次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年11月11日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】中国以外の海外比率が高い好業績企業に注目

株式市場は好調に推移しているが、いよいよ今後の企業業績による銘柄選別が激しくなる局面を迎えつつあるようだ。
しかし、国内主要企業の業績見通しは、慎重になっている。国内景気の見通しについて不透明感が増していることが、その要因の一つだろう。内閣府が想定するGDP成長率(実質)が2019年度0.9%、2020年度1.2%であるのに対し、日本経済研究センターのESPフォーキャスト調査では、2019年度0.7%、2020年度0.4%とされている。度重なる災害と、東京五輪後の反動に対する警戒感がこうした見通しに出ており、今後、国内経済成長率見通しの下方修正が議論される可能性は高いだろう。

銘柄選びにおいても、日本国内よりも海外売上が高い好業績銘柄に、注目しておくべきだろう。国内景気の不透明さもあるが、今年に限っていえば、第2四半期までは業績好調な企業でも、消費税増税の駆け込み需要で数値が上積みされている場合も多く、投資家サイドの見通しの見誤りによる株価の乱高下が想定されるからだ。
また、海外売上比率が高くても、市場によってはリスクが高いケースもある。例えば、中国は米中貿易摩擦の問題等から、不安定要素が大きい。

そこで今回は、海外売上比率が大きく、中国市場の影響を受けにくい銘柄を抽出し、その中から今期営業増益見込みの銘柄をいくつか紹介しておきたい。

市場 コード 銘柄名 事業 海外売上比率 主な市場 今期営業増益率予想 終値
(11/11)
注文画面
2427アウトソーシング東証1部製造業向け派遣請負 51% 欧州豪州 30% 1,175
3990UUUM東証マザーズYouTube制作支援 62% 欧米 12% 5,010
4369トリケミカル研究所東証1部半導体用化学材料 61% 台湾 6% 7,810
6755富士通ゼネラル東証1部エアコン等電気製品 66% 欧州豪州中東 27% 1,999
6800ヨコオ東証1部自動車用アンテナ等 63% 米国 34% 3,140
6820アイコム東証1部無線機専業 55% 北米欧州 27% 2,523

表中の営業利益見通しは、11月8日現在のものであり、今週は四半期決算を発表する企業も多いので、それらの進捗率や予想修正には注意をしておく必要がある。

表中で、異色を放つのが、マザーズのUUUMだ。UUUMはユーチューバーの動画配信支援をする企業で、2017年に上場してから2年が経ち、安定した株価推移を始めている。

UUUM日足チャート(6カ月)

工場に対する人材派遣や請負を世界中で行っているアウトソーシングは、まだ世界中の市場を開拓中であり、欧州豪州で業績を伸ばしている。また、富士通ゼネラルやアイコムのように、エアコンや無線といった特定の商材で業績を伸ばしている企業もある。自動車用アンテナのヨコオは、米中貿易摩擦問題への対応として、生産拠点を中国からベトナムに移す、といった対策を実施した。
このように、世界中で活躍する企業は、大きな市場を相手にする成長性が魅力であり、また、様々なリスクへの対応にも余念がない。一方で、為替の影響も受けることから、ドル円の状況には留意しておくべきだろう。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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