【業界図鑑】食料品業界 ~ 第三のビールとクラフトビールに注力

2019年01月09日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】食料品業界 ~ 第三のビールとクラフトビールに注力

1月8日、アサヒグループホールディングスが「アサヒ極上<キレ味>」を29日から販売すると発表。ビールではないながらも、麦100% (麦芽、大麦、スピリッツを使用、ホップ使用量を除く) と飲みごたえを重視した商品で、新ジャンル市場のシェアを取りにいく姿勢を示した。
2018年の1年間で、業績見通しがそれほど悪化していないにもかかわらず株価が大きく下落したのはビールメーカーではないだろうか?国内上場3大メーカーの中では、キリンホールディングスが比較的健闘したと言える。2018年発売の新ジャンル「のどごしストロング」と「本麒麟」が、ビール類売上に大きく貢献している。新ジャンルの人気は今後も継続するのだろうか?

1. 消費者の節約志向が鮮明

ビール類市場は、1994年をピークとして約30%縮小しており、2018年上半期は6年連続の減少で過去最低を更新。ビール大手5社によるビール類の課税出荷量は、1億8,337万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で前年同期比-3.6%だった。内訳はビール-6.3%、発泡酒-8.4%、第三のビール (新ジャンル) +1.9%。消費者の志向は、ビールから低価格のチューハイや第三のビールに流れている。当面この動きは継続するだろう。
新ジャンルにおいては、イオンが6月に製造委託先を韓国メーカーからキリンビールに変更したPBの第三のビール「バーリアル」も好調だった。キリンビールはファミリーマートの「クリアモルト」やローソンの「ゴールドマスター」などの製造も請け負っており、この分野で存在感を高めている。

<ビール類市場の推移 (千Kl、1994年=100)>

出所:国税庁「酒のしおり」を基にしたビール酒造組合の資料

2. ビールの割高感が消えるのは2020年以降

ビール類は「ビール」、「発泡酒」、「新ジャンル (主に原料が麦芽以外)」に分けられるが、現在の酒税額はそれぞれ77円、46.99円、28円である。2020年10月、2023年10月、2026年10月と3段階にかけて54.25円に統一されることが決まっている。2023年には「新ジャンル」は「発泡酒」に統合され、カテゴリーとしては消滅。中長期的には「ビール」の割高感が緩和していくだろう。
一部の消費者アンケートによれば、ビールの価格が下がれば飲む量が増えると答える人が約3割だった。2年後から徐々にビール人気が復活するのではないだろうか?さらに「ビール」の追い風として、2018年4月に定義が麦芽比率67%以上から50%以上に変更され、柑橘系ビールなどで新たな需要を喚起することが可能となったことが挙げられる。

3. 国際事業を強化、クラフトビールにも注力

ビール類のシェアは、首位がアサヒで37.6%、キリン34.0%、サントリー (非上場) 16.3%、サッポロビール11.2%、オリオンビール (アサヒビールと提携) 0.9%と続く。
最も海外進出に積極的であったキリンに続き、アサヒも西欧4社、東欧5社を買収した。サッポロもようやく国際事業に注力し始め、韓国への「ヱビスビール」の輸出、中国市場への参入で世界でのプレゼンス拡大を目指す。同社のビールは外国人の評価も高く、今後の業績が期待される。また同社は米国のクラフトビールメーカーを買収した。各社が注力し始めたクラフトビールも、引き続き存在感を高めることが予想される。

<ビール大手3社の業績推移>

サッポロホールディングス

アサヒグループホールディングス

キリンホールディングス

注:18/12期以降はコンセンサス
出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. アルコール飲料関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(1/9)
注文画面
2501サッポロホールディングス東証国内ビール類第4位。ビール類構成比はビール76%、発泡酒・新ジャンル24%とビール比率が高い。酒類事業と共に不動産事業が収益の柱。2,470
2502アサヒグループホールディングス東証国内ビール類シェア5割で首位。オセアニア市場でシェア拡大中。100周年のカルピスの販売に注力。4,400
2503キリンホールディングス東証国内ビール類第2位。発泡酒、新ジャンルは比率が高く第1位。傘下の豪州ライオンの収益構造改革を実施中。2,408
2531宝ホールディングス東証焼酎、みりんで国内首位。傘下に宝酒造とタカラバイオを持つ。国内酒類事業のチューハイが好調。2019年9月稼働の新工場で需要増に対応。1,393
2533オエノンホールディングス東証焼酎、清酒大手。酒類の売上高比率が89%。2018年末に日本初の本格的ワイン醸造施設「牛久シャトー」の飲食・物販事業から撤退。園内施設は引き続き運営。339

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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