次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年07月16日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】The Show must go on?「安倍一強」と参院選

パウエルFRB議長の議会証言で7月の利下げが極めて濃厚となった金融市場。6月25日付拙稿『緩和ドミノ到来か?フェーズは円高・株高へ?』で指摘した通り、足元ではドル安・円高が加速しているにも関わらず、米欧中からの緩和マネー流入期待から日経平均株価は値を保ち、「円高・株高(≒株下げず)」という局面を迎えている。

こうした状況下で、国内では21日、安倍晋三政権とアベノミクスの帰趨を占う参議院通常選挙が実施される。政権選択に直結する衆院選と違い、米国の中間選挙同様、現政権の「中間テスト」的な意味合いが強調されがちな参院選だが、歴史を振り返れば参院選敗北で内閣が倒れるか、敗北が遠因となって政権交代に至ったケースはままある。
1989年参院選ではリクルート事件、消費税導入に加え、首相の女性問題という「3点セット」が与党・自民党に逆風を浴びせ、宇野宗佑内閣が退陣。山一証券破綻、長銀経営危機という金融不安下の98年参院選では、景気対策や恒久減税をめぐる橋本龍太郎首相の発言が迷走、自民は大敗し橋本氏は開票当日に辞意表明した。 2007年参院選では第1次安倍内閣が相次ぐ閣僚スキャンダルや「消えた年金問題」で歴史的な大敗。安倍首相はほどなく退陣、後継の福田康夫、麻生太郎両氏も短命に倒れ、09年には民主党に政権交代した。

下記グラフが示す通り、政局が流動化し内閣が倒れるような事態になると、株価へのマイナスインパクトは大きい。(※「青木レシオ」については18年10月2日付拙稿『沖縄戦敗北 青木レシオで占う安倍政権の危険水域』を参照のこと)

※世論調査はNHKのデータを使用

衆参両院の権能がほぼ対等な日本では、与党が参院の多数を失えば政策推進力が大きく削がれ、政府与党マターである経済対策や成長戦略はおろか、本来は中央銀行マターである金融政策すら停滞しかねない。07年参院選後の「ねじれ国会」で、両院の同意が必要な日銀総裁人事が二転三転し、福井俊彦氏の後継に白川方明氏が決まるまで約3週間「空位」となったことは記憶に新しい。こうしてみると、「与党敗北→株価下落」の流れは当然と言えば当然で、だからこそ参院選は侮れないのだ。

では、今回はどうなるのか。16日時点で報道各社の情勢調査を整理すると、自公で安定多数(今回59議席、非改選含め129)か、改選議席の過半数(今回63、非改選含め133)確保が有力視されている。足元の安倍政権の支持率をみても、NHKの最新世論調査(7月5日~7日実施)で内閣支持率は前月比3ポイント減の45%、自民党支持率は3.3ポイント減の33.4%だが、歴代政権と比してかなりの高水準を維持。青木レシオも78.4と安全圏にある。

安倍政権の強さとは何か。一言で言えば、「野党が分裂している」ことだ。下図をご覧いただきたい。
(※自民党 国政選挙での党勢推移)

ここから読み取れるのは、「自民党そのものは絶対的に強くはないが、野党が分裂している限り無敵」、逆に「野党がまとまると負ける」という事実だ。
例えば、菅直人氏率いる民主党に小沢一郎氏の自由党が合流した「民由合併」(03年)直後の04年参院選では、自民はあの小泉純一郎首相ですら惜敗。逆に13年、16年は野党が分裂したため、自民が圧勝した。
衆院選も同様だ。過去4回を振り返ると、自民が最多得票したのは、実は野党に転落した09年衆院選だった。ただ、当時はリーマンショック直後の景気低迷や「年越し派遣村」に象徴される雇用不安が自民批判に直結。これが政権交代ムードを醸成し、「眠れる獅子」の無党派層が動き出して投票率が急上昇。自民への不満票が雪崩を打って民主に向かい、鳩山政権を誕生させた。一方、12年、14年には非自民票が民主、維新、みんな、未来などで割れ、自民は圧勝。直近の17年も旧民進党が希望、立憲に割れたため、自民が漁夫の利を占めた。自民は「野党が割れている限り無敵」なのだ。

こうした点を踏まえ、今回、野党は一人区で候補者調整をして与党に挑んでいるが、筆者個人の肌感覚では共闘がシックリいっているとは言い難く、どうしても与党有利という見方に傾かざるを得ない。また、老獪な自民は野党分断のため、保守派と目される維新や国民民主党には選挙後の政策協力に向けた秋波を送る一方、革新勢力と目される立憲、社民、共産を強烈に批判。他方その裏で、革新系の支持母体である労組が提唱する賃上げや働き方改革、ブラック企業対策を丸飲み的に先取りするなど、野党やその支持母体を分断する“クセ球”を投げ続けている。
何はともあれ、参院選は、現在の安倍政権の政策に追い風が吹くか、逆風が吹くかの重要な分水嶺となる。政策ごとに関連銘柄を列挙するので、選挙結果と合わせ、中長期的な投資判断の参考にして頂きたい。

消費増税
コード 銘柄名 終値
(7/16)
注文画面
3048ビックカメラ駆け込み需要1,120
9831ヤマダ電機495
7203トヨタ自動車7,000
6082ライドオンエクスプレスホールディングス軽減税率1,237
3753フライトホールディングスキャッシュレス決済987
3623ビリングシステム1,295
原発
コード 銘柄名 終値
(7/16)
注文画面
9501東京電力ホールディングス540
5631日本製鋼所1,841
6501日立製作所4,020
韓国「ホワイト国」取り消し
コード 銘柄名 終値
(7/16)
注文画面
4109ステラ ケミファフッ素化合物関連2,806
4114日本触媒7,060
6367ダイキン工業14,055
安全保障
コード 銘柄名 終値
(7/16)
注文画面
7011三菱重工業4,768
6208石川製作所1,409
4274細谷火工928
カジノ
コード 銘柄名 終値
(7/16)
注文画面
6418日本金銭機械1,096
6457グローリー2,890
6460セガサミーホールディングス1,328

執筆者

渡部 一実 氏
株式会社ストックボイス 記者

産経新聞記者として政治経済報道に携わる。2014年からストックボイス記者。

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