伊藤嘉洋の週間株式相場見通し(3/22週号)

2021年03月19日

30,000円の攻防から上値を探る展開

日経平均予想レンジ 29,600-30,400円

 今週は、週前半堅調な米国株や米長期金利の上昇一服で安心感が広がった。大規模な米経済対策等による景気浮揚効果やワクチンの普及による新型コロナウイルスの感染収束への期待感が後押しした。日経平均は日米金融会合を控え3万円手前で足踏みとなったが、週後半はFOMCの結果発表を好感した米国株の流れを引き継ぎ、3万円台を回復。TOPIXは2,000PTを抜け、1991年以来バブル崩壊後の最高値に進んだ。先行きの米金利上昇への過度な警戒感はひとまず和らいだ。

海外の焦点

 注目されたFOMCでは、事実上のゼロ金利政策の据え置きと国債などを買い入れる量的緩和の継続を全会一致決定し、景気支援に向けあらゆる手段を行使する姿勢を改めて表明。同時に新型コロナウイルス感染拡大が収束に向かうに従い、今年の米経済成長率とインフレは大きく上昇するとの見方を示した。FRBは年ごとの改善具合を単に変更するのではなく、向こう数年にわたる米経済の潜在能力に対する見方を大幅に上方修正したと捉えられる。又、パウエル議長がテーバリング(量的緩和の縮小)について協議を始める時期ではないとの認識を示したことが安心感を誘い、NYダウは始めて33,000ドル台の大台に乗せ、史上最高値を更新した。
 バイデン大統領が提案した1兆9,000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策が成立したことを受け、米国の経済対策としては歴史的な規模で、バイデン大統領にとって就任後初の大きな成果となる。又、対策に盛り込まれたコロナウイルスワクチン接種を約束する全国キャンペーンを開始した。今後10日で1億回分のワクチン接種と1億世帯への直接給付という2つの重要目標を達成する見込みだと説明。ホワイトハウスが新型コロナ追加対策の宣伝に力を入れる背景には、金融危機の2009年に民主党のオバマ政権が成立させた8,000億ドル超の景気刺激策の国民への周知が十分でなかったために、翌年の中間選挙で共和党に下院の過半数議席を奪還された苦い経験があるため、追加経済対策の説明のため、各州を訪れるほかテレビ番組でのインタビューも積極的に受けている。

国内の焦点

 菅首相は政権発足から半年を迎えたことを受け、新型コロナウイルスの感染収束を見据え、「日本が経済的にも活力を取り戻し成長するよう、デジタル、グリーン、地方活性化に取り組む」とした上で、「働く内閣として一つ一つ結果を出していく」と決意を示した。首相は、政府の新型コロナ対応に振れ、「感染拡大を食い止め、安心できる日常を1日も早く取り戻すことができるように、最優先で取り組んできた」と強調し、感染拡大の防止に注力する姿勢を示した。
 政府は18日、1都3県に発令中の緊急事態宣言を期限の21日に解除する。ただ、解除後のリバウンドを警戒しており、防止策は全面的に取りやめず、段階的に緩和するとした。感染収束にはワクチン接種の早期普及が欠かせない。内閣支持率は感染者数と連動するだけにワクチン接種の成否が政権の浮沈を握るといっても過言ではない。経済正常化への道筋が描けるのか正念場を迎えた。
 19日に開く日銀金融政策決定会合で長期金利の誘導策として変動を認める幅を現在のプラスマイナス0.2%程度から若干広げ、0.25%程度とする。ETFの買い入れは6兆円とする目安をなくした。今後はTOPIX連動型のみ購入することを決定した。日経平均連動型はETFの購入対象から除外する。市場では、長期金利の変動幅は広げないというコンセンサスがあったので、市場はやや動揺している。0.25%でも許容範囲で中期的にみると地合いは変わらない。
 チャートは5日、25日線がゴールデンクロスを形成した上、25日線は角度を付けて上向きとなり、目先は更なる上昇余地もありそうだ。18日は窓を空けて3万円台に乗せており、投資家心理の強く姿勢が窺える。TOPIXは7日連騰から連日の最高値を更新し、全体底上げ相場が顕著となってきた。

