【業界図鑑】サービス業界 ~人間からAIに替わる職業とは?

2019年01月30日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】サービス業界 ~人間からAIに替わる職業とは?

NHKは、3月に甲府放送局のラジオ気象情報で、AI (人工知能) アナウンサーのトライアル放送を行うことを発表した。過去3年分のNHKアナウンサーの音声を学習させ、機械であることを感じさせない滑らかな読みを実現できるという。AIアナウンサーは、2017年7月にエフエム和歌山で運用が開始され話題となった。ニュース原稿を同局が開発したプログラムで句読点の位置などを自動修正し、放送直前にAmazon Pollyが音声に変換して自動的に読み上げる。年間コストは1,000円。地方局のアナウンサーは、取材などのクリエイティブな仕事にシフトすることが可能となる。

1. AIの歴史

AIという言葉は、1956年の米国のダートマス会議で誕生した。この時は計算機による複雑な情報処理を指していたが、それを機械制御だけでなく、思考に使うというコンセプトが提示された意味で画期的だった。

1980年代になると、コンピューターの記憶領域が増加し、「機械学習」が脚光を浴びてきた。いわゆる線形回帰分析のことである。例えばY軸にドラッグストアでの買い物金額、X軸に年齢を取ってプロットし、それらの点からの距離が最も近くなるように近似直線を描くと右肩上がりになる。この線の算出 (モデル) を、現実とのズレをなくすように繰り返すことで、パターンや傾向を導くものである。

2006年になると「深層学習 (ディープラーニング) 」の時代に突入した。「機械学習」と異なるのは、変数を自律的に新しく見つけてくるところである。その後、コンピューター性能の向上でビックデータ解析が可能となり、予測精度が飛躍的に上昇した。

2. AIの得意不得意

独立系ITコンサルティング会社・アイ・ティ・アール (ITR) によると、AI市場は、画像認識、音声認識、音声合成、言語解析、検索・探索の5市場に分けられる。2017年度の5市場の合計売上金額は116億円で、前年度比+65.2%だった。同社は年率35.6%成長で2022年度には500億円に達すると予測している。市場規模が大きく伸びるのは、画像認識と言語解析と見ている。

画像認識は本格的に生活に浸透してきたと言えるのではないだろうか? 2018年10月から、成田空港で日本人の出国時に自動的に本人確認をする「顔認証ゲート」の運用が始まった。このバイオメトリクス認証にも、機械学習が使われている。事前に登録された生体情報を認証時のものと比較し、一致度が高ければ本人と認識する。認証時に、テンプレートと呼ばれるものを再び作成し、特徴情報を抽出した形で登録される。

発展途上なのが音声認識である。雑音除去などマイクの性能は向上しており、単語のつながりなどで人がはっきり発音しないため聞き取りが困難な音響的問題には「深層学習」が用いられている。言語解析との組み合わせで発展が期待される。

3. 人からAIに置き換わる可能性が高い職業

野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究によると、2030年に日本の労働人口の49%がAIに代替される可能性があるという。英国の35%、米国の47%より高い数字となっている。代替可能性が高い職業と低い職業は下表のとおりである。

AIは「思考」するわけではないので、細かい感情を読み取ったり、抽象化したり、創造性を発揮したりする職業には置き換わりにくいだろう。断片的なものは可能でも壮大な小説を書くのは難しいと思われる。しかし、2045年までに「シンギュラリティ (技術的特異点)」 と呼ばれる時期が到来するとカーツワイル氏が提唱している。AIが人間の知能を超え、生活が変化する時代のことである。現実化するかは不明だが、想像を超える社会になっているのではないだろうか。

<人工知能やロボット等による代替可能性が高い/低い100種の職業>

出所:2015年12月2日の野村総合研究所News Releaseを元に文部科学省作成

<AI関連5社の業績推移>

FRONTEO

PKSHA Technology

サインポスト

HEROS

サトーホールディングス

注:19/2期、19/3期、19/4期または19/9期以降はコンセンサス
出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. AI関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(1/30)
注文画面
2158FRONTEO東証2016年にUBICから商号変更。訴訟時の証拠保全等の電子データ収集と分析が主力。AIでは「国内言語解析市場」においてトップシェアを獲得。744
3993PKSHA Technology東証機械学習、深層学習、自然言語処理、画像認識を用いたソリューションを金融、小売業界に提供。接客、コールセンター、FAQ対応の自動化、半自動化をサポート。7,950
3996サインポスト東証金融、公共機関向けのコンサルティングが主力。独自開発の人工知能「SPAI」と画像認識技術を活用した無人レジ「ワンダーレジ」は、自動で商品を識別し支払金額の計算と決済を行う。3,225
4382HEROZ東証「将棋ウォーズ」、「囲碁ウォーズ」、「CHESS HEROZ」など個人向けAIゲームアプリを開発。法人向けには株式市場予測のプロダクトなどを開発。金融、不動産分野に注力。6,930
6287サトーホールディングス東証バーコードやプリンターなど自動認識システムで世界首位級。小売、医療、運輸など幅広い分野に独自の自動認識ソリューション「Data Collection Systems & Labeling」を提供。2,552

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

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