次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2018年07月10日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】食品関連の注目銘柄を探す

米中貿易問題が、株式市場に影響を及ぼしている。
当初、米国中間選挙に向けてトランプ政権が中国に対して強硬姿勢を強めることは想定の範囲内と思われていた。しかし、中国による報復関税が現実となると同時に、貿易問題による米国経済への影響が軽微であるという論調が出るに従い、トランプ政権は貿易戦争を辞さないという姿勢を見せ始め、この問題は年内には落着きを見せないだろうという見方が増えてきた。
一方で、先月から貿易問題は商品相場においてより明確な影響力を見せている。
中国による報復関税の対象となった大豆シカゴ先物(期近物)は、6月には9年ぶりの安値となる1ブッシェル当たり8.4ドル台へ急落した。この動きは大豆ミールや大豆油へも波及し、それぞれ10%から20%の下落を始めている。

【大豆のシカゴ先物相場(期近)】

大豆のシカゴ先物相場(期近)

Bloombergより岡三オンライン証券作成

また、同じく報復対象となったトウモロコシ価格も下落し、穀物以外にもコーヒーの価格にも下落は波及し始めている。
こういった動きは、食品メーカーの一部にメリットを生じさせるだろう。また、貿易問題が円高を招く可能性もあり、これによってもコストが下がる可能性がある。
そこで、以下では穀物や大豆その他輸入食品を原材料とする企業を中心に、食品関連業界から、業績に期待できる銘柄をリストアップしてみた。

コード 銘柄名 市場 終値
(7/10)
注文画面
2053 中部飼料 東証1部 1,712
2801 キッコーマン 東証1部 5,140
2816 ダイショー 東証2部 1,334
2820 やまみ 東証JASDAQスタンダード 2,056
2908 フジッコ 東証1部 2,684
3097 物語コーポレーション 東証1部 9,630

中部飼料は、穀物を飼料として販売する大手企業。同社は、収益管理指標として、穀物相場、為替レート、フレート(運賃相場)により変動するコストと販売価格の変動幅の差を「原料ポジション」として管理している。今期の業績予想の中で、この原料ポジションを-5.5億円と試算している(前期は+4.9億円)が、直近の穀物相場の変動などにより、このコストが大きく改善する可能性がある。一方で株価は7月に入って急落し、1700円近辺はPBR1倍の水準で、割安度が増している。

キッコーマンは、大豆を原料とする醤油の代表的メーカーであり、同社のグローバルビジョン2030では、キッコーマンブランドを醤油のグローバルスタンダードにする、という目標を掲げている。業績は現在連続最高益を更新中と好調で、全体の相場が戻るだけでもそれに伴う浮上が期待できる。

東証2部のダイショーは、調味料、「たれ」が主力の食品メーカー。ここ数年で営業利益を大きく伸ばし、2017年3月期以降、12.3%、32.3%、20.9%(予想)と、高い増益率を維持しているが、今年1月の急騰(1300円~1500円)後の調整から株価はじりじりと上昇しているものの、大きな動きは出ていない。

ジャスダック上場のやまみも、大豆を原料とする豆腐メーカー。業績は好調だが、7月の豪雨により、本社工場が1週間程度の生産停止に追い込まれ、株価は急落した(2200円~1822円)が、その日のうちに2100円近辺までは戻した。株価がこの影響で安くなっている局面は割安な価格だと言えるだろう。

フジッコは黒豆商品を得意とし、大豆を使った製品は多種にわたり、豆製品の売上比率は全体の22.3%を占める。近時では、総菜「おばんざい小鉢」が人気で、連続最高益を更新中。
環境などへの配慮もしたESGレポートにも注力し、投資家へのアピールがうまく、優良銘柄の一角になりつつある。

最後の物語コーポレーションは焼き肉店が主力であり、他の銘柄と少し業種が異なるが、今期予想の営業利益が32億31百万円に対して第3四半期終了時点ですでに28億51百万円を計上しており、上方修正が見込まれる銘柄の一つ。

経営者の若返りも行い、期待できる企業の一つだろう。ただし中部地方が地盤であり、今回の豪雨の影響を懸念し株価は下落。会社側からなんらかの発表があれば、底打ちも期待される。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
日本証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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