伊藤嘉洋の週間株式相場見通し(5/3・5/10週合併号)

2021年04月30日

感染拡大懸念と好業績企業決算との綱引き

日経平均予想レンジ 28,400-29,300円

 今週は日米金融会合やGWの大型連休を控えて、積極的に上値を追う展開にはならなかった。東京市場は新型コロナウイルス感染拡大を巡って変異種の警戒感が広がった。25日から5月11日まで4都府県を対象に緊急事態宣言が発令され、29日は祝日ということもあって様子見気分の強まる中、日経平均は29,000円を挟んだ狭いレンジ内でのもみ合い相場に推移した。週末は28,812円で終了した。

海外の焦点

 28日バイデン大統領が就任後初の議会での演説が注目された。家族と教育のため1.8兆ドルの大規模な財政刺激策を発表。一方、富裕層へのキャピタルゲイン増税や投資会社の運用マネージャーに適用されている税制優遇措置廃止を打ち出した。財源を賄う算段の増税に野党の反発は強く、実現へ難航は必至だ。
 こうした中、米決算発表はIT・ハイテク株や産業等主要決算が集中し、S&P500企業の3分の1が発表を終えた。その84%が1株当たり利益が予想を上回り、77%が売上高が予想を上回った。決算については力強い内容が多く、アップルの1-3月期決算は売上高が前年同期比54%増、純利益は2.1倍だった。フェイスブックが94%増となったほか、決算シーズンがピークを迎える中、米主要企業の業績期待が広がり、株価を支えている。
 27-28日開催されたFOMCでは、政策金利(年0-0.25%)の据え置きと債券購入プログラムの月額購入額(1,200億ドル)の維持を決定した。パウエルFRB議長は会見で「経済活動と雇用は力強さを増した」と景気認識は引き上げたものの、「インフレは上昇したが一過性の要因を主に反映している」と指摘しインフレの一時的上昇は利上げを正当化しないと引き続き慎重姿勢を強調した。
 1-3月期GDPは年率換算で前期比6.4%増となった。新型コロナウイルス危機を受けた経済対策とワクチン普及で個人消費が拡大し、前期4.3%増から伸びが加速、4-6月期も成長が予想されている。

国内の焦点

 日銀は26-27日に開いた金融政策決定会合で、現状の長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を決定した。新型コロナウイルスの感染拡大で国内景気は引き続き厳しい状況にあるものの、基調としては持ち直しているとの現状判断を維持。新型コロナ対応で打ち出した政策を継続し、企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとした。当面、ETFは年12兆円、REITは年1,800億円の残高増加ベースを上限に必要に応じて購入する。日銀は引き続き、コロナ特別プログラム、円や外貨の潤沢な供給、ETFなどの積極的な買い入れの3本柱で資金繰り支援と金融市場の安定維持を図る。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて与党内の一部で2021年度補正予算編成への待望論が浮上している。ただ、本格的な議論は衆院選の時期などと絡んで、後ずれする可能性がある。秋以降に世界的に景気回復が本格化すれば金利上昇の可能性も大きく、コロナ禍でも財政健全化の努力は重要との声も相応して聞かれる。
 テクニカル面では、29,200円台では上値が重い印象。目先の上値の目処は75日線29,238円付近とみられる。もみ合いを抜けるのは大型連休明けとなりそうだ。一方、下値は直近の下げ局面となった3/5安値28,308円や3/24同28,379円、4/21同28,419円で反発しており、28,400円付近では押し目買いが入りやすく、底堅い展開と捉えられる。

来週の株式相場

 以上、来週は新型コロナ感染拡大抑制のための緊急事態宣言のマイナス効果と輸出企業の好業績決算との好悪材料の綱引きが想定される。大型連休とも相まって市場参加者減少から相場全体としては大きな変動は見込めず、決算に応じた個別物色の動きとなりそうだ。国内イベントでは、4月マネタリーベース(7日)、4月景気ウォッチャー調査(13日)、米国では、4月ISM製造業景況指数(3日)、4月ADP雇用統計、4月ISM非製造業景況指数(5日)、4月雇用統計(7日)の発表が予定されている。日経平均のレンジは、上値は75日線29,238円が意識され、下値は4/21安値28,419円が目処となろう。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

主なスケジュール

日本

5/3(月)休場(憲法記念日)
5/4(火)休場(みどりの日)
5/5(水)休場(こどもの日)
5/7(金)4月マネタリーベース
5/13(木)3月国際収支・貿易収支
4月景気ウォッチャー調査
5/14(金)マネーストック
オプションSQ

米国

5/3(月)4月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
4月ISM製造業景況指数
5/4(火)3月貿易収支
3月製造業新規受注
5/5(水)MBA住宅ローン申請指数
4月ADP雇用統計
4月ISM非製造業景況指数
4月総合購買担当者景気指数(PMI 、改定値)
5/6(木)新規失業保険申請件数
4月チャレンジャー人員削減数
5/7(金)3月卸売売上高
3月消費者信用残高
4月雇用統計
5/12(水)MBA住宅ローン申請指数
4月月次財政収支
4月消費者物価指数(CPI)
5/13(木)新規失業保険申請件数
4月卸売物価指数(PPI)
5/14(金)4月小売売上高
4月輸入物価指数
4月鉱工業生産指数
4月設備稼働率
5月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)
ご注意

