伊藤嘉洋の週間株式相場見通し(6/14週号)

2021年06月11日

足場固めから持ち合い放れを窺う局面

日経平均予想レンジ 28,600-29,200円

 今週は米国株がインフレ指標発表を控えて一進一退の動きとなり手掛かりを欠く中、方向感の定まらない展開となった。日経平均は週初は米国のインフレ懸念後退を好感して、29,241円高値まで買い進まれたものの、75日線が上値意識されて押し戻された。その後は米CPIやメジャーSQを前にポジション調整が強まり、28,799円まで押し込まれる場面があった。メジャーSQ値は29,046円と無難に通過し、週末は28,948円で終了した。

海外の焦点

 米雇用統計は55.9万人増と前回の低い水準から回復を見せたが、予想を下回った。これを受け早期の量的緩和縮小観測が後退する中、イエレン財務長官はインフレ率上昇について「長続きするとは思わない」と指摘。市場ではFRBの指摘通りにインフレの急激な上昇が一時的なものなのか、新たなヒントを探っている状況。株式市場は最高値圏で方向感に欠ける展開に終始している。
 失業率は5.8%まで改善したがFRBの出口戦略への期待を大きく後退させている。ADP雇用統計や新規失業保険申請件数が強い内容だった分、失望感が大きかったと見られ、市場にとってはフォローになったと指摘される。
 注目の5月米消費者物価指数は前年同月比5.0%と市場予想を上回る内容となった。来週はFOMCが予定されているが、先週の雇用統計の弱さにFRBの出口戦略への期待は後退したものの、今回のCPIがFRBのスタンスにどう影響するのか再び流動的になっている。市場ではFRBは慎重スタンスを変えないとの見方も根強く、CPI発表に市場はネガティブな反応を見せていない。昨年春に見られた軟調な物価が影響しており、こうしたベース効果は6月以降薄れる見込みだ。

国内の焦点

 内閣府が8日発表した2021年1-3月期GDP改定値は前期比1.0%減、年率換算は3.9%減となった。先月発表の速報値1.3%減、年率5.1%減から上方修正した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた2度目の緊急事態宣言発令で個人消費は大きく落ち込み、3四半期ぶりのマイナス成長だった。米国が年率で10%近い成長が見込まれる中、日本との回復力の差は際立っている。
 新型コロナウイルスワクチン大規模接種センター(自衛隊運営)の大阪会場で、7日京都府と兵庫県の65歳以上の高齢者が対象に加わり接種が始まった。これで東京会場と合わせて7都府県に対象が広がり、当初予定していた最大の規模となった。対象地域は5/24のセンター開発当初は東京23区と大阪のみだったが、5/31から東京、埼玉、千葉、神奈川と大阪の5都府県に拡大した。接種可能な人数も当初の1日当たり計7500人から徐々に増やし、31日からは上限とされる計1万5000人に引き上げている。
 NT倍率が低下している。9日時点で14.74倍と3/29以来の低水準となった。日経平均の寄与度の高いハイテク株が下落した反面、景気回復期待から景気敏感株が買われたことでTOPIXを下支えした。米国市場でハイテク株が買われ、NT倍率は2/16の日経平均高値時は15.50倍に上昇していた。ちなみに、2020年3月の16,358円安値時は13.64倍であったが年末の27,444円時は15.20倍に上昇。今後さらに景気敏感株の底上げで縮小に向かうのか注目される。

来週の株式相場

 以上、来週はFOMCを前に米金利動向への警戒感は引き続き怠れない。一方、国内での新型コロナウイルスワクチン接種の進展による経済正常化への期待が支援材料となる。企業業績は底堅く、1部全銘柄の株式益利回りは6.11%、PER16.35倍で割高感はない。個別材料株物色意欲の旺盛な状態は維持されよう。国内イベントでは、4月鉱工業生産指数(14日)、日銀・金融政策決定会合(17-18日)、米国では、6月NY連銀製造業景気指数(15日)、FOMC(15-16日)、5月景気先行指標総合指数(17日)の発表が予定されている。日経平均のレンジは、上値は75日線29,147円が意識され、下値は25日線28,621円が目処となろう。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

主なスケジュール

日本

6/14(月)4月鉱工業生産指数
4月設備稼働率
6/15(火)4月第3次産業活動指数
6/16(水)4月機械受注
5月貿易統計
6/18(金)5月全国消費者物価指数(CPI)
日銀・金融政策決定会合(17-18日開催)、黒田総裁定例記者会見

米国

6/15(火)5月小売売上高
5月卸売物価指数(PPI)
5月鉱工業生産指数
5月設備稼働率
6月NY連銀製造業景気指数
6月NAHB住宅市場指数
6/16(水)FOMC(15-16日開催)、パウエルFRB議長定例記者会見
MBA住宅ローン申請指数
5月住宅着工件数
5月輸入物価指数
6/17(木)新規失業保険申請件数
5月景気先行指標総合指数
6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
ご注意

