次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年09月27日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】二酸化炭素を資源として再利用、カーボンリサイクル技術に注目

9月25日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、有効な対策が取れないまま地球温暖化が進行すると、2100年までに世界平均の海面水位は最大1.1m上昇すると予測した特別報告書を公表した。2013年公表の報告書では、82cmの海面上昇があるとみていたが、南極の氷が解ける速度が当初の予測よりも早まっていることが判明し、上昇幅を修正した。海面上昇の影響により沿岸の湿地部の2~9割が消失する可能性や、海温の上昇によって生態系に影響がおよび、漁獲量が最大24%減る可能性があるとも指摘された。9月23日に米ニューヨークの国連本部で開催された気候行動サミットにて欧州各国では地球温暖化対策に積極的な姿勢を見せた。メルケル独首相は「産業で発展した国を代表して、我々の技術と資金のできる限りを地球温暖化防止に注ぐ必要がある」と述べ、マクロン仏大統領も「パリ協定に背を向けるような国々とは新たな貿易の枠組みを作りたくない」とパリ協定から離脱表明している米国を暗に批判しつつ地球温暖化対策への取組について言及した。

気候行動サミットでの各国首脳発言
メルケル独首相 ・気候対策に14年比で2倍となる40億ユーロ(約4700億円)を投じる
・30年に二酸化炭素の排出量を、1990年比で55%減らす目標
マクロン仏大統領 ・気候変動対策のファンドへの出資額を引き上げる
王毅中国外相 ・環境に配慮した新エネルギーを使用した自動車の導入実績を強調
モディ印首相 ・電気自動車への切替え、水資源保守への取組促進

出典:各種報道資料を基に岡三オンライン証券作成

パリ協定が採択された2015年からはや4年が経ち、パリ協定実施開始である2020年を目前に地球温暖化対策への関心は高まっている。温室効果ガスの排出削減に向けて日本では「脱炭素社会」を掲げており、水素、二酸化炭素の貯留・回収・利用(CCUS)、再生可能エネルギー(太陽光発電、バイオマス発電)、蓄電池、原子力などの脱炭素化は主な地球温暖化対策・施策として注力される分野だ。

先の分野の中でも二酸化炭素の貯留・回収・利用(CCUS)に着目したい。経済産業省は6月7日に「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を公表している。カーボンリサイクル技術は二酸化炭素を温室効果ガスとして捉えるのではなく、炭素資源と捉え再利用する技術だ。二酸化炭素を分離・回収し、鉱物化や人工光合成、メタネーション(水素と二酸化炭素からメタンを合成する技術)による素材や燃料への利用等とともに、大気中への二酸化炭素排出を抑制する効果がある。民間企業では、今年の6月に出光興産と宇部興産と日揮の3社が複数の大学と協力して、火力発電所や工場から排出される二酸化炭素を他資源に転換する新技術開発を目的とした研究会を設立している。また、一昨年に設立された二酸化炭素地中貯留技術研究組合会員の国際石油開発帝石、石油資源開発、大成建設、応用地質の4社の動向にも注目したい。

出典:経済産業省「カーボンリサイクル技術ロードマップ」

コード 銘柄名 終値
(9/27)
注文画面
新技術開発を目的に
大学と研究会を設立
1963日揮1,413現物買
4208宇部興産2,193現物買
5019出光興産3,175現物買
二酸化炭素
地中貯留技術研究組合
1605国際石油開発帝石1,019現物買
1662石油資源開発2,783現物買
1801大成建設4,225現物買
9755応用地質1,072現物買

(岡三オンライン証券 エクイティ事業部)

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