次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年03月02日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】急落相場後に反転が期待される営業増益見込み銘柄

新型肺炎の影響で、株価が大きく下落している。
下落のスピードは速く、下落率も大きいが、まだ先行きの見通しは効きにくい状況にある。しかし、短期的にみれば今週は反発が入りやすい。週の中のどこかでリバウンドを取れるタイミングはあるだろう。
震源地となった中国の状況が、徐々にではあるが、整理されている。一部の交通規制は緩和され、中国政府は経済対策を順次、打ち出している。日本企業も一部では工場再開などが始まった。
こうした状況から、底打ち後には、中国関連の製造業が先にリバウンドの恩恵を受けるだろうと考えることが出来る。しかし今は、より単純に「下がったものを狙う」戦略を考えてみたい。今回の株価急落により、信用取引の決済などによる担保処分も出ており、どの銘柄が新型肺炎関連での下落なのか、明確に判断することが難しいからだ。
下表では、短期的な移動平均線から大きく乖離した銘柄の中で、業績が悪くないであろう(今期営業利益予想が増益のもの)銘柄をピックアップしてみた。ただし、中には短期的な下落率が非常に大きい銘柄があり、株価推移をよく監視しながら、慎重な買付をするべきだろう。

25日移動平均線からの乖離が−25%以上で、今期営業増益が見込まれる銘柄

コード 銘柄 市場 乖離率 事業内容 予想
営業
増益率
終値
(3/2)
注文画面
6029アトラ東証1部 -25.99%接骨院 66.70% 254
6070キャリアリンク東証1部 -29.76%派遣 7.60% 482
6387サムコ東証1部 -25.57% 電子部品製造装置開発 128.80%1,659
6428オーイズミ東証1部 -25.53% パチスロ機 79%449
6788日本トリム東証1部 -25.30% 整水器 16.90%3,245
6973協栄産業東証1部 -26.43% 電子製品商社 38.50%1,164
7448ジーンズメイト東証1部 -30.06% アパレル 91.50%223
7816スノーピーク東証1部 -28.87% キャンプ用品小売り 8.20%712
9768いであ東証1部 -26.41% 環境調査 6.10%1,820

※乖離率は2020年2月28日現在

キャリアリンクは、製造業向け派遣で中国人など外国人を多く活用しており、今回の新型肺炎関連の影響が懸念されるが、2020年2月期については、すでに2月19日に上方修正を発表している。来期業績予想には、新型肺炎が一定の影響をすると思われるが、株価の下落は、すでに大きくなっている。
サムコは半導体など電子部品製造装置をアジアの各地域へ投入しているが、中国向けにはCVD装置(半導体の表面に薄膜を堆積する装置)などの出荷が順調に推移していた。7月決算企業なので、主に2月以降の業績動向が中国経済の影響を受けそうだ。また、日本トリムは、中国で病院運営事業を企画しており、この計画にどのような影響が出るかが注目される。ちなみに、同社子会社の臍帯血保管事業を行うステムセル研究所は好調で、東証への上場申請を発表している。

【日本トリム(6788):日足:6カ月】

協栄産業は三菱電機系の電子機器商社で、やはり中国向けFA・産業機械が多いが、中国経済の減速を前提としながらも、今期は38.5%営業増益を予定している。先週末の下落率が大きいジンズメイトは、ライザップ傘下のアパレル事業者だが、インバウンドでの売上が大きい店舗であり、訪日外国人の減少は痛手となるだろう。
接骨事業を行うアトラやオートキャンプ関連商品を扱うスノーピーク、環境関連企業のいであは、それぞれ12月決算で決算発表が終わった後の株価急落となったが、内容がそれほど悪い訳では無い。新型肺炎の影響はもちろん業績に出るだろうが、底打ち後のリバウンドは狙える可能性がある。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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