来週の株式相場

 以上、来週は日米金融会合が無難に終了し、決算期末に伴い決算を意識した動向に関心が集まる。年度末までは決算対策売りの活発化で需給の悪化を警戒する必要はありそうだ。一方で、3月期末に向けては配当権利取りの動きが株価を支える要因となる。配当落ち分は約180円。配当金の権利を取る妙味が大きいため決算対策の売りを吸収しそうだ。国内イベントでは、東京都区部消費者物価指数(26日)、米国では、10-12月期経常収支(23日)、3月製造業購買担当者景気指数(24日)、10-12月期GDP(25日)の発表が予定されている。日経平均のレンジは、上値は30,400円が意識され、下値は25日線29,656円付近が目処となろう。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

主なスケジュール

日本

3/24(水)2月企業向けサービス価格指数
3/26(金)東京都区部消費者物価指数(CPI)

米国

3/22(月)2月中古住宅販売件数
3/23(火)10-12月期経常収支
2月新築住宅販売件数
3月リッチモンド連銀製造業指数
3/24(水)MBA住宅ローン申請指数
2月耐久財受注
3月製造業購買担当者景気指数(PMI)
3/25(木)10-12月期GDP(確定値)
新規失業保険申請件数
3/26(金)2月個人所得・個人支出
ミシガン大学消費者態度指数(確報値)
ご注意

リスク

【株式等】株価変動による値下りの損失を被るリスクがあります。信用取引、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引では投資金額(保証金・証拠金)を上回る損失を被る場合があります。株価は、発行会社の業績、財務状況や金利情勢等様々な要因に影響され、損失を被る場合があります。投資信託、不動産投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等は、裏付け資産の評価額(指数連動型の場合は日経平均株価・TOPIX等)等、先物取引、オプション取引および株価指数証拠金取引は対象指数等の変化に伴う価格変動のリスクがあります。外国市場については、為替変動や地域情勢等により損失を被る場合があります。上場新株予約権証券は、上場期間・権利行使期間が短期間の期限付きの有価証券であり、上場期間内に売却するか権利行使期間内に行使しなければその価値を失い、また、権利行使による株式の取得には所定の金額の払込みが必要です。株価指数証拠金取引では建玉を保有し続けることにより金利相当額・配当相当額の受け払いが発生します。【外貨建て債券】債券の価格は基本的に市場の金利水準の変化に対応して変動するため、償還の前に売却すると損失を被る場合がございます。また、額面金額を超えて購入すると償還時に損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により、債券の価格が変動し損失を被る場合がございます。債券の発行者又は債券の元利金の支払いを保証している者の財務状態の悪化等により元本や利子の支払いが滞り損失を被る場合がございます。外貨建て債券は外国為替相場の変動などにより、円換算でのお受取金額が減少する恐れがあります。これにより円換算で投資元本を割込み、損失を被る場合がございます。【FX】外国為替証拠金取引(以下、「FX」という。)は預託した証拠金の額を超える取引ができるため、対象通貨の為替相場の変動により損益が大きく変動し、投資元本(証拠金)を上回る損失を被る場合があります。外貨間取引は、対象通貨の対円相場の変動により決済時の証拠金授受の額が増減する可能性があります。対象通貨の金利変動等によりスワップポイントの受取額が増減する可能性があります。ポジションを構成する金利水準が逆転した場合、スワップポイントの受取から支払に転じる可能性があります。為替相場の急変時等に取引を行うことができず不測の損害が発生する可能性があります。【各商品共通】システム、通信回線等の障害により発注、執行等ができず機会利益が失われる可能性があります。