リスク

【株式等】株価変動による値下りの損失を被るリスクがあります。信用取引、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引では投資金額(保証金・証拠金)を上回る損失を被る場合があります。株価は、発行会社の業績、財務状況や金利情勢等様々な要因に影響され、損失を被る場合があります。投資信託、不動産投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等は、裏付け資産の評価額(指数連動型の場合は日経平均株価・TOPIX等)等、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引は対象指数等の変化に伴う価格変動のリスクがあります。外国市場については、為替変動や地域情勢等により損失を被る場合があります。上場新株予約権証券は、上場期間・権利行使期間が短期間の期限付きの有価証券であり、上場期間内に売却するか権利行使期間内に行使しなければその価値を失い、また、権利行使による株式の取得には所定の金額の払込みが必要です。株価指数証拠金取引では建玉を保有し続けることにより金利相当額・配当相当額の受け払いが発生します。【外貨建て債券】債券の価格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還の前に売却すると損失を被る場合がございます。また、額面金額を超えて購入すると償還時に損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により、債券の価格が変動し損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により元本や利子の支払いが滞り損失を被る場合がございます。外貨建て債券は外国為替相場の変動などにより、円換算でのお受取金額が減少する恐れがあります。これにより円換算で投資元本を割込み、損失を被る場合がございます。【FX】外国為替証拠金取引(以下、「FX」という。)は預託した証拠金の額を超える取引ができるため、対象通貨の為替相場の変動により損益が大きく変動し、投資元本(証拠金)を上回る損失を被る場合があります。外貨間取引は、対象通貨の対円相場の変動により決済時の証拠金授受の額が増減する可能性があります。対象通貨の金利変動等によりスワップポイントの受取額が増減する可能性があります。ポジションを構成する金利水準が逆転した場合、スワップポイントの受取から支払に転じる可能性があります。為替相場の急変時等に取引を行うことができず不測の損害が発生する可能性があります。【各商品共通】システム、通信回線等の障害により発注、執行等ができず機会利益が失われる可能性があります。

保証金・証拠金

【信用】最低委託保証金30万円が必要です。信用取引は委託保証金の額を上回る取引が可能であり、取引額の30%以上の委託保証金が必要です。【先物・オプション】発注必要証拠金および最低維持証拠金は、「(SPAN証拠金額×当社が定める掛け目)-ネットオプション価値の総額」とし、選択取引コース・取引時間によって掛け目は異なります。当社のWebサイトをご確認ください。また、変更の都度、当社のWebサイトに掲載いたします。【株価指数証拠金取引】発注証拠金(必要証拠金)は、株価指数ごとに異なり、取引所により定められた証拠金基準額となります。Webサイトで最新のものをご確認ください。【FX】個人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額に選択レバレッジコースに応じた所要額を加えた額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)× 4%以上の額とします。一部レバレッジコースの選択ができない場合があります。法人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)×金融先物取引業協会が公表する数値とします。発注証拠金に対して、取引所FXでは、1取引単位(1万又は10万通貨)、店頭FXでは、1取引単位(1,000通貨)の取引が可能です。発注証拠金・取引単位は通貨ごとに異なります。Webサイトで最新のものをご確認ください。

手数料等諸費用の概要(表示は全て税込・上限金額)

【日本株】取引手数料には1注文の約定代金に応じたワンショットと1日の合計約定代金に応じた定額プランがあります。ワンショットの上限手数料は現物取引で3,300円、信用取引で1,320円。定額プランの手数料は現物取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,430円、以降約定代金100万円ごとに550円加算、また、信用取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,100円、以降約定代金100万円ごとに330円加算します。手数料プランは変更可能です。信用取引手数料は月間売買実績により段階的減額があります。信用取引には金利、管理費、権利処理等手数料、品貸料、貸株料の諸費用が必要です。【上場新株予約権証券】日本株に準じます。【中国株】国内取引手数料は約定金額の1.1%(最低手数料5,500円)。この他に香港印紙税、取引所手数料、取引所税、現地決済費用の諸費用が必要です。売買にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【外貨建て債券】外貨建て債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いただきます。外貨建て債券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【先物】取引手数料は、通常取引コースの場合、日経225先物が1枚につき330円(取引枚数により段階的減額あり)、日経225mini、ミニTOPIX先物、東証REIT指数先物、TOPIX Core30先物、東証マザーズ指数先物、JPX日経インデックス400先物が1枚につき44円、TOPIX先物、日経平均VI先物が1枚につき330円、NYダウ先物が1枚につき880円。アクティブ先物取引コースの場合、日経225先物が1枚につき275円、日経225miniが1枚につき27円です。【オプション】取引手数料は、日経225オプションが約定代金に対して0.176%(最低手数料220円)、TOPIXオプションが約定代金に対して0.22%(最低手数料220円)です。【株価指数証拠金取引】取引手数料は、セルフコースは1枚につき156円、サポートコースは1枚につき3,300円です。【投資信託】換金時には基準価額に対して最大0.75%の信託財産留保金をご負担いただく場合があります。信託財産の純資産総額に対する信託報酬(最大2.42%(年率))、その他の費用を間接的にご負担いただきます。また、運用成績により成功報酬をご負担いただく場合があります。詳細は目論見書でご確認ください。【FX】取引所FXの取引手数料は、セルフコースはくりっく365が無料、くりっく365ラージが1枚につき1,018円、サポートコースはくりっく365が1枚につき1,100円、くりっく365ラージが1枚につき11,000円です。店頭FXの取引手数料は無料です。スプレッドは、通貨ごとに異なり、為替相場によって変動します。Webサイトで最新のものをご確認ください。

お取引の最終決定は、契約締結前交付書面、目論見書等およびWebサイト上の説明事項等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。

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