次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年02月10日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】資本政策のシーズン!企業の施策に注目する

2月は、自社株買いの発表など資本政策が活発になる時期だ。3月決算の企業が、期末までに残った資金の使い方や不十分と思われる株主還元などを検討し、「駆込み実行」をするためだ。
株主還元や資本政策は、自社株買いだけではない。期末までに株式の流動性を増やしたい企業が株式分割を行うこともあれば、自社株を保有する他の企業が決算の都合などで売却するために立会外分売を行うこともある。
これらの資本政策は、その多くが株価に良い影響を与えることが多い。

以下の銘柄は、4月1日に効力発生となる株式分割予定の企業だ。株式分割は、その銘柄の流動性を上げることでプレミアムを乗せ、当該株式のリスクを下げることで株価を上昇させることがある。ただし、効力発生後には、需給関係が緩み、下落するケースが多い。

株式分割予定銘柄

4月1日効力発生で1対2以上の分割(地方市場除く)

市場 コード 銘柄 効力発生日 分割割合 終値
(2/10)
注文画面
東証1部6594日本電産4月1日 1・214,625
東証2部7505扶桑電通4月1日 1・23,865
東証1部3626TIS4月1日 1・37,140
東証1部3918PCIホールディングス4月1日 1・22,502
東証JASDAQスタンダード3322アルファグループ4月1日 1・21,515
東証1部9470学研ホールディングス4月1日 1・47,040
東証1部3835eBASE4月1日 1・21,753

次の表では、立会外分売を発表し、2月10日現在でまだ実施していない企業を掲載した。立会外分売は、基本的にインサイダー情報が無い時期に行うと同時に、会社側とすれば、立会外分売を行った後に株価が下がれば、批判されやすい。つまり、できれば立会外分売を行った後、株価が上がる、というタイミングを選んで実施したいので、そこが狙い目だ。ただし、株価があまり動くと立会外分売は実施されないケースもある。従って、発表時にはその実施日は●日~●日の間で行う、というように明確にはしないが、多くの場合、その初日に実施をしている。

立会外分売実施予定銘柄

市場 コード 銘柄 期間 終値
(2/10)
注文画面
東証JASDAQスタンダード3800ユニリタ2月18日~25日2,019
東証1部3484テンポイノベーション2月13日~18日917
東証マザーズ4599ステムリム2月14日~18日826

最後に、2月7日に自社株買い(市場買い付けのみ)を発表した企業を掲載しておく。自社株買いの手法には、市場買い付け以外にもTostNet(東証の売買システム)を使うケースもあるが、株価に影響を与えやすいのは、市場での買い付けだ。規模としても、期間が1年程度なら発行済み株式数の2%以上、または、規模が少ない場合は、発表後1か月~2か月程度の短期間で買付を行う、というケースが、株価に影響を与えやすい。
ただし、下記表の企業はいずれも、決算発表(四半期含む)と同時に自社株買いを発表している。そしてこのような場合、ほとんどの場合、決算内容があまり良くない。企業側としては、悪い決算発表と同時に自社株買いを決議し、発表することで、少しでも株価の下落を食い止めようという思惑が働くためだ。また、このような「株価対策」をすることで、株主総会などでの追及に対する回答を用意することもできる。
こういった場合、自社株買いの発表でも、株価はすぐには上がらないことが多い。多くの場合、発表翌日の朝だけ自社株買いがはやされて上昇し、その後、決算内容に対する失望売りが出てきて急落するというケースを演じる。したがって、下記表の銘柄もすぐには飛びつかず、株価の下落を少なくとも半日以上、見てみるべきだろう。

2月7日に自社株買いを発表した銘柄

(「規模」は発行済み株式数に対する最大買付株数の%)

市場 コード 銘柄 規模 期限 終値
(2/10)
注文画面
東証1部2453ジャパンベストレスキューシステム2.37%来年2月10日870
東証JASDAQスタンダード5724アサカ理研1.29%7月31日1,335
東証1部6929日本セラミック1.50% 6月30日2,455
東証1部3682エンカレッジ・テクノロジ2.46%5月29日878
東証2部4635東京インキ2.96%10月31日2,524
東証JASDAQスタンダード6862ミナトホールディングス1.34%3月31日412
東証1部4534持田製薬0.64%3月19日4,360
東証1部8098稲畑産業0.48%3月19日1,520

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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