次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年11月05日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】遂に2万3000円! 年末株高を占う3つの「T」

連休明け5日の東京市場では日経平均株価が遂に2万3000円の大台に乗せた。直接的な買い材料は、米中両政府による「通商交渉第1弾の合意間近」とのアナウンスだと思われるが、このまま一気に年末株高に駆け上がれるかどうか。3つの「T」をキーワードに占ってみたい。

一つ目の「T」は言わずと知れた、TRUMP(大統領)、TRADE(貿易)、TARRIF(関税)に象徴される米中問題だ。先週はブルームバーグが「中国、米中合意に懐疑的」と報じたうえ、両国首脳会談が予定されていたチリAPECが中止となるなど、何やらキナ臭いムードが漂っていたが、ここが政(マツリゴト)の恐ろしさ。一寸先は闇、一寸先は光であり、「合意間近」アナウンスで週明けは合意ムード一色。4日にはNYダウ、SP500、ナスダックが史上最高値を更新し、この騰勢が5日の東京市場にも波及した。

【日経平均:日足:6カ月】

国内ではTAX(消費増税影響)が見逃せない。具体的な影響はまだ見極められないが、今週から来週にかけ、9月家計調査(8日)、景気ウオッチャー調査(11日)、7-9月期GDP(14日)と重要指標の発表が相次ぐ。増税直前の9月の消費が著しく伸びていた場合、これを駆け込み需要と捉えれば翌月分以降の反動減も想起されるから要注意だ。
10月8日付拙稿「経済と株価の“矛盾”FOMC、増税反動をどう読む?」で指摘した、景気ウオッチャー調査(下向き)と月例経済報告(上向き)の矛盾も、10月月例経済報告(10月18日)が下方修正されることで、ネガティブ方向にベクトルが一致した。報告では「消費税率引上げ後の消費者マインドの動向」や「台風(Typhoon)第19号など相次ぐ自然災害の経済影響」に言及しており、一部報道によると、政府はこれらの影響を緩和するため5兆円規模の経済対策を検討しているという。TAX分野では小売株、卸売株、キャッシュレス関連株、Typhoon分野では建設株が再び注目を集めるかもしれない。

【セブン&アイ(3382):日足:6カ月】

そして、年末高を占う最大の分水嶺はTOYOTAに代表される企業決算だ。これまでに決算発表した指数インパクトの大きい製造業では、安川電機(6506)、ファナック(6954)が通期計画を下方修正。いずれも主因はTRADEだ。
一方、村田製作所(6981)は通期売上高予想を減額したものの、営業利益は増額、純利益は据え置き。下期の想定為替レートは、1ドル=107円(期初想定110円)、1ユーロ=120円(同125円)と円高修正したが、利益は減らない。売り上げ減をコストカットで補える経営体質が構築されつつあるといい、この点「カイゼン」による原価低減・生産効率化が“お家芸”のトヨタにも共通する。実際トヨタの売上高営業利益率は第1四半期時点で9.7%と、同業の日産自動車(4.0%)、ホンダ(6.3%)を大きく上回り、もし米中の余波で売り上げが下振れても、利益は大きくブレないとの見方が大勢だ。

【トヨタ(7203):日足:6カ月】

いずれにせよ、年末株高はTOYOTAなどの企業決算と、TARDE、TAXなどのマクロ要因によって決する。さらに今年はTyphoonなど自然災害に絡む財政出動や復興需要の影響も見逃せない。今回は上記「T」に関連し、かつ指数インパクトの大きい銘柄群を紹介する。今後の投資行動の一助となれば幸いである。

TRADE
コード 銘柄名 日経平均株価に占める構成率
(5日14時時点)
終値
(11/5)
注文画面
8035東京エレクトロン3.46%22,205
6954ファナック3.35%21,405
6367ダイキン工業2.41%15,590
4063信越化学工業1.92%12,370
6857アドバンテスト1.62%5,150
7203トヨタ自動車1.18%7,648
TAX
コード 銘柄名 日経平均株価に占める構成率
(5日14時時点)
終値
(11/5)
注文画面
8028ファミリーマート1.67%2,701
4911資生堂1.40%9,024
4452花王1.33%8,583
2502アサヒグループホールディングス0.85%5,515
3382セブン&アイ・ホールディングス0.64%4,131
Typhoon
コード 銘柄名 日経平均株価に占める構成率
(5日14時時点)
終値
(11/5)
注文画面
1925大和ハウス工業0.58%3,705
8766東京海上ホールディングス0.46%5,962
6305日立建機0.45%2,894
1928積水ハウス0.37%2,382

執筆者

渡部 一実 氏
株式会社ストックボイス 記者

産経新聞記者として政治経済報道に携わる。2014年からストックボイス記者。

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