2019年08月09日
岡三オンライン証券株式会社
【次の一手】堅実な動きが続く東証リート指数
東証リート指数は7月11日に2007年1月以来となる終値2,000ポイント超えを示現した。足元も堅調に推移しており、昨年末終値から8月8日終値ベースで日経平均株価は2.9%の上昇にとどまっているのに対し、東証リート指数は14.1%上昇しておりパフォーマンスは良好だ。日本銀行が異次元緩和を開始した2013年以降、東証リート指数は2015年1月と2016年4月と5月に2,000ポイントを目指す動きをみせたが、超えることができなかった。抵抗線と見られていた2,000ポイントを上回ったことで、今回の上昇相場は騰落を繰り返しながらも続くと見られる。
【東証リート指数(青)日経平均株価(赤):日足相対チャート:昨年末から】
【東証リート指数:月足:5年】
支援材料として海外投資家の資金がJ-REITに流入する動きが見られる。理由としては、米国金利が低下傾向にあることだ。米国連邦準備制度理事会(FRB)は7月31日の定例会合で、10年7カ月ぶりに政策金利を0.25ポイントの利下げをすると決定したことに端を発した世界的な金利引き下げ競争が挙げられる。パウエル議長は長期緩和サイクルの開始を否定しているが、市場では米中貿易摩擦などに端を発した世界経済の成長減速懸念から来る経済の先行き不確実性を指摘する声が大勢を占めており、追加利下げを要求すべく催促相場の様相を呈している。このような状況を受け、収益の安定性や利回りの高さなどから不動産に注目が集まっており、米国リート市場の価格が上昇基調となっていることから米国リートの利回りが下がり投資妙味が薄れる事態となっている。世界的に低金利の環境下で各国の10年物国債とリートの利回り差は、米国は約1.7%、英国は約3.3%であり、4%近くの利回り差があるJ-REITは海外投資家の需要が見込める。また、米国の金利引き下げは円高ドル安の誘因であり、日本銀行にとっては日米金利差を意識して金利上昇策を当面取れなくなる。リート市場にとって、金利上昇というマイナス材料が当面想定されない状況になるため、J-REIT市場の上昇相場は続く可能性が高いと言える。J-REIT市場の時価総額は直近で約15兆円まで拡大しているが、1,000億円規模の大型投資をする外資系ファンドによる資金流入機会が増えており、市場の拡大を後押しするだろう。
また、米中貿易摩擦などで市況先行きの不透明感が強まるなか、外部環境の影響が少なく収益の安定性・相対的に高い利回りを魅力とするリートは日本株式と比較して手堅い投資手法として活用できるだろう。リートを見る時は利回りとNAV倍率を参考にしたい。NAV(Net Asset value)倍率とはリート価格がリートの純資産に対して何倍であるかを示すもので、株式で言うPBRに近い。NAV倍率が1より大きければ割高、1より小さければ割安と判断できる。以下に利回りが5%前後でありNAV倍率が1より小さい投資法人を紹介するので参考にしていただきたい。いずれも、1単元1口であり2019年8月8日終値で1口20万円以下で購入できる。当社の定額プランを利用すれば手数料をかけずに購入できるので、是非、購入を検討していただきたい。
※予想分配金は会社予想を使用(利益超過分配金を含む)
(岡三オンライン証券 エクイティ事業部)
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