【業界図鑑】証券・商品先物取引業 ~ 世界を変える暗号資産

2019年06月19日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】証券・商品先物取引業 ~ 世界を変える暗号資産

6月18日、米フェイスブックは、暗号資産「Libra (リブラ) 」と専用ウォレット「Calibra (カリブラ) 」の詳細を発表した。既に今年2月、スイスに「Libra Association」という非営利団体を設立しており、ビザ、マスターカード、ボーダーフォンなど28社が加盟している。2020年にサービスをローンチする際には、FacebookもLibra Associationの一員として、他社と同等の権限を持って参加する。Libraは他の暗号資産と異なり、複数の実物資産で価値を裏付けられているため価格が乱高下しにくい。暗号資産といえば投資目的で保有する人が多いイメージだが、これからは日常使用を目的として保有する人が増えそうだ。

1. 法定通貨との違い

暗号資産で有名なのは「Bitcoin (ビットコイン) 」で、2009年に初めて発行された。当時は仮想通貨 (Virtual Currency) と呼ばれていたが、2018年からは暗号資産 (Crypto Asset) と呼称されるようになってきた。考案者は中本哲史 (ナカモトサトシ) と言われているが、実際には複数のヨーロッパ人とする説が有力だ。国家による2回目の銀行救済への怒りから生まれたとされる。つまり、既得権益への抵抗手段なのである。

円などの法定通貨は、中央銀行が発行し、国が信用を裏付けている。Bitcoinは、プログラムが発行し、使われているという事実が信用を裏付けている。価値は需要と供給によって決まる。イメージ的には、誰が、いつ、どんな取引をしたかを記録する通帳が、不特定多数のコンピューターに保有されている状態であり (保有者は匿名で公開されない) 、その技術をブロックチェーンと呼ぶ。銀行や電子マネー会社の中央サーバーでは、セキュリティーをかけて不正を防いでいるが、暗号資産においてはその必要がない。ユーザーが行った取引は、全てのコンピューターに一斉送信され、並行処理されるため、システム障害が起こることはほぼない。10分ごとに履歴を確定し、ブロックにして繋いでいく。マイニングと呼ばれる作業で、これに成功すると報酬としてビットコインが与えられる。

2. 暗号資産への規制

暗号資産はある意味安全と考えることもできるが、盗まれるリスクがある。2014年にBitcoin取引所のマウントゴックス社が突然取引を停止した。75万BTC (当時のレートで約480億円相当) と預り金28億円が消えたためである。調査の結果、外部の犯行ではなくマウントゴックス社の横領であることが判明した。2018年には暗号資産取引所のコインチェックでNEM (ネム:ブロック生成時間は1分) という通貨が約580億円分盗まれた。これは社員用コンピューターにウィルスが侵入し、秘密のカギが盗まれたためであると言われている。

日本では2017年7月、改正資金決済法によって暗号資産が支払い手段として認められた。しかし、上記のようなトラブルを防ぐため、規制を強化し始めた。交換業者には、「暗号資産取引所」の登録免許を義務付けている。資本金1,000万円以上の株式会社であることや、分別管理を徹底することなどが条件となっている。今後は金融商品販売法レベルの厳しい規制が導入される可能性がある。

3. グローバル普及の可能性

Bitcoinは上限が2,100万BTCと決められており、2140年頃に達する。Bitcoin以外の暗号資産はアルトコインと呼ばれるが、既に2,000種類以上存在している。当面種類、時価総額ともに増加していくだろう。

<暗号資産の時価総額ランキング 2019年6月19日時点>

暗号資産名 時価総額 価格 特徴
Bitcoin
(ビットコイン)
17兆6,653億円 994,278円 2009年スタート。特定国が管理しない。ブロック生成時間は10分
Ethereum
(イーサリム)
3兆839億円 28,943円 2015年スタート。スマートコントラクト機能を持つ。ブロックチェーンアプリのインフラとして使用可能。ブロック生成時間は0.3分
XRP
(リップル)
1兆9,814兆円 46円 2011年ブロックチェーン導入。各国通貨と交換可能。米リップル社が管理。ブロック承認は代表者が行うが高速

出所: 各種データより作成

国内では規制が強化されプレーヤーは増えていない。サイバーエージェントやマネーフォワードは参入を断念している。しかし、世界的には規制が確立していないため、プレーヤーは増加するだろう。例えば、Facebookは既存のサービスが新興国ではあまり浸透しなかったため、銀行口座を持たない人にサービスを提供することにより、経済成長を取り込みたい思惑があると見られる。新興国では、固定電話が普及しないうちにWi-Fiが急速に普及するといった飛び越えが起こる。実際、銀行口座やクレジットカードを持たない人が電子マネーを使っている。新興国において、先進国よりも早く暗号資産が日常的に使われるようになっても不思議ではない。

4. 暗号資産関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(6/19)
注文画面
3825リミックスポイント暗号資産交換所「ビットポイント」を運営。電力小売り、ホテル開発なども手掛ける。347
7177GMOフィナンシャル
ホールディングス
暗号資産交換所「GMOコイン」を運営。GMOコイン社に58%出資。631
8698マネックスグループ暗号資産交換所「コインチェック」を不正流出後に買収。ネット証券大手。363
8704トレイダーズ
ホールディングス
暗号資産交換所「みんなのビットコイン」を運営。FXが主力。バイオマスを育成中。70
8732マネーパートナーズグループ暗号資産交換所「マネーパートナーズ」を運営。FX大手。大和証券グループが17%出資。290

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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