次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年03月31日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】「合理的な算定ができない」環境下での投資スタンス

東京を含む世界の株式市場を襲っている強烈な嵐は依然収まる気配が見えない。世界経済の牽引役だった米国は直近まで過去最長の景気拡大期間を更新してきており、株式市場はもともとバブル的な様相が強まっていた。そこに降りかかった思いもよらない新型コロナショックで、今や同国の感染者数は16万人を超えて中国やイタリアを抜いて世界最多となり、死者数も2000人を上回る。

当初は中国を中心にしたアジアでの「対岸の火事」と見て、4月ごろになって暖かくなれば次第に収束に向かうだろうと楽観視していたトランプ大統領も、最近は「戦時下の大統領」という認識で危機感を強調。27日には議会が可決した2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策法案に署名し、速攻で同法案を成立させた。これはリーマンショック時の7000億ドルをはるかに上回り、国内総生産(GDP)の1割に相当する戦後最大規模の対策で家計への現金給付や中小企業の給与補填などが柱。米連邦準備制度理事会(FRB)が打ち出す4兆ドルの資金供給策と合わせると対策総額は6兆ドルを超える規模になるという。

【ニューヨークダウ:日足:6カ月】

一方、日本国内は欧米に比べれば感染者数は相対的に少ないものの、逆に言えば少しでも油断をすれば「感染爆発」がいつ起きてもおかしくない状況が続く。感染者数の増加に危機感を抱いた小池百合子東京都知事などが不要不急の外出自粛を呼びかけたが、足元の新規感染者数はなお増え続けており、収束の兆しは見えない。感染のピークはこれから到来すると推測されるが、最大の問題はそれがいつになるのか、そしてどの程度の規模になるのかが誰にも分らないことにある。

もちろん、これは日本国内に限った話でなく、全世界がまったく予測のつかない環境に置かれていることを意味する。例えば7月24日に開会式を迎える予定だった東京オリンピックはほぼ1年間の延期が決まったものの、これとても1年以内には新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が収束しているという前提に立ってのことだ。だが、実際にはそうはならない可能性も少なからず残る。

一方で自然の収束はなかなか容易でなさそうだが、治療薬やワクチンの開発が想定以上に早く進むことがあれば克服は意外に早まる公算も当然ゼロではない。やはり問題なのは先がまったく読めないという「不透明感」にあるのは間違いなく、これは株式市場がもっとも嫌い、そして苦手とする環境なのだ。

【日経平均:日足:6カ月】

およそ1カ月後に行われる3月期企業の決算発表では新年度(2021年3月期)の業績予想を「未定」とするところが増えるのは必至とみられる。「合理的な算定ができない」のは当然だろうし、無理やり一定の前提を置いた数字を開示したところで、それは決して信ぴょう性の高いものとは言えない。工場の稼働や店舗の営業などがいつまで、どの程度の影響を受けるかが読めない以上、業績予想を「未定」とするのは当然の判断に違いない。

このような局面での投資対象としてはやはり景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄が最適だろう。もし、新型コロナの感染拡大に収束の兆しが見えるようなことがあれば半導体関連や自動車、機械など景気敏感株が一気に見直される公算は大きく、そのタイミングを意識したスタンスも重要かもしれない。ただし、現時点では依然そのリスクは大きい。以下に具体的なディフェンシブ銘柄を例示する。

コード 銘柄名 市場 終値
(3/31)
注文画面
2212山崎製パン東証1部2,257
2602日清オイリオグループ東証1部3,650
2651ローソン東証1部5,930
3391ツルハホールディングス東証1部14,260
4521科研製薬東証1部5,030
4543テルモ東証1部3,720
7649スギホールディングス東証1部5,770
8113ユニ・チャーム東証1部4,051
9432日本電信電話東証1部2,576
9502中部電力東証1部1,525
9531東京瓦斯東証1部2,556
9861吉野家ホールディングス東証1部2,081

【ローソン(2651):日足:6カ月】

【科研製薬(4521):日足:6カ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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