【業界図鑑】サービス業界 ~ 企画力とコンサル力で稼ぐ旅行会社

2019年05月22日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】サービス業界 ~ 企画力とコンサル力で稼ぐ旅行会社

2019年GWは旅行者数が国内、海外とも過去最高だった。JTB (非上場:日本交通公社、JR東日本、JR東海が出資) の推計によれば、合計で2,467万人。海外の渡航先は、韓国と中国がそれぞれ約10万人と多いが、欧州も約6万人と前年から13%増加した。国内ではオプショナルツアーが人気だった。今回は、10連休の恩恵を受けた旅行会社の動向を見てみる。

1. インバウンド需要を取り込む

観光庁の統計によれば、2018年度の主要旅行業者の旅行取扱高は、5.22兆円 (前年比+1.6%) だった。旅行商品別に見ると、海外旅行+5.0%、外国人旅行 (インバウンド向け)+12.9%、国内旅行-1.6%で、インバウンド需要の取り込みが進んでいることがわかる。旅行取扱高の首位はJTBで、2位のエイチ・アイ・エスの3倍弱と圧倒的な存在感がある。3位~10位は、JR系、私鉄系、航空系が占めている。

<主要旅行業者の旅行取扱高 (2018/4~2019/3)>

出所:観光庁データ資料より作成

2. 利益率は低いがプレーヤーは減少しない

旅行業登録をしている会社は10,301社 (2017年) あり、その大半は中小企業である。国内外の募集型企画旅行を企画・実施することが可能な第1種旅行業者が704社、国内のみ可能な第2種旅行業者が2,914社、拠点区域のみ可能な第3種旅行業者が5,789社存在する。時系列で見ると、2010年の旅行業登録業者は10,283社で、2014年に一時的に減少したが、現在は同水準に回復した。

元々利益率が低い業界だが、インターネットの発達で一層価格競争が激しくなっている。最近では、航空券販売に特化したり、クルーズ専門など商品種類を限定したりする専門特化型業者が好調だ。また、社員旅行などの団体旅行が減り、個人旅行が増えていることから、オンライン系業者が台頭している。単純な航空券、乗車券、ホテル手配であれば、オンラインで予約する人が多い。店舗系業者は、法人向け、パッケージツアー、提案型による自由旅行の販売に注力せざるを得ない。

3. 店舗系はコンサルティング力の向上に注力

個人旅行の予約においても、オンラインでは完結できない、もしくは不安が残る場合もある。旅行相談に関しては、文字で行うと手間がかかるため、当面店舗系が優位でありつづけるだろう。
JTBが4月から一部の店舗で「旅行相談料」を試験導入したことが話題となっている。国内旅行では30分2,160円、海外旅行は最初5,400円で以降30分ごとに3,240円請求されるが、10日以内に旅行を申し込めば、相談料が旅行代金の一部として充当される。相談だけしてネットで予約されてしまうケースがあるのだろう。他社は追随していないようだが、これまであいまいになっていた相談料をサービス・商品の価格から分離させることは、世の中の流れとなっていくのではないだろうか?しっかりした相談料を取るからには、販売員に歴史、グルメ、スポーツなどの深い教養が求められるようになる。専門特化型業者は、ツアー企画やオンライン販売の洗練化に注力し、今後も存在感を高めていくだろう。

<旅行3社の業績推移>

エイチ・アイ・エス

KNT-CTホールディングス

エボラブルアジア

注:19/10期以降はコンセンサス
出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. 旅行関連銘柄

コード 銘柄名 概要 終値
(5/22)
注文画面
2477手間いらず宿泊施設向けの予約管理システムを販売。ホテルのネット予約事業も手がける。法人向けにホテル情報を提供する中国企業と連携。2,891
6191エボラブルアジア国内第9位。航空券予約「エアトリ」が主力。2018年5月にDeNAトラベルを買収。訪日客向けホテル運営会社と資本提携。2,283
7048ベルトラ海外オプショナルツアーのオンライン予約を運営。訪日客向けサービスも育成中。1,283
9603エイチ・アイ・エス国内第2位。海外旅行が約8割。ハウステンボスを買収。ホテルチェーン「変なホテル」を育成中。3,270
9726KNT-CTホールディングス国内第3位。近畿ツーリストとクラブツーリズムが2013年に経営統合して誕生。国内と団体に強み。テーマ性のある旅行を企画。1,536

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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