次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年09月30日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】立会外分売後の相場を狙う

「株式市場が明るさを取り戻しつつある中、企業の資本政策も動き出している。中でも、ここ最近目立つのが、「立会外分売」だ。
「立会外分売」は、既存の株主(大株主や役員など)が、保有株式を換金する為、市場価格よりディスカウントした価格で、1人につき限定した株数で、買いたい投資家を募集し、割り当てることをいう。
大株主や役員は、インサイダー取引規制などの事情で、自由に株式を売却することが出来ない為、資金需要が生じた場合、このような仕組みを活用することがある。しかし、問題は、そのタイミングだ。会社側から見れば、立会外分売を実施したあと、株価下落、業績が急落すれば、やはり役員や大株主が「売り逃げた」という印象を持たれる可能性がある。そこで、立会外分売を行うタイミングは、株価がそれ以上下落しないような状況を選ぶのが通常だ。
また、立会外分売を受けた個人投資家は、時価よりディスカウントした価格で買うため、その後すぐに売却するケースが多い。そこで、立会外分売直後に株価が下落し、その後、株価が大きく浮上することがある。

巴川日足チャート(6カ月)

記載の巴川製紙は、8月27日に立会外分売を発表し、株価はすぐに下落した。9月4日には立会外分売を実施、その後株価は急上昇した。
巴川製紙は、それに先立つ8月9日に、業績予想の下方修正を発表し、株価は下落していたが、会社としては十分に下落したタイミングを狙った立会外分売だったということだろう。

直近で立会外分売を発表または実施した企業は、次の表のとおりだ。

【最近の立会外分売発表銘柄】

市場 コード 銘柄名 決済月 終値
(9/30)
注文画面
3816大和コンピューター東証JASDAQスタンダード10月2日~4日1,047現物買
3180ビューティガレージ東証1部9月27日1,847現物買
7033マネジメントソリューションズ東証マザーズ9月25日2,072現物買
7034プロレド・パートナーズ東証マザーズ9月25日8,920現物買
4420イーソル東証マザーズ9月25日1,360現物買
9385ショーエイコーポレーション東証1部9月13日738現物買

大和コンピューター以外は、すでに立会外分売を実施している。狙うタイミングは、立会外分売終了後、調整が終わったタイミングと考えられるので、その動向をよくチェックしておきたいところだ。
また、イーソル(マザーズ)、マネジメントソリューションズ(マザーズ)は、同時に東証1部への上場申請をしており、それに伴う株主数の確保のための分売だ。一方、プロレドは直近で業績予想の上方修正を行っており、業績に期待が持てる。

イーソル日足チャート(6カ月)

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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