次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年03月10日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】円が買われやすい地合いは続く

東京を含む世界の株式市場は大荒れの様相を呈している。これまで世界の経済や株式相場をけん引してきた米国でニューヨーク市場のダウ工業株30種平均が2万9551ドルの史上最高値を付けたのがつい1カ月ほど前の2月12日だった。 それが3月9日には2万3851ドルと短期間で19%強も下落。米連邦準備制度理事会(FRB)は3日に臨時の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催して0.5%の利下げに踏み切った。しかし、それでも株価は下げ止まらず、市場は3月17~18日に予定されている定例のFOMCでも、さらに0.5%以上の大幅利下げをすでに100%の確率で織り込んでいる。

【ニューヨークダウ:日足:6カ月】

世界的な市場の動揺を招いている最大の要因は言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大。これまで感染が確認されたエリアは8日時点で105カ国・地域に広がり、感染者数や死者数は日々拡大している。中国では新規の感染者数が減り始めてピークアウト感がみられるものの、日本を含む他の国や地域ではまったく先行きが見通せない状況。とくに足元では欧州に加え米国での増加も目立ち始め、これに金融市場も敏感に反応し、株式相場の大幅な下落につながっている。

この新型ウイルスへの警戒感から世界中でヒトやモノの動きが停滞し始めており、国際通貨基金(IMF)は2020年の世界経済の成長率予測を2%台に引き下げる見通し。1月時点では3・3%と予想していたが、4日に記者会見したゲオルギエバ専務理事は「20年の世界経済の成長率は19年の水準(2.9%)を大きく下回るとみている」などと語っている。2年続けて3%を下回れば湾岸戦争があった1991~93年以来のことになる。

このような事態に対応して各国・地域の政府や中央銀行は財政、金融両面からの政策対応を強化して景気の腰折れを阻止する姿勢を鮮明にしており、その象徴的な動きが世界の基軸通貨である米ドルを抱えるFRBによる大幅な利下げでもある。今後の帰趨は新型ウイルスの感染がいつ、どのような形で収束するかにかかっており、現段階での予測は難しい。仮に新型ウイルスの感染が比較的早期に収束に向かえば金融市場も早晩、落ち着きを取り戻し、金融緩和の効果を背景に株式相場も急速に戻るかもしれない。しかし一方で感染拡大の動きが長期化し、世界経済の停滞感がさらに強まるようなら、株価はさらに下値を探る展開になるとみられる。

【ニューヨーク原油(WTI):日足:6カ月】

また、ここにきて原油相場が急落したこともさらなる金利低下を誘発しており、9日の米国市場では長期金利の指標となる米10年物国債の利回りが一時は史上最低の0.3%台まで低下した。外為市場では日米の金利差縮小にリスク回避のための円買いも加わって急速に円高ドル安が進み、9日には1ドル=101円台半ばまで円が買い進まれた。FRBが立て続けに大幅な利下げに踏み切る一方で、日銀が取りうる金融緩和の余地は限られるため、当面は円が買われやすい地合いは続く公算が大きい。目先的なリバウンド相場では一気に売り込まれた銘柄ほど反発しやすいだろう。だが、あくまでファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を重視して銘柄を選別するのであれば内需主体で円高や原油安がメリットになるような銘柄を中心に考えるべきではないか。以下に参考銘柄を例示する。

コード 銘柄名 市場 終値
(3/10)
注文画面
1301極洋東証1部2,521
1333マルハニチロ東証1部2,093
2001日本製粉東証1部1,569
2602日清オイリオグループ東証1部3,195
3863日本製紙東証1部1,460
8043スターゼン東証1部4,235
8028ファミリーマート東証1部2,124
8174日本瓦斯東証1部3,485
8267イオン東証1部1,957
9502中部電力東証1部1,391
9504中国電力東証1部1,357
9531東京瓦斯東証1部2,276

【極洋(1301):日足:6カ月】

【東京ガス(9531):日足:6カ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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