次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年12月14日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】12月のIPOラッシュに注目

12月10日、今年の年末を飾る大規模IPOが米国ナスダック市場で行われた。エアービーアンドビーの上場がそれだ。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界中の旅行需要が大きく減退する中、同社業績も危機的な状況となっていたが、リストラによる大規模なコストカットと、国内旅行需要の取り込むことで利益の確保に成功し、その結果、上場初値は146ドルと、公募売り出し価格の2倍を超えることとなった。

東京市場でも、今年年末にかけて、IPOラッシュを迎える。今週も、15日から18日の間に、12社が上場する。投資家の投資意欲は旺盛で、再上場のローランドを除き、全ての銘柄が仮条件の上限価格での発行が決まっている。
12銘柄の概要は以下の通りだ。

上場日 市場 コード 銘柄 事業概要
12月15日 東証2部 9145 ビーイングホールディングス 生活物資に関する3PL事業(総合ロジスティック)
12月15日 マザーズ 4019 スタメン エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAGU」
12月16日 マザーズ 7092 Fast Fitness Japan 24時間フィットネス「エニタイムフィットネス」マスターFC
12月16日 東証1部 7944 ローランド 音響機器・再上場
12月16日 マザーズ 6612 バルミューダ 家電製品の企画・製造・販売
12月17日 東証2部 6229 オーケーエム バルブ製造販売
12月17日 マザーズ 4165 プレイド クラウド型CXプラットフォーム「KARTE」営業支援ソフト
12月17日 マザーズ 4166 かっこ SaaS型アルゴリズムで企業課題のソリューション
12月17日 JQS 4935 リベルタ 美容トイレタリー商品の販売、時計輸入
12月17日 マザーズ 4020 ビートレンド 飲食店・小売店向け顧客情報管理ツール「betorend」
12月18日 マザーズ 4167 ココペリ 中小企業向け経営支援プラットフォーム
12月18日 マザーズ 7031 インバウンドテック セールスアウトソーシング事業。多言語コンタクトセンター運営

今週の上場で目立つのは、企業の攻め、守り双方の経営支援システムをクラウドやDXなどを使い、提供する企業が多いことだ。
スタメン(4019)は社内連携の総合ツール、かっこ(4166)はEC・金融向けにビッグデータを活用するサービス、ココペリ(4167)は金融機関と提携し、中小企業への様々なソリューションを提供する。攻めに強いサービスとしては、プレイド(4165)が営業支援ツールをクラウドで提供し、ビートレンド(4020)は飲食店・小売業向けのCRMシステムを売り込んでいる。
この他にも、24時間フィットネスで知られるFast Fitnessや3PL事業のビーイング、多言語の自社コールセンターを提供するインバウンドテックは、それぞれ注目される事業だ。

このように、多くの銘柄が短期間で上場するときには、各銘柄の上場初値が、ある程度抑制される傾向がある。来年にかけて、マザーズや小型株に注目が集まるようになると、こういった時期に上場した銘柄の中から、上昇しやすい銘柄が出るかもしれない。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

注意事項

  • 本投資情報は、情報の提供のみを目的としており、取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 本投資情報の公開および各コンテンツの更新については、都合により予告なく休止、変更、削除する場合があります。
  • 本投資情報の掲載情報の正確性・妥当性等について、岡三オンライン証券およびその情報の提供者が一切保証するものではありません。ご投資の最終決定は、お客様ご自身の知識、経験、投資目的、資産状況等に適う範囲で、ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本投資情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。
  • 本投資情報は、いかなる目的であれ当社の許可なく転用・販売することを禁じます。
ページトップへ