次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年10月15日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】米中協議の部分合意で見直される銘柄群

世界の2大経済大国である米国と中国による貿易戦争に多少ながらも一服感が台頭し、これまで世界の金融市場に広がっていた過度な悲観ムードもやや修正されてきた。両国は10~11日にワシントンで開いた閣僚級協議によって「部分合意」に達したと伝えられている。

具体的には中国が大豆や豚肉など400億~500億ドル相当の米国産農産品を購入し、通貨政策の透明性も高めると約束する一方、米国は15日から予定していた2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の引き上げを先送りし、中国への「為替操作国」の指定解除も検討することになった。今後詳細について詰めの協議を行ったうえで、協定文書がまとまれば11月16~17日にチリ・サンティアゴで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせてトランプ大統領と習近平国家主席が正式に署名する可能性があるという。

21世紀の覇権争いという色彩が濃い両国間の協議は、中国によるハイテク企業への産業補助金政策などに象徴される構造問題が本丸で、貿易問題は現時点で互いにメリットが得られる妥協しやすい分野だったことは間違いない。ただ、これまで1年半あまりに及ぶ過去の経緯から、市場関係者の多くは貿易問題についても決して楽観視はしておらず、15日から2500億ドル分の中国製品への制裁関税が25%から30%に引き上げられる公算を意識しながら、最近の資金配分を決めていた投資家も少なくなかったと推測される。

【日経平均:日足:6カ月】

これまでの米中摩擦は米国の景気過熱や金利の上昇を抑制してきたという意味で、米国の過去最長におよぶ景気拡大を演出した「影の功労者」だった面がある。逆にいえば、この問題がなければ米国景気はすでに過熱し、その長期金利は3%を超えて上昇して米国景気はすでに後退(リセッション)局面を迎えていた可能性も否定できない。米中摩擦が程よいブレーキとなったことで、米国やひいては世界の景気拡大が長持ちしていた面があったと考えられる。しかし、そのブレーキも過度に効き過ぎると当然のことながら、景気後退につながってしまう。最近の株式市場はそれを読み始めていたとみられるが、米中両国がここでいったん部分的にしても妥協したことで、景気の急減速から腰折れに至るリスクはやや後退したのだろう。

確かに、丸10年を超えて過去最長記録を更新中の米国景気が調整する日もそう遠いことではないのかもしれない。しかし、それが今すぐでないとすれば、過度に悲観に傾いた市場マインドがさらに修正される公算は高そう。ここは売られ過ぎの景気敏感株。なかでも、その中核ともいえる半導体関連の中で信用取引の売り残が買い残を大きく上回る低信用倍率の銘柄群をチェックしてみたい。

コード 銘柄名 信用倍率 終値
(10/15)
注文画面
4045東亞合成0.211,213
4186東京応化工業0.114,285
4203住友ベークライト0.214,375
5344MARUWA0.207,450
6278ユニオンツール0.083,435
6640第一精工0.222,552
6645オムロン0.196,020
6856堀場製作所0.226,670
6857アドバンテスト0.435,110
6951日本電子0.182,696
6966三井ハイテック0.251,839
7966リンテック0.182,242
8035東京エレクトロン0.4521,805

4日申込現在での信用倍率

【アドバンテスト(6857):日足:6カ月】

【住友ベークライト(4203):日足:6カ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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