大型再編時代へ

2019年06月05日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】小売業界 ~ ドラッグストアも大型再編時代へ

4月27日、ドラッグストア国内第6位のスギホールディングスが、第7位のココカラファインに対して正式に経営統合を提案した。ココカラファインは4月30日に受領し、6月1日、両社は合意書を締結したことを発表。ココカラファインは、4月26日から第4位のマツモトキヨシホールディングスと、資本業務提携を目指した協議を開始している。マツモトキヨシは、協議のスタンスは変わらないが、スギホールディングスとの資本業務提携は検討していない、とコメントしている。

1. 大型再編の時代へ

日本チェーンドラッグストア協会のデータによれば、2018年度のドラッグストア市場規模は7兆2,744億円と、前年度比6.2%の成長を記録した。店舗数も2万228店と、前年度から694店増加。2000年以降、売上規模と店舗数の双方で拡大し続けている。しかし、業界再編は続いており、大手間の競争が激しくなっている。都市型ドラッグストアの草分け的存在で22年間業界首位だったマツモトキヨシは、2017年度に第3位となり、今年度はコスモス薬品に抜かれて第5位となることが見込まれている。

これまでは、第2位のツルハホールディングスが静岡地盤の杏林堂、首位のウェルシアが東京地盤の一本堂及び東北地盤の丸大サクラヰ薬局を買収するなど、大手がローカルチェーンを取り込むケースが多かった。しかし今後は大手チェーン間で再編が進みそうだ。

2. 医療費抑制の影響

ドラッグストアの売上構成を見ると、医薬品が3割以上、日用品と化粧品がそれぞれ2割を占めている。各社とも食品に注力しているため、今後はこのカテゴリーが伸びることが予想される。利益率の高い医薬品と化粧品で稼ぎ、低価格の食品を売ることで集客に繋げている。ドラッグストアへの逆風は、薬価改定による医薬品価格の押し下げと人件費の増加である。

3. ココカラファインが人気の理由

ココカラファインは下図のとおり、利益率はそれほど高くはないが、業務提携を申し入れられる理由は何だろうか?まず、関東、関西エリアに店舗を持っていることが挙げられる。特に首都圏や関西エリアでは、インバウンドを取り込むことが期待できる。

もう一つは、IT化が進んでいることではないだろうか?同社はかなり前からプリペイドカードを導入してきた。今月からは利用者の多い「PayPay」を導入し、将来のキャッシュレス時代に対応。業務提携したエイチ・ツー・オーとのポイント共有やタブレット型 POSレジの導入など、ポイントや電子マネーの統合の動きを見据えていることも、他社には魅力的に映ると見られる。ポイント還元を増やせば利益率は上がらないが、今は規模拡大とITへの先行投資を優先する時期と見ているのだろう。

<ドラッグストア4社の業績推移 (2015年度~2018年度)>

注:ウェルシアHDとスギHDは2月、他2社は3月が決算月。
出所:会社資料より作成

4. ドラッグストア関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(6/5)
注文画面
3088マツモトキヨシホールディングスドラッグストア国内第4位。2018年12月に京王ストアとFC契約し、食品カテゴリーを強化中。3,235
3098ココカラファイン業界第7位。関東「ゼイショー」、関西「セガミ」が統合し2008年に誕生。デジタル販促を強化。5,250
3141ウエルシアホールディングス業界首位。化粧品と食品の売上が順調に増加。イオンが50.5%出資。4,060
3349コスモス薬品業界第5位。九州地盤。第4位のマツモトキヨシを追い抜く見込み。ローコストオペレーションを徹底し低価格で訴求。売上高構成比率は、医薬品が15%、化粧品が10%と低く、食品が56%と高い。17,650
7649スギホールディングス業界第6位。東海地盤でドミナント展開。調剤部門は処方箋枚数増で堅調。大都市への出店とカウンセリングを中心とした接客体制に注力。4,935

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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