次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年10月23日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】加速する温暖化ガス排出量削減への取り組み

各種報道機関が報じたところによると、10月26日(月)に召集される臨時国会において菅首相が実施する所信表明演説の概要が明らかとなった。前政権を踏襲しつつ新型コロナウイルス対策と経済再生の両立を目指すとする中で、2050年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロ化を実施する方針も示すようだ。折しも本年は2015年に採択された温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」が実施となった時期にあたるため、国際的に関心が高まる温暖化対策への方針を明確にすることになる。2050年までの温暖化ガス排出量の実質ゼロ化については「世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃までに抑える努力をする」という目標のもと、EUが2019年に表明しており、政府もその流れに沿う内容を検討していることになる。これまでにも政府は温暖化ガス排出量削減への取り組みについて言及していたものの、「2050年に向けて80%削減する」や「今世紀後半のできるだけ早期に排出量実質ゼロにする」など目標数値や期限の設定に曖昧さがあった。今回の菅首相による明確な目標の表明により、国内においても温暖化ガス排出量削減に向けた取り組みが加速することになるだろう。この恩恵を受けるテーマとして温暖化ガスである二酸化炭素を再利用する「カーボンリサイクル技術」や排気ガスのない「電気自動車」に注目し、それぞれについて以下に記載するので参考にしていただきたい。

カーボンリサイクル技術関連

カーボンリサイクル技術は二酸化炭素を温暖化ガスとして捉えるのではなく、炭素資源と捉え再利用する技術であり、大気中への二酸化炭素排出を抑制する効果がある。様々な技術がある中で政府はメタネーション(水素と二酸化炭素から天然ガスの主成分であるメタンを合成する技術)を有望な技術の一つとして位置付けており、2030年以降における脱炭素社会実現の柱の一つとしているが、このほかにも二酸化炭素を分離・回収し、鉱物化や人工光合成なども研究が進められている。産学連携も活発となってきており、昨年10月より、出光興産と宇部興産と日揮の3社が複数の大学と協力して、火力発電所や工場から排出される二酸化炭素を他資源に転換する新技術開発を目的としたCCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage:二酸化炭素の貯留・回収・利用)研究会を設立し、技術開発を進めている。

コード 銘柄名 終値(10/23) 注文画面
1963日揮ホールディングス954現物買
4208宇部興産1,932現物買
5019出光興産2,179現物買

電気自動車関連

自動車業界では環境に配慮してガソリン車・ディーゼル車から電気自動車などの排気ガスを出さない自動車への切り替えが進んでおり、一部の国ではガソリン車・ディーゼル車の販売禁止時期の目標を設定している。販売禁止時期について、ノルウェーは2025年、オランダ、ドイツは2030年、フランス・スペイン・中国は2040年としており、イギリスも2040年としていたが5年早めた2035年に前倒しすると今年の2月に表明した。ガソリン車・ディーゼル車の動力源はエンジンであるが、電気自動車ではモーターが動力源となるため、モーターを動かすためのバッテリーやインバーターといった部品の高性能化が電気自動車の性能に影響してくる。精密小型モーターに強みを持つ日本電産はモーター、インバーター、ギアを一体化させたトラクションモーターを開発・提供しており欧米中の企業から受注をしている。バッテリーではトヨタ自動車がリチウムイオン電池を採用したジーエス・ユアサや車載電池出荷個数世界2位のパナソニックなどに注目したい

関連 コード 銘柄名 終値(10/23) 注文画面
リチウムイオン電池4204積水化学工業1,759現物買
6674ジーエス・ユアサ コーポレーション1,941現物買
6752パナソニック894現物買
6762TDK12,310現物買
6810マクセルホールディングス1,094現物買
モーター6506安川電機4,205現物買
6594日本電産10,600現物買
6966三井ハイテック2,154現物買
7726黒田精工813現物買
インバーター6505東洋電機製造1,164現物買
6723ルネサスエレクトロニクス919現物買
6902デンソー4,935現物買
6981村田製作所7,230現物買
6996ニチコン890現物買
7259アイシン精機3,510現物買

(岡三オンライン証券 エクイティ事業部)

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