保証金・証拠金

【信用】最低委託保証金30万円が必要です。信用取引は委託保証金の額を上回る取引が可能であり、取引額の30%以上の委託保証金が必要です。【先物・オプション】発注必要証拠金および最低維持証拠金は、「(SPAN証拠金額×当社が定める掛け目)-ネットオプション価値の総額」とし、選択取引コース・取引時間によって掛け目は異なります。当社のWebサイトをご確認ください。また、変更の都度、当社のWebサイトに掲載いたします。【株価指数証拠金取引】発注証拠金(必要証拠金)は、株価指数ごとに異なり、取引所により定められた証拠金基準額となります。Webサイトで最新のものをご確認ください。【FX】個人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額に選択レバレッジコースに応じた所要額を加えた額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)× 4%以上の額とします。一部レバレッジコースの選択ができない場合があります。法人のお客様の発注証拠金(必要証拠金)は、取引所FXでは、取引所が定める証拠金基準額とし、店頭FXでは、取引金額(為替レート×取引数量)×金融先物取引業協会が公表する数値とします。発注証拠金に対して、取引所FXでは、1取引単位(1万又は10万通貨)、店頭FXでは、1取引単位(1,000通貨)の取引が可能です。発注証拠金・取引単位は通貨ごとに異なります。Webサイトで最新のものをご確認ください。

手数料等諸費用の概要(表示は全て税込・上限金額)

【日本株】取引手数料には1注文の約定代金に応じたワンショットと1日の合計約定代金に応じた定額プランがあります。ワンショットの上限手数料は現物取引で3,300円、信用取引で1,320円。定額プランの手数料は現物取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,430円、以降約定代金100万円ごとに550円加算、また、信用取引の場合、約定代金200万円以下で上限1,100円、以降約定代金100万円ごとに330円加算します。手数料プランは変更可能です。信用取引手数料は月間売買実績により段階的減額があります。信用取引には金利、管理費、権利処理等手数料、品貸料、貸株料の諸費用が必要です。【上場新株予約権証券】日本株に準じます。【中国株】国内取引手数料は約定金額の1.1%(最低手数料5,500円)。この他に香港印紙税、取引所手数料、取引所税、現地決済費用の諸費用が必要です。売買にあたり円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【外貨建て債券】外貨建て債券を募集・売出し等により、又は当社との相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお支払いただきます。外貨建て債券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。【先物】取引手数料は、通常取引コースの場合、日経225先物が1枚につき330円(取引枚数により段階的減額あり)、日経225mini、ミニTOPIX先物、東証REIT指数先物、TOPIX Core30先物、東証マザーズ指数先物、JPX日経インデックス400先物が1枚につき44円、TOPIX先物、日経平均VI先物が1枚につき330円、NYダウ先物が1枚につき880円。アクティブ先物取引コースの場合、日経225先物が1枚につき275円、日経225miniが1枚につき27円です。【オプション】取引手数料は、日経225オプションが約定代金に対して0.176%(最低手数料220円)、TOPIXオプションが約定代金に対して0.22%(最低手数料220円)です。【株価指数証拠金取引】取引手数料は、セルフコースは1枚につき156円、サポートコースは1枚につき3,300円です。【投資信託】換金時には基準価額に対して最大0.75%の信託財産留保金をご負担いただく場合があります。信託財産の純資産総額に対する信託報酬(最大2.42%(年率))、その他の費用を間接的にご負担いただきます。また、運用成績により成功報酬をご負担いただく場合があります。詳細は目論見書でご確認ください。【FX】取引所FXの取引手数料は、セルフコースはくりっく365が無料、くりっく365ラージが1枚につき1,018円、サポートコースはくりっく365が1枚につき1,100円、くりっく365ラージが1枚につき11,000円です。店頭FXの取引手数料は無料です。スプレッドは、通貨ごとに異なり、為替相場によって変動します。Webサイトで最新のものをご確認ください。

お取引の最終決定は、契約締結前交付書面、目論見書等およびWebサイト上の説明事項等をよくお読みいただき、ご自身の判断と責任で行ってください。

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