武部力也の週間為替相場見通し(2/17週号)

2020年02月14日

「パウエル議会証言後」の米利下げ圧力場面

ドル円予想レンジ 109.30-110.30円

 「米経済が予想通りに推移すれば今の政策スタンスが適切だろう」-。これは2/11の米議会下院におけるパウエルFRB議長の証言だ。新型コロナウイルスが世界経済にとって新たなリスクになっているとして、事態を注意深く見ていく一方、今の金融政策を当面維持する考えだ。去年夏以降3度の予防的な利下げ効果が持続しているとの裏返しとなろう。

トランプ大統領、利下げ圧力増幅の根拠

 パウエル議長が議会証言に臨む一方、トランプ大統領は“When Jerome Powell started his testimony today, the Dow was up 125, & heading higher(ダウは125ドル上昇し、一段高となる勢いだったが、例の如くジェローム・パウエルが喋り始めてからは着実に下落し、今は15ドル安だ)”“We are more prime, but Fed Rate is too high, Dollar tough on exports(米国は最盛期だがフェデラルファンド金利が高過ぎる。輸出でのドルは厳しいのだ)”とほぼ同時並行でツイッターに投稿しパウエル議長を批判。米大統領選挙に向けて、トランプ大統領自身が経済面での功績をアピールする方程式は、「利下げ≒米株高≒支持率上昇≒米大統領再選」なのだろう。2/5の一般教書演説でもトランプ大統領は自身が就任以来の米株高を功績として懸命にアピールしており、今回FRB理事に推挙しているジュディ・シェルトン氏とクリストファー・ウォラー氏におけるハト派姿勢を考察してもトランプ大統領の望む金融政策への人事反映は明確だ。2/13時点でのシカゴFEDウオッチを見ると今後のFOMC連邦公開市場委員会での利下げ確率は3/18、4/29、6/10においては据え置き確率が圧倒的に高い。しかし、7/29のFOMCではほぼ拮抗し、9/16のFOMCでは据え置き確率33.%。利下げ確率が優勢となる。一般的には大統領選挙を控えてのFRBは独立性と信頼を確保するためにも金融政策は不動、と読むのが無難だ。しかし、不定見なトランプ大統領が容赦なくFRBへの非難を繰り返す現状を踏まえると、利下げの可能性も0%ではない、と考察しておくのも健全かもしれない。先々における円の対ドル金利差縮小はドル買いインセンティブの低減に繋がりかねない点は留意か。

2/17週ドル円焦点


 2/17に内閣府は2019年10-12月期の実質GDP(国内総生産)速報を公開予定。同期間は米中貿易摩擦の長期化や消費税率引き上げ懸念、10月上旬から中旬は東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号の被害経緯もあり5四半期ぶりのマイナス成長に転じる見通し。短期投機筋による追加施策、日銀対応催促での円買い仕掛けに警戒か。上値焦点は2/12・13高値圏110.10-15、1/21高値110.235、1/17高値110.30、昨年5/23高値110.37。超えれば同年5/21-22高値110.635-685視野。下値焦点は2/7・10安値圏109.55-53、2/5安値109.29。日足雲帯下限の109円支援程度。割れたら2/4安値108.54警戒視。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

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