次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年09月24日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】過度な悲観ムードの修正相場

米中貿易摩擦のさらなる激化への懸念から8月に入って下げ幅を広げ、同上旬に2万500円台(取引時間中では8月6日の2万110円)まで下落した日経平均株価。しかし、その後は7月末の米連邦準備制度理事会(FRB)に続いて欧州中央銀行(ECB)も9月に金融緩和政策にかじを切り、さらにFRBが追加緩和に踏み切ったことなどを背景に世界的なリスク回避ムードが次第に後退。リスク資産である株式を見直す動きが広がり、日経平均も10連騰を交えて一気に2万2000円台まで水準を切り上げてきた。

【日経平均株価:日足:6カ月】

だが、これは何も日本を含む世界の景気実態や企業業績が好調だから株式が買われているわけではない。世界経済の最大の重しともいうべき米中貿易戦争は依然として決着への道筋は見えず、長期化の様相が強まっている。世界のエネルギー供給基地である中東ではサウジアラビアの石油施設が攻撃を受けるなどキナ臭さは増している。欧州の懸案である英国の欧州連合(EU)離脱問題も10月末での合意なき離脱の公算は低下したが、なおその行方は不透明で世界の投資家や企業家にとってはリスク回避を促す要因のままだ。さらに日本においては過去2度にわたって延期された消費税の10%への引き上げがいよいよ1週間後に迫る。軽減税率や各種緩和策の導入などで実体経済へのダメージは過去より小さくなりそうだが、それでも短期的に逆風であることは間違いない。

それでは難問山積の環境下で、なぜこれほど株価が反発したのかと言えば、市場が過度に警戒し過ぎた反動に違いない。とくに日本経済は4~6月期まで3四半期連続でプラス成長をキープ。それも実質成長率は4~6月期で年率1.3%と0%台後半と言われる潜在成長率を上回る成長を維持し、足元の7~9月期についても増税前の駆け込み需要等もあって堅調な成長が続くとみられている。これに対して最近の市場心理は「米中摩擦激化や大幅な円高で景気が腰折れする」、「消費増税を強行すれば日本経済は壊滅だ」など極度に悲観的なムードが蔓延し、株価は実態を超える水準まで下げてしまっていたのだ。日経平均株価のPBR1倍やPER12倍、配当利回り2%超などがこれを物語る。

また、東証の発表による13日申込現在での信用取引残動向では買い残高(東・名2市場合計)が2兆748億円と2016年11月以来およそ2年10カ月ぶりの低水準に減少する一方、売り残高は1兆1048億円と約2年ぶりの水準に増加した。25日の引け後に発表される20日現在の数字が注目されるが、最近の株価上昇を受けても悲観ムードは変わっておらず、結果として売り方による損失確定の買い戻し(踏み上げ)が足元の株式需給を改善させるという皮肉な状況にもなっている。多くの売り方が期待する米国の景気後退(リセッション)もまだ先のようで、もうしばらく売り方には厳しい相場展開が続く公算がありそうだ。
ここは業績が極端に悪くなく、信用取組がきっ抗している個別銘柄を狙う局面だろう。参考銘柄を列挙しておく。

コード 銘柄名 信用倍率 終値(9/24) 発注画面
4801セントラルスポーツ0.033,265
6005三浦工業0.043,095
7925前澤化成工業0.021,203
8041OUGホールディングス0.032,845
8160木曽路0.022,782
8182いなげや0.021,675
8207テンアライド0.01452
8217オークワ0.041,261
9010富士急行0.024,790
9041近鉄グループホールディングス0.046,010
9364上組0.042,517

信用倍率は13日申込現在

【いなげや:日足:6カ月】

【富士急行:日足:6カ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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