次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年03月16日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】ESGに注目した銘柄のリバウンドを狙う

新型コロナウィルスの影響で、株式市場は不安定な動きをしているが、先週まで下げたスピードと幅から考えれば、この水準はリバウンドを取る好機と考えられる。
リバウンドを狙うときの銘柄選択は、以前に紹介したように、単純に「下落率が大きい銘柄」の中から業績が固い銘柄を選ぶのも一つの方法だが、もう一つは、近時注目される「ESGスコア」に注目する銘柄選別方法もある。
国連発で始まったSDGsが企業に浸透するなど、現在の国際的な資本主義社会は、過度な株主重視からの修正局面にある。英国の巨大投資ファンド、ブラックロックの会長が、安易な株主還元を支持しない、と宣言し、企業もまた、より多くのステークホルダーの需要を満たすことが、中期的な企業価値の向上に資する、という考え方が、静かに浸透しつつある。今回のコロナ騒ぎによる株式市場崩壊の後に再構成されるポートフォリオでは、そのような観点で修正された銘柄選択が実行されるかもしれない。
その方向性が、「ESG」、すなわち環境、社会、ガバナンスのそれぞれについて企業の得点(ESGスコア)を算定し、投資評価をする投資方法だ。このESGスコアの算定は、各投資会社のブラックボックスだが、個人投資家でも、ESG重視のスタンスで一定の銘柄を選定することは可能だ。

そこで、ESGに係る非財務情報を開示する「統合報告書」を提出している企業の中から、今回は時価総額500億~1000億円のゾーンで、ROEが8%以上を選び、業績数値でトレースした企業をセレクトしてみた。

統合報告書提出企業のうち
ROE8%以上 過去3年売上1%以上、今期増収2%以上、経常増益率1%の企業

コード 銘柄 市場 事業 終値(3/16) 注文画面
1980ダイダン東証1部電気空調衛生工事2,053現物買
2384SBSホールディングス東証1部物流一括受託1,303現物買
2733あらた東証1部日用品卸3,525現物買
8897タカラレーベン東証1部マンション販売322現物買
6508明電舎東証1部制御装置1,366現物買
9551メタウォーター東証1部上下水処理3,215現物買

上記表の銘柄群では、業種がまちまちで、タイプも違う銘柄が並んだ。シェアハウス向けの空調などで注目されるダイダンや、EC向け物流が伸びるSBSホールディングス、ドラッグストア向けに日用品卸が好調のあらたなどは、新型コロナの影響を考慮しても十分に好調な企業だろう。
株価を見ると、先週までの下落率が大きかったのは、明電舎だ。同社は19世紀に設立された老舗企業で、水処理、水道等公共社会インフラや再生エネルギー関連事業などが収益基盤となっているが、近時は半導体関連、EV関連としての評価が高まっていた。2018年末からの上昇率が70%を超えており、調整が大きくなっているが、IoT、環境関連での注目銘柄であることに変わりはない。

【明電舎(6508):日足:6カ月】

また、下落率はそれほどでもないが、同じく水処理設備でトップ級の企業が、日本ガイシと富士電機の水関連事業を統合した、メタウォーター(9551)だ。同社も環境関連事業の大手として注目されている。
明電舎に続き、下落率が比較的大きいのが、タカラレーベンだ。同社はマンション事業者だが、近時、再生可能エネルギー事業に注力している。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

注意事項

  • 本投資情報は、情報の提供のみを目的としており、取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 本投資情報の公開および各コンテンツの更新については、都合により予告なく休止、変更、削除する場合があります。
  • 本投資情報の掲載情報の正確性・妥当性等について、岡三オンライン証券およびその情報の提供者が一切保証するものではありません。ご投資の最終決定は、お客様ご自身の知識、経験、投資目的、資産状況等に適う範囲で、ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本投資情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。
  • 本投資情報は、いかなる目的であれ当社の許可なく転用・販売することを禁じます。
ページトップへ