伊藤嘉洋の週間株式相場見通し(3/29週号)

2021年03月26日

値幅調整一巡から自律反発余地を探る展開

日経平均予想レンジ 28,800-29,600円

 今週は欧州での新型コロナウイルス感染拡大や米長期金利を巡る不透明感が強まる中、買い材料が乏しく期末前ということもあって利益確定売りが広がった。日経平均は米国株の軟調な動きを嫌気して4日続落から2/4以来の水準、28,379円安値まで売り込まれる場面があった。チャート上では2/16高値と3/18高値とでダブルトップを形成。年初からの上昇相場は転換点を迎えた。週後半は、大幅な下落で値頃感が台頭。売り一巡感から自律反発を試す展開となった。週末終値は29,176円。

海外の焦点

 米国市場は金融資本規制の特別措置終了を嫌気して不安定な動きとなった。FRBは新型コロナウイルス感染拡大後の市場の動揺を受けて導入した銀行自己資本規制を緩和する措置について、予定通り3月末に終了すると発表。特別措置では、自己資本を増額しなくても国債などへの投資を増やせるようにした。市場では銀行が国債売却に動くとの見方が広がり、10年債国債利回りは一時1.75%を付けた。投融資への悪影響が懸念され金融株が大きく下落し全体を押し下げた。最近上昇していた景気敏感株にも利益確定売りが広がった。バイデン政権が検討するインフラ投資などを含む新たな財政出動に合わせ、法人税率引き上げや富裕層への増額が議論されていることも株価を押し下げた。
 パウエルFRB議長は23日の議会証言で、新型コロナ危機が直撃した昨年から経済は「大きく改善した」と指摘。経済対策と金融緩和策により、今後は景気の持ち直しに弾みがつくとの期待感をにじませた。一方で「景気が完全に戻る状況には程遠い」と強調。FRBは経済が必要とする限り支援を続けると表明した。バイデン政権は成長戦略に基づく財政出動規模が最大3兆ドル(約326兆円)に上る可能性があると報じた。政権内ではインフラ投資を優先し、戦略の分割案を検討。近くバイデン大統領に提示される見通し。

国内の焦点

 WHOは変異ウイルスの感染拡大が世界の多くで見られると警鐘を鳴らした。市場では経済活動の正常化期待が後退した。英アストロゼネカ製のワクチンに対し、米エネルギー感染者研究所が臨床試験結果に疑義を呈したり、一部で副作用が懸念されていることで投資家心理を冷やした。全国の新規感染者は1週間前より約1割増えた。東京、大阪などの首都圏は下げ止まりからリバウンドに転じる恐れがあり、地方でも一部に増加傾向が見られる。緊急事態宣言の全面解除による緩みを抑え、感染対策を継続することが求められる。
 米国市場をリードしてきた大型ハイテク株など割高に買われてきた銘柄は米長期金利上昇を契機に株高基調を描くシナリオが崩れつつある。日本株はこれまで米国市場に追随してきた面に加え、日銀のETF見直しで日経連動型指数が除外され混乱を呈している。もっとも、これまで株価上昇要因になっていた金余り状態には変わりはない。従って、目先的には大きく崩れ足にはならないと捉えられる。値幅調整に一巡感は見られるものの、日柄調整の様相を強めそうで、当面は自律反発余地を探る展開となろう。
 テクニカル面での日経平均は75日線を上回り、下値支持線として機能した。週後半は自律反発を見せたが、19日から1,800円超急落した反動高とみている。5日線、25日線から下放れている上、下向き傾向を示し下降トレンドを形成している。上昇基調に戻るには25日線を上回ることが求められる。

来週の株式相場

 以上、来週は引き続き米長期金利の動向に警戒感がくすぶるだけに、米国株の動向や原油相場を睨みながら神経質な展開が予想される。29日は権利配当付き最終日で期末の決算対策売りは一巡し、30日からは実質新年度相場入りとなる。4月後半に向けては3月期決算発表が主要テーマと捉えられるだけに業績動向に関心が集まる。グロース株、バリュー株に限らず企業業績の上方修正銘柄への個別物色人気の流れは強まりそうだ。国内イベントでは、2月鉱工業生産指数速報値(31日)、1-3月期日銀短観(4/1)、米国では、3月ADP雇用統計(31日)、3月ISM製造業景況指数(4/1)、3月雇用統計(4/2)の発表が予定されている。日経平均のレンジは、上値は19日の窓埋め29,621円が意識され、下値は、24日窓埋め28,867円が目処となろう。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

主なスケジュール

日本

3/30(火)2月失業率・有効求人倍率
2月小売業販売額
2月百貨店・スーパー販売額
3/31(水)2月鉱工業生産指数(速報値)
4/1(木)1-3月期日銀短観
4/2(金)3月マネタリーベース

米国

3/30(火)1月ケース・シラー住宅価格指数
3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
3/31(水)MBA住宅ローン申請指数
3月ADP雇用統計
3月シカゴ購買部協会景気指数
4/1(木)新規失業保険申請件数
2月建設支出
3月チャレンジャー人員削減数
3月ISM製造業景況指数
4/2(金)3月雇用統計
ご注意

