次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年03月26日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】 いよいよ新元号発表!「時代」背負う市場、銘柄「温故知新」

ついに平成が終わる。4月1日、政府は新元号を発表。同30日には今上陛下が退位され、翌5月1日の新天皇陛下即位と同時に改元、いよいよ新時代が幕を開ける。
明治、大正、昭和、平成-。4つの御世を連綿と渡ってきた東京株式市場も、改元とともに「5G」(5th-Generation)の号砲が鳴る。
人生でめったにない「改元」の機会だ。今回は先達から継承した東京市場の長い歩みを振り返りつつ、新時代の方途を模索したい。

我が国では明治11(1878)年に東京株式取引所(現在の東京証券取引所)が開設され、本格的な株取引が始まった。日本初の上場銘柄は東京株式取引所株(「東株」=現在のJPX、8697)。同年に第一国立銀行(みずほFG、8411)も上場し、明治期には王子製紙(3861)、帝国ホテル(9708)、キリンビール(2503)、トヨタ紡織(3116)、新日鉄住金(5401)など現在も続く日本の主要企業が相次いで登場した。

下記は明治以来の株価を戦前、戦後に分けてチャート化したものである。
初期は株価指数が存在しないため、事実上指数扱いされていた東株株価を採用。大正~昭和初期は東京株式取引所で短期清算取引を行う計38銘柄の指数を母数とし、東株との連続性を保つため、筆者が若干の係数処理を施した。戦後は日経平均株価を採用。いずれも物価変動を加味しており、グラフ青線は単純な株価指数、赤線は株価から物価上昇率(インフレ率)を割り引いた「実質的な株価パフォーマンス」だ。

戦前のチャートから読み取れるのは、「戦争は買い」という悲しい現実だ。戦時の軍需景気で、日清戦争(1894-95)、日露戦争(1904-05)、第1次大戦(1914-18)期間はいずれも株価が急伸、終戦1~2年後に反動安となっている。欧米列強に伍す「一等国」を目指した日本が、「坂の上の雲」を追っていた“イケイケの時代”だ。

転換点は1920年代。大戦景気の反動に加え、1927年に片岡直温蔵相の失言(「東京渡辺銀行が破綻しました」)に伴う金融恐慌、1929年10月にはNY市場大暴落(「暗黒の木曜日」)を端緒とする世界恐慌が発生。政府の大規模な公共投資や市場統制でパニック的な大混乱は免れたが、政府債務の膨張がインフレを加速させ、国民生活は貧窮を強いられた。

国内不況を脱するため、日本は他の帝国列強と同様、統制経済と対外進出を選択。新市場(植民地)開拓による需要喚起を企図し、「満蒙は日本の生命線」のスローガンの下、満州事変(1931)、国際連盟脱退(1934)、日中戦争(1937-45)、大東亜戦争(1941-45)に突き進んでいった。株価は満州事変を契機に底を打ち、その後は急反転。ただ、戦時の猛烈なインフレに伴い、実質株価は1939年以降低迷している。

敗戦で焦土と化した日本で、東証が再開したのは1949年だ。

空襲による生産設備の消失、終戦直後のハイパーインフレから始まった戦後日本。ここでも「カンフル剤」となったのは、朝鮮戦争(1950-53)による戦時特需だ。第2次安保闘争を経て、所得倍増計画発表(1960)後の日本経済は1960~73年まで、実質GNP成長率が年率平均10%超という史上類をみない高度成長を謳歌。70年代には2度のオイルショック(1973、79)に襲われたが、経済基盤は揺るがず、安定成長を維持した。80年代、プラザ合意(1985)による円高誘導とそれに伴う内需拡大策で国内は空前のバブル景気に。1989年12月の大納会に日経平均株価は史上最高値(3万8915円87銭)まで駆け上った。

しかし、砂上の楼閣は永続せず、90~91年にはバブルが崩壊。その後は政権が1~2年サイクルで入れ替わる政情不安も手伝い、日本経済は長いトンネル「失われた20年」に突入した。

「もはや経済一流国ではない」(2008年、大田弘子経済財政担当相の国会答弁)との自虐感すら漂う中で、リーマンショック(2008)、東日本大震災(2011)に見舞われ、株式市場も“暗黒時代”に。2013年頃から始まったアベノミクスでようやく復活の曙光は見えつつあるものの、いまだにトンネルは抜け切れていない。

明治、大正、昭和、平成に続く新時代の東京マーケットはどうなるのか。最近はロボット工学、IOT、人工知能、自動運転、ビッグデータなどの「第4次産業革命」関連株や、高度生命工学「バイオテクノロジー」関連株など、「より効率的に/より便利に」の潮流をゆく“最先端銘柄”が耳目を集めている。経済力とは、平たく言うと「労働力×労働生産性」であるから、労働力人口が減少する日本では、技術革新によって一人一人の生産性を高めるよりほか成長の道はなく、今後も「より効率的に」の流れはますます加速するだろう。 ただ、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」との言葉ある。今回は、国家国民の時代認識に深く根ざし、実際に歴史的な転換点ともなってきた「改元」にまつわる銘柄を紹介したい。

改元前後の設立銘柄

銘柄コード 銘柄名 設立年月日(筆者調べ) 終値 注文画面
8396十八銀行明治10(1877)年9月2日/明治初?2,743
7981タカラスタンダード明治45(1912)年5月30日/明治最後1,774
3010価値開発大正元(1912)年9月20日/大正初117
3521エコナックホールディングス大正15(1926)年12月22日/大正最後122
9539京葉瓦斯昭和2(1927)年1月8日/昭和初3,000
3347トラスト昭和63(1988)年12月27日/昭和最後209
2681ゲオホールディングス平成元(1989)年1月10日/平成初1,511
4433ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス平成31(2019)年3月1日/平成最後?1,664
4439東名新元号発表後、初の上場銘柄(2019年4月3日予定)--
改元(5月1日)後初の上場銘柄は未定--

【参考文献】
「明治大正国勢総覧」「完結昭和国勢総覧」「株界二十年シリーズ」/東洋経済新報社
「証券経済研究」/日本証券経済研究所
「日本銀行百年史」/日本銀行

執筆者

渡部 一実 氏
株式会社ストックボイス 記者

産経新聞記者として政治経済報道に携わる。2014年からストックボイス記者。

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