伊藤嘉洋の週間株式相場見通し(7/15週号)

2019年07月12日

レンジ相場の煮詰まり感から方向感を探る展開

日経平均予想レンジ 21,437-21,923円

 今週は、週前半は過度な米利下げ期待の後退から米国株が上昇一服となった流れを受け、東京市場は様子見気分が強まり日経平均の週間値幅は232円と小幅な値動きに推移した。その後、7/11のパウエルFRB議長の議会証言で7月の利下げが確実視された米国株が史上最高値を更新したものの、企業決算を見極めたいムードの強まりや3連休控えもあり、日経平均への反応は限定的であった。7月オプションSQ値は21,742円。週末は21,685円で終了した。

海外の焦点

注目の6月米雇用統計は、前月比22.4万人増と急回復。市場予想の16万人増を大幅に上回る結果となった。これにより、大幅利下げに対する過度な期待にブレーキがかかり、NYダウは先週末の史上最高値26,966ドルから300ドル程売られる場面が見られた。雇用統計では平均時給の伸びは前月比0.2%上昇と市場予想の0.3%上昇を下回り、低インフレ懸念は払拭されていない。こうした中、10、11日両日のFOMC議事録公開でパウエルFRB議長は「やや緩和的な政策が必要な条件が整ってきた」と表明。早ければ7月末の金融政策会合で利下げに踏み切る可能性を示したことで、利下げを確実視する市場の見方を追認する形となった。市場では、0.25%がコンセンサスだが、0.5%利下げの確率は前日の3.3%から約27%に上昇した。NYダウは7/3の高値を抜き、初めて27,000ドル台にのせ、史上最高値を更新した。議会証言が終わり、投資家の関心は本格化する米主要企業の7-9月期決算に向かう。企業業績が事前予想よりも上振れて、さらに7月末の利下げが実施されれば、株価は一段の高値更新が期待できるとの見方が広がっている。

国内の焦点

 日本株は、6/5からの反発相場は下値を切り上げている上、一時割り込んだ200日線を上回り、テクニカル面での強気シグナルが点灯している。一方、東証一部の売買代金が2兆円割れとなるなど、薄商いでの上昇は持続力に欠けるとの指摘は多い。ただ、昨年10月以降の調整局面で売りがほぼ出尽くした2兆円とも見て取れる。7/5現在、裁定残高は売り残が7,774億円、買い残は4,464億円とネットでは売り残が上回っている。こうした状況では裁定解消売りが出にくい。加えて、2市場残高は昨年10月高値時点の3兆円から2兆1,100億円(信用倍率2.21倍)に減少し、個人の信用買いはほぼ出尽くした状況にあると見られる。従って、調整が長引いたことにより仮需の売り圧力はほとんどないだけに、好材料が出現すれば品薄状態の中、相場反転から長期上昇基調に向かう可能性は考慮しておきたい。
 日経平均は21,500円~21,800円のレンジ相場の煮詰まり感から方向感を探る展開。主要移動平均線を全て上回り、上昇転換への期待は強まりつつある。又、75日線21,437円を25日線21,379円が上抜けるゴールデンクロスが接近しており、上値追いを示唆する形状なだけに注目される。

来週の株式相場

 以上、来週は米金融政策を巡る不透明感が和らぎ、市場の関心は米国企業や日本企業の2019年4-6月期決算に向く。米国株や為替の動向を横目で見ながらレンジ相場の煮詰まりから、方向感を探る展開と捉えている。日経平均のレンジは上値は5/7終値21,923円が意識され、下値は75日線21,437円が目処となろう。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

主なスケジュール

日本

7/15(月)祝日休場 (海の日)
7/18(木)6月貿易収支(速報値)
6月首都圏マンション販売
7/19(金)5月全産業活動指数
6月消費者物価指数(CPI・全国)

米国

7/15(月)7月NY連銀製造業景気指数
7/16(火)5月企業在庫
6月輸入物価指数
6月設備稼働率
6月鉱工業生産指数
6月小売売上高
7月NAHB住宅市場指数
7/17(水)6月住宅着工件数
6月住宅建設許可件数
7/18(木)6月景気先行指数
7月フィラデルフィア連銀景気指数
7/19(金)7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

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