リスク

【株式等】株価変動による値下りの損失を被るリスクがあります。信用取引、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引では投資金額(保証金・証拠金)を上回る損失を被る場合があります。株価は、発行会社の業績、財務状況や金利情勢等様々な要因に影響され、損失を被る場合があります。投資信託、不動産投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等は、裏付け資産の評価額(指数連動型の場合は日経平均株価・TOPIX等)等、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引は対象指数等の変化に伴う価格変動のリスクがあります。外国市場については、為替変動や地域情勢等により損失を被る場合があります。上場新株予約権証券は、上場期間・権利行使期間が短期間の期限付きの有価証券であり、上場期間内に売却するか権利行使期間内に行使しなければその価値を失い、また、権利行使による株式の取得には所定の金額の払込みが必要です。株価指数証拠金取引では建玉を保有し続けることにより金利相当額・配当相当額の受け払いが発生します。【外貨建て債券】債券の価格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還の前に売却すると損失を被る場合がございます。また、額面金額を超えて購入すると償還時に損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により、債券の価格が変動し損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により元本や利子の支払いが滞り損失を被る場合がございます。外貨建て債券は外国為替相場の変動などにより、円換算でのお受取金額が減少する恐れがあります。これにより円換算で投資元本を割込み、損失を被る場合がございます。【FX】外国為替証拠金取引(以下、「FX」という。)は預託した証拠金の額を超える取引ができるため、対象通貨の為替相場の変動により損益が大きく変動し、投資元本(証拠金)を上回る損失を被る場合があります。外貨間取引は、対象通貨の対円相場の変動により決済時の証拠金授受の額が増減する可能性があります。対象通貨の金利変動等によりスワップポイントの受取額が増減する可能性があります。ポジションを構成する金利水準が逆転した場合、スワップポイントの受取から支払に転じる可能性があります。為替相場の急変時等に取引を行うことができず不測の損害が発生する可能性があります。【各商品共通】システム、通信回線等の障害により発注、執行等ができず機会利益が失われる可能性があります。

保証金・証拠金

【信用】最低委託保証金30万円が必要です。信用取引は委託保証金の額を上回る取引が可能であり、取引額の30%以上の委託保証金が必要です。【先物・オプション】発注必要証拠金および最低維持証拠金は、「(SPAN証拠金額×当社が定める掛け目)-ネットオプション価値の総額」とし、選択取引コース・取引時間によって掛け目は異なります。当社のWebサイトをご確認ください。また、変更の都度、当社のWebサイトに掲載いたします。【株価指数証拠金取引】発注証拠金(必要証拠金)は、株価指数ごとに異なり、取引所により定められた証拠金基準額となります。Webサイトで最新のものをご確認ください。【FX】個人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額に選択レバレッジコースに応じた所要額を加えた額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)× 4%以上の額とします。一部レバレッジコースの選択ができない場合があります。法人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)×金融先物取引業協会が公表する数値とします。発注証拠金に対して、取引所FXでは、1取引単位(1万又は10万通貨)、店頭FXでは、1取引単位(1,000通貨)の取引が可能です。発注証拠金・取引単位は通貨ごとに異なります。Webサイトで最新のものをご確認ください。

手数料等諸費用の概要(表示は全て税込・上限金額)

【日本株】取引手数料には1注文の約定代金に応じたワンショットと1日の合計約定代金に応じた定額プランがあります。ワンショットの上限手数料は現物取引で3,300円、信用取引で1,320円。定額プランの手数料は現物取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,430円、以降約定代金100万円ごとに550円加算、また、信用取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,100円、以降約定代金100万円ごとに330円加算します。手数料プランは変更可能です。信用取引手数料は月間売買実績により段階的減額があります。信用取引には金利、管理費、権利処理等手数料、品貸料、貸株料の諸費用が必要です。【上場新株予約権証券】日本株に準じます。【中国株】国内取引手数料は約定金額の1.1%(最低手数料5,500円)。この他に香港印紙税、取引所手数料、取引所税、現地決済費用の諸費用が必要です。売買にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【外貨建て債券】外貨建て債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いただきます。外貨建て債券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【先物】取引手数料は、通常取引コースの場合、日経225先物が1枚につき330円(取引枚数により段階的減額あり)、日経225mini、ミニTOPIX先物、東証REIT指数先物、TOPIX Core30先物、東証マザーズ指数先物、JPX日経インデックス400先物が1枚につき44円、TOPIX先物、日経平均VI先物が1枚につき330円、NYダウ先物が1枚につき880円。アクティブ先物取引コースの場合、日経225先物が1枚につき275円、日経225miniが1枚につき27円です。【オプション】取引手数料は、日経225オプションが約定代金に対して0.176%(最低手数料220円)、TOPIXオプションが約定代金に対して0.22%(最低手数料220円)です。【株価指数証拠金取引】取引手数料は、セルフコースは1枚につき156円、サポートコースは1枚につき3,300円です。【投資信託】換金時には基準価額に対して最大0.75%の信託財産留保金をご負担いただく場合があります。信託財産の純資産総額に対する信託報酬(最大2.42%(年率))、その他の費用を間接的にご負担いただきます。また、運用成績により成功報酬をご負担いただく場合があります。詳細は目論見書でご確認ください。【FX】取引所FXの取引手数料は、セルフコースはくりっく365が無料、くりっく365ラージが1枚につき1,018円、サポートコースはくりっく365が1枚につき1,100円、くりっく365ラージが1枚につき11,000円です。店頭FXの取引手数料は無料です。スプレッドは、通貨ごとに異なり、為替相場によって変動します。Webサイトで最新のものをご確認ください。

お取引の最終決定は、契約締結前交付書面、目論見書等およびWebサイト上の説明事項等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。

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