次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2021年05月31日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】注目される、日本優位の脱炭素技術、アンモニア発電

今年に入って、「再生可能エネルギー」や「水素エネルギー」というテーマを取り上げてきたが、これらの「脱炭素」関連のテーマは、景気動向や新型コロナの動向と関係なく、今後も株式市場の重要なテーマとして繰り返し物色されるだろう。
その中で、もう一つ、重要な「脱炭素」関連のテーマがある。それは、「アンモニア」だ。アンモニアは、石油と同じように燃焼させることで火力発電を行うことができるが、石油と違うのは、燃焼時にCO2を発生させないことだ。このアンモニアの製造や燃焼技術は日本が世界に先行しており、温暖化ガス排出量削減の決定打になる可能性がある。
そこで、今回は、アンモニア関連銘柄を抽出してみた。

【アンモニア関連銘柄】

銘柄コード 銘柄 内容 終値(5/31) 注文画面
1963日揮ホールディングスアンモニア燃料のガスタービン発電は世界初1,044現物買
1964中外炉工業アンモニア燃焼の熱処理炉2,079現物買
4208宇部興産液体アンモニア製造2,304現物買
6378木村化工機アンモニアから水素を取り出す917現物買
6901澤藤電機アンモニアから水素を取り出す2,234現物買
7011三菱重工業アンモニア専焼タービンを2025年実用化3,315現物買
9502中部電力アンモニア混焼による火力発電を研究中1,311現物買

2019年11月、木村化工機と澤藤電機は、世界で初めて、低濃度アンモニア水から高純度水素を製造し、発電に成功したという発表を行い、株価が急騰した。それ以来、この2銘柄には「先行するアンモニア関連」というイメージがある。
政府の「脱炭素」政策を受け、今年3月に入り、大手企業数社が燃料用アンモニア関連の事業を始めることを発表した。アンモニア製造の最大手である宇部興産は、伊藤忠商事と、船舶用のアンモニア燃料の共同開発を発表した。宇部興産は、2021年3月期は大幅減益だが、2022年3月期にはV字回復を目論んでいる。

【宇部興産(4208):日足 6カ月】

三菱重工と三菱商事(上記表外)も、同じ今年3月に、アンモニア燃焼関連事業の開発を発表しているが、中外炉工業も、大阪大学と共同で、アンモニア燃焼技術をすでに確立している。また、アンモニア利用のガスタービンについては、日揮ホールディングスが世界で初めて実用化に成功した企業だ。こういった技術開発競争激化の中で、発電そのものを事業とする中部電力は東電と統合した事業部で、石油にアンモニアを混ぜて燃焼させることでCO2排出量を少しでも抑えようと研究をしている。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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