次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年08月21日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】個人情報の適切な活用をサポートする技術「プライバシーテック」

デジタルデータを取り扱う際に個人情報を守る技術である「プライバシーテック」に注目が集まり始めている。「プライバシーテック」とは個人情報の保護と、企業による個人情報の適切な活用をサポートする技術の総称だ。
国内ではベクトル(6058)とインティメート・マージャー(7072)が合弁契約を締結し、2020年3月に「プライバシーテック」を手掛けるPriv Tech株式会社を設立した。Priv Tech株式会社は個人情報などのデータ利用の同意を管理するプラットフォーム「Trust360」を提供している。「Trust360」が導入されたWebサイトを閲覧すると、閲覧者の閲覧履歴などのデータを収集してよいか同意を求めるバナーが表示される。閲覧者はデータの活用目的を確認することができ、同意するか否かを選択できる。
閲覧履歴データの活用は良い点と悪い点がある。良い活用例としては、過去の閲覧履歴などをもとに、自分好みの商品・サービスなどを紹介してくれる「自動推奨(レコメンド)」機能が挙げられる。一方、悪い活用例としては、閲覧履歴等を解析することでパスワード含むセンシティブ情報も企業側が取得することが技術的に可能であり、結果としてプライバシーの侵害につながりかねない。閲覧履歴などのデータを収集して欲しくない場合に、「Trust360」のようなデータ収集の同意を確認してくれるサービスは消費者のプライバシー保護につながる。

「プライバシーテック」が注目されるようになった背景は主に2つある。1つは、スマートフォンの普及や音楽・映画配信をはじめとしたコンテンツの大容量化などにより世の中のデータ流通量が急増するとともにITリテラシーの低い個人の利用が拡大していることが挙げられる。企業が取り扱えるデータ量が多くなることで今までになかった技術の進展やサービス提供に期待が高まる一方で、不用意な操作により情報が漏洩するなど個人情報の取り扱いにより一層の注意を払う必要がある。今後も次世代移動通信システム5Gの商用化が始まったことやAI技術の進歩により、データ流通量がさらに増加し接触機会も増大することから個人情報取り扱いへの配慮がより重要となっていくだろう。

出典:総務省「令和2年版情報通信白書」より

2つ目に、個人情報の取り扱いについて各国でルール整備が急速に進展していることだ。欧米では個人情報などのデータに対し2018年5月に「EU 一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)」が、2020年1月「カリフォルニア消費者プライバシー法(California Consumer Privacy Act :CCPA)」が施行されており、個人情報に係るあらゆるデータに保護規則を設けている。日本では2020年6月5日に改正個人情報保護法が成立し2022年内の施行を目指す。個人情報の取り扱いは今後より厳罰化の方向に進むことが想定されるため、企業側も対応を急がざるを得ない状況となっている。

このように、デジタルデータを活用する際は個人情報の取り扱いに配慮する必要性がより高まることが想定され、「プライバシーテック」に関する市場は拡大していくだろう。以下に、「プライバシーテック」のような個人情報の取り扱いをサポートするサービスを提供する銘柄を紹介するので参考にしていただきたい。

コード 銘柄名 終値
(8/21)
注文画面
2433博報堂DYホールディングス1,353
3762テクマトリックス2,325
4709IDホールディングス1,402
6058ベクトル890
7072インティメート・マージャー1,996

(岡三オンライン証券 エクイティ事業部)

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