リスク

【株式等】株価変動による値下りの損失を被るリスクがあります。信用取引、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引では投資金額(保証金・証拠金)を上回る損失を被る場合があります。株価は、発行会社の業績、財務状況や金利情勢等様々な要因に影響され、損失を被る場合があります。投資信託、不動産投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等は、裏付け資産の評価額(指数連動型の場合は日経平均株価・TOPIX等)等、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引は対象指数等の変化に伴う価格変動のリスクがあります。外国市場については、為替変動や地域情勢等により損失を被る場合があります。上場新株予約権証券は、上場期間・権利行使期間が短期間の期限付きの有価証券であり、上場期間内に売却するか権利行使期間内に行使しなければその価値を失い、また、権利行使による株式の取得には所定の金額の払込みが必要です。株価指数証拠金取引では建玉を保有し続けることにより金利相当額・配当相当額の受け払いが発生します。【外貨建て債券】債券の価格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還の前に売却すると損失を被る場合がございます。また、額面金額を超えて購入すると償還時に損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により、債券の価格が変動し損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により元本や利子の支払いが滞り損失を被る場合がございます。外貨建て債券は外国為替相場の変動などにより、円換算でのお受取金額が減少する恐れがあります。これにより円換算で投資元本を割込み、損失を被る場合がございます。【FX】外国為替証拠金取引(以下、「FX」という。)は預託した証拠金の額を超える取引ができるため、対象通貨の為替相場の変動により損益が大きく変動し、投資元本(証拠金)を上回る損失を被る場合があります。外貨間取引は、対象通貨の対円相場の変動により決済時の証拠金授受の額が増減する可能性があります。対象通貨の金利変動等によりスワップポイントの受取額が増減する可能性があります。ポジションを構成する金利水準が逆転した場合、スワップポイントの受取から支払に転じる可能性があります。為替相場の急変時等に取引を行うことができず不測の損害が発生する可能性があります。【各商品共通】システム、通信回線等の障害により発注、執行等ができず機会利益が失われる可能性があります。

保証金・証拠金

【信用】最低委託保証金30万円が必要です。信用取引は委託保証金の額を上回る取引が可能であり、取引額の30%以上の委託保証金が必要です。【先物・オプション】発注必要証拠金および最低維持証拠金は、「(SPAN証拠金額×当社が定める掛け目)-ネットオプション価値の総額」とし、選択取引コース・取引時間によって掛け目は異なります。当社のWebサイトをご確認ください。また、変更の都度、当社のWebサイトに掲載いたします。【株価指数証拠金取引】発注証拠金(必要証拠金)は、株価指数ごとに異なり、取引所により定められた証拠金基準額となります。Webサイトで最新のものをご確認ください。【FX】個人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額に選択レバレッジコースに応じた所要額を加えた額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)× 4%以上の額とします。一部レバレッジコースの選択ができない場合があります。法人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)×金融先物取引業協会が公表する数値とします。発注証拠金に対して、取引所FXでは、1取引単位(1万又は10万通貨)、店頭FXでは、1取引単位(1,000通貨)の取引が可能です。発注証拠金・取引単位は通貨ごとに異なります。Webサイトで最新のものをご確認ください。

手数料等諸費用の概要(表示は全て税込・上限金額)

【日本株】取引手数料には1注文の約定代金に応じたワンショットと1日の合計約定代金に応じた定額プランがあります。ワンショットの上限手数料は現物取引で3,300円、信用取引で1,320円。定額プランの手数料は現物取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,430円、以降約定代金100万円ごとに550円加算、また、信用取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,100円、以降約定代金100万円ごとに330円加算します。手数料プランは変更可能です。信用取引手数料は月間売買実績により段階的減額があります。信用取引には金利、管理費、権利処理等手数料、品貸料、貸株料の諸費用が必要です。【上場新株予約権証券】日本株に準じます。【中国株】国内取引手数料は約定金額の1.1%(最低手数料5,500円)。この他に香港印紙税、取引所手数料、取引所税、現地決済費用の諸費用が必要です。売買にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【外貨建て債券】外貨建て債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いただきます。外貨建て債券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【先物】取引手数料は、通常取引コースの場合、日経225先物が1枚につき330円(取引枚数により段階的減額あり)、日経225mini、ミニTOPIX先物、東証REIT指数先物、TOPIX Core30先物、東証マザーズ指数先物、JPX日経インデックス400先物が1枚につき44円、TOPIX先物、日経平均VI先物が1枚につき330円、NYダウ先物が1枚につき880円。アクティブ先物取引コースの場合、日経225先物が1枚につき275円、日経225miniが1枚につき27円です。【オプション】取引手数料は、日経225オプションが約定代金に対して0.176%(最低手数料220円)、TOPIXオプションが約定代金に対して0.22%(最低手数料220円)です。【株価指数証拠金取引】取引手数料は、セルフコースは1枚につき156円、サポートコースは1枚につき3,300円です。【投資信託】換金時には基準価額に対して最大0.75%の信託財産留保金をご負担いただく場合があります。信託財産の純資産総額に対する信託報酬(最大2.42%(年率))、その他の費用を間接的にご負担いただきます。また、運用成績により成功報酬をご負担いただく場合があります。詳細は目論見書でご確認ください。【FX】取引所FXの取引手数料は、セルフコースはくりっく365が無料、くりっく365ラージが1枚につき1,018円、サポートコースはくりっく365が1枚につき1,100円、くりっく365ラージが1枚につき11,000円です。店頭FXの取引手数料は無料です。スプレッドは、通貨ごとに異なり、為替相場によって変動します。Webサイトで最新のものをご確認ください。

お取引の最終決定は、契約締結前交付書面、目論見書等およびWebサイト上の説明事項等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。

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