次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年12月24日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】政策効果の顕在化で企業業績は・・・

歴史的な「令和元年」も残り1週間となった。クリスマスの25日は米欧の主要市場が休場で、その前後に連休を取る海外投資家も多い。また、東京市場は31日から1月5日までの6連休を控えており、例年のことではあるが、この時期はやや特殊な需給関係や値動きになりやすく、注意が必要だ。まだ、記憶に新しいところで昨年のこの時期は日経平均株価が12月25日にかけて大きく下値を切り下げて2万円の大台を割り込み、東京市場がまだ休場中だった年明け早々の1月3日には海外でドル円相場が短時間に1ドル108円台から104円台まで一気に4円近くも円高ドル安に振れ、「フラッシュクラッシュ」と呼ばれた。これを受けて始まった1月4日の大発会では日経平均が一時770円あまり下落し、終値でも452円安と大幅安だった。先行きが思いやられる大発会だったが、ほぼ終わってみれば、この大発会が今年の安値(1万9561円)で、12月17日に付けた、ここまでの高値2万4066円までで23%上昇した計算だ。もっとも、昨年の大納会の終値は2万0014円だったことから、そこからの上昇率は20%となる。

【日経平均株価:週足】

さすがに昨年12月に急落した反動で今年は1~2月にリバウンドし、その後は2万1000円を挟んで一進一退が続いた。10月以降に抵抗帯を突破して一気に2000円ほど上げたことで、今年はどうやら日経平均が20%程度上昇して幕を閉じそうな状況となっているわけだ。ただし、まだまだ半信半疑、あるいは弱気のスタンスのままの投資家の方も多いのではないか。

それもそのはずで実体経済や企業業績は必ずしも良好とは言えず、例えば日本銀行が13日に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では注目度が高い大企業製造業の業況判断指数(DI)がゼロとなり、前回調査(9月)から5ポイント悪化した。米中貿易戦争に伴う外需の低迷などが響き、大企業製造業の景況感は4四半期連続で悪化していた。内需についても10月からの消費増税の影響を指摘する声が聞かれる。11月中旬までに発表された上場企業の19年7~9月期決算も全体的には低調で、国内の投資家心理がなかなか強気になり切れないのは当然かもしれない。

しかし、景気の停滞感を背景に米連邦準備制度理事会(FRB)が7月から10月にかけて政策金利を立て続けに3度引き下げ、国内では政府が民間支出も含めた事業総額で26兆円規模の経済対策を閣議決定した。懸念された米中協議がひとまず「第1段階の合意」に達し、さらに先鋭化するリスクが薄れた効果も大きく、2020年前半はこれらの相乗的な効果が顕在化する公算が大きい。問題は企業業績だが、11月中旬にかけての19年7~9月期決算発表の際には業績が予想から下振れしたり、20年3月期通期予想を下方修正した銘柄が、その後に買われる例が相次いだ。足元の業績悪化はすでに織り込み済みと市場が判断し、今後の回復への期待を先読みし始めたためと推測される。

世界景気は2020年前半にかけてなお拡大が続くと予想され、企業業績についても今後の決算発表を通じて、その内容が確認されることが重要になる。まずはここから1月中旬にかけて発表が行われる11月期決算銘柄に注目したい。同時に開示する2020年11月期の通期業績予想で増益見通しが示されれば一気に買い安心感が広がる可能性がありそう。以下におもな東証1部の銘柄を例示する。

コード 銘柄名 内容 終値
(12/24)
注文画面
2698キャンドゥ100円ショップ運営1,660
2809キユーピーマヨネーズ、ドレッシングで国内首位2,480
3139ラクト・ジャパン乳飲料やチーズ主体の食品専門商社3,595
3186ネクステージ中古車販売大手1,275
3244サムティ不動産の開発・流動化業者2,285
3454ファーストブラザーズ不動産ファンド運用1,345
8095イワキ医薬品・医薬原料商社461
9717ジャステックシステム開発・販売専業1,111
9972アルテック特殊産業機械の専門商社227
9837モリト服飾付属品の大手784

【サムティ(3244):日足:6カ月】

【ジャステック(9717):日足:6カ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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