業界図鑑 ~業界・セクターごとのトレンドを掴む~

2017年09月06日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】海運業界 ~コンテナ船事業が改善

海運大手3社の四半期純利益は、2017年度第1四半期決算でそろって黒字となった。これは2年ぶりのことである。船舶の供給過剰により2014年から低迷し、2016年半ばに底打ちしたコンテナ船(定期船)市況の改善が寄与した。また、タンカー(油送船)や、資源国・新興国向けの自動車船の荷動きは低迷しているものの、不定期専用船事業全体としては堅調だった。

1.国内海運大手3社の特徴

海運大手のセグメントは大きく分けると、コンテナ船、不定期専用船、その他である。不定期専用船には、ドライバルカー(ばら積み船:鉱物資源・穀物を運ぶ)、タンカー(油送船)、LNG船、自動車船がある。
最大手の日本郵船は、売上高世界第2位で、傘下に郵船ロジ、日本航空貨物を持ち、陸運と空運も強化している。第2位の商船三井は、不定期専用船が売上の半分を占めており、特にエネルギー船が強い。第3位の川崎汽船は、コンテナ船が売上の半分を占めており、不定期専用船ではドライバルカーと自動車船が強い。

2017/3月期のセグメント別売上高 (億円)

  日本郵船 商船三井 川崎汽船
コンテナ船 5,859 30% 6,207 41% 5,109 50%
不定期専用船 7,177 37% 7,442 49% 4,565 44%
物流 4,614 24%        
フェリー・内航     402 3%    
海洋資源開発・重量物船         194 2%
航空運送 819 4%        
不動産業 94 0%        
その他 1,466 8% 973 6% 353 3%
消去・全社 -791 -4%        
合計 19,239 100% 15,043 100% 10,302 100%

出所:各社資料より作成

2.不定期専用船市況の改善

ドライバルカー運賃を示すバルチック海運指数やタンカー運賃は底を打っている。日本大手3社は不定期専用船においては、世界で高いポジションを確保している。資源価格が低迷すると資源メーカーが運賃引き下げの圧力をかけることがあり、またドル建てのため円高もリスクとなるが、過度に悲観する必要はないだろう。

出所:日本郵船

海運3社の業績の推移

日本郵船

商船三井

川崎汽船

注:18/3期以降はコンセンサス
出所:岡三オンライン証券 - 企業分析ナビ

3.コンテナ船事業の再編

世界的に隻数ベースでみると、コンテナ船は、第1位のデンマークのAPMマースクが16%のシェアを占める。日本大手3社を見ると、8位が日本郵船、11位が商船三井、15位が川崎汽船で3社合わせても7%程にしかならない。
2016年は世界的にコンテナ船の再編がおこった。日本大手3社もコンテナ船事業を統合し、新会社を設立し来年4月からサービスを始める。年間1,100億円の統合効果が見込まれている。

4.海運関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(9/6)
注文画面
9101 日本郵船 東証1部 世界2位。物流事業が好調。三菱グループ系。 215
9104 商船三井 東証1部 世界3位。エネルギー関連が強い。三井住友系。 337
9107 川崎汽船 東証1部 世界5位。コンテナ船事業の回復が期待される。 291
9110 NSユナイテッド海運 東証1部 新日鐵住金が筆頭株主。日本郵船系。ばら積み船が主。 223
9119 飯野海運 東証1部 ケミカル船が強い。不動産事業の比率が高い。 472

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。2014年7月、経済アナリストとして独立。
主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

社会人になって最初に配属された外国証券室で、Excelプログラミングの勉強を始める。次第に社内でシステム開発やデータベース構築を担当するようになる。その後、アナリスト、エコノミストへとキャリアを変えていくが、ITスキルを活用することで業務を効率化し、分析のための時間を生み出すことで仕事のスピードとクオリティを高めている。また、社内でワークショップを開催し、相手のつまずきやすい点を把握。わかりやすい教え方に好評を得ている。

注意事項

  • 本投資情報は、情報の提供のみを目的としており、取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 本投資情報の公開および各コンテンツの更新については、都合により予告なく休止、変更、削除する場合があります。
  • 本投資情報の掲載情報の正確性・妥当性等について、岡三オンライン証券およびその情報の提供者が一切保証するものではありません。ご投資の最終決定は、お客さまご自身の知識、経験、投資目的、資産状況等に適う範囲で、ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本投資情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。
  • 本投資情報は、いかなる目的であれ当社の許可なく転用・販売することを禁じます。

岡三オンライン証券の口座をお持ちでないお客さま

当社ではじめて取引されるお客さまへ

岡三オンライン証券の口座をお持ちのお客さま

パスワードをお忘れの場合

お電話でのお問い合わせ

0120-503-239(携帯からは03-5646-7532)

【受付時間】月~金 8:00から17:00 ※年末年始および祝日を除く

ページトップへ