次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年05月21日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】自社株買いを行うという経営判断

米国と中国との間の貿易戦争はいよいよその本質である「覇権争い」の様相を鮮明にしてきた。両国経済がもうしばらく現状のような成長が続くと仮定すれば、2030年前後には中国が米国を抜いて世界最大の経済大国になるシナリオが現実味を帯び、米国は「世界のナンバー2」に転落しかねない情勢となってきた。経済力が高まれば、それに伴って軍事力も強大化するのは必定で、このままいけば中国が世界一のスーパーパワーになる日もそう遠くはないように思われる。

本来であれば米国自身が中国を上回る、あるいは同程度の経済成長を続ければ逆転されることはないはずだが、現実には難しい。そこでこれを阻止するために相手の成長にブレーキをかけ、どんな手を使ってでも抑え込もうというのが米国の基本的な考え方だろう。これはトランプ大統領一個人の発想ではなく、国民全体に広がる国家観に依拠していると考えられる。このため、米国は経済成長がやや鈍化したり、目先の株価が多少振れるといった近視眼的現象を理由に妥協することはないだろう。これに対してもともとメンツを重んじ、「中華民族の偉大な復興」を掲げる中国の習近平国家主席が簡単に圧力に屈するとも考えにくい。

6月28~29日には大阪で20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催され、この機を利用したトランプ、習両氏のトップ会談で一時休戦が実現する可能性もゼロではないだろう。しかし、両国の溝は深く過度な期待は持ちにくいのが実情だ。このため、ここではその直接的な影響が小さく、企業実態に照らして割安な個別銘柄に的を絞った選別が重要と思われる。

とくに最近は自社株買いを発表した銘柄の反応の良さが目を引く。景気や企業業績の先行き不透明感を背景に株式市場に流入する資金量が限られる中、財務体質が健全であるにも関わらず株価が極端な割安水準に放置されている銘柄は今後の自社株買いも期待できそう。市場の長期金利がマイナス圏に沈む中で株価が解散価値と言われる1株純資産の水準を大きく下回るような「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄」は積極的に自社株買いを行うべきだ。逆にこれを行わずにキャッシュを貯め込む企業は経営の怠慢と批判されてもしかたがないのではないか。少なくとも経営者の視線が株主を向いているとは言い難い。以下はそのような視点で足元の業績動向も考慮して選別した参考銘柄群である。

コード 銘柄正式名 自己資本比率 株価純資産倍率
(PBR)
終値
(5/21)
注文画面
1939四電工50.8%0.44倍2,635
5121藤倉コンポジット69.8%0.36倍391
5445東京鐵鋼67.2%0.28倍1,198
5909コロナ73.3%0.40倍1,015
5923高田機工69.5%0.30倍2,530
5958三洋工業59.1%0.42倍1,822
7266今仙電機製作所59.8%0.37倍918
7885タカノ76.2%0.37倍726
9854愛眼85.2%0.36倍269
9076セイノーホールディングス63.8%0.65倍 1,356

【四電工(1939):日足:6ヶ月】

【東京鉄鋼(5445):日足:6ヶ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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