【業界図鑑】情報・通信業界 ~ 既存メディアもセグメンテーション戦略へ

2018年11月07日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】情報・通信業界 ~ 既存メディアもセグメンテーション戦略へ

2018年9月、米国のニュース雑誌「タイム」がベニオフ氏夫妻によって約210億円で買収された。ベニオフ氏はIT大手セールスフォース・ドットコムの創業者でCEO。同社の顧客管理ソフトウェアは日本でもよく使われている。2013年にはアマゾン創業者のベゾス氏が日刊紙「ワシントン・ポスト」を買収している。米国では既存メディアの凋落が既に起こっている。日本はこれからどうなるだろうか?

1. テレビ不況も海外で先行

米国にもテレビのキー局は存在するが、1980年にはケーブルテレビが浸透し、一般家庭で100チャンネル以上が視聴されるようになった。そして既に次の時代が来ている。2017年3月末には、Comcast、Charterなどの主要ケーブルテレビの加入者数は4,860万人で、SVOD(Subscription Video On Demand、定額制動画配信)のNetflixの加入者数は5,090万人と、SVODがついにケーブルテレビを上回った。現在ではSVODの加入者が1億2,500万人に達しているとの報告がある。

2. 日本にも同じ流れが来ている

米国動画配信サービスの「Hulu」が2011年に日本向けのサービスを開始したが、今から考えれば時期尚早だった。事業はうまくいかず、2014年に日本テレビ放送網(NTV)に売却されることになる。日本ではやっとここ2年程でSVOD市場が拡大してきた。サービスを提供しているのは主にテレビ局とIT企業である。米国に数年遅れているが同じ道を辿っている。

3. 日本独特の構造

日本のテレビ局は新聞社とつながっている。新聞社が大株主となってテレビ局を支配しているのは、日本特有の構造である。例えば、米国ではレコード会社、英国、フランスでは公共放送から始まっている。日本では民放キー5局体制が出来上がっている。しかし、ネット普及で視聴者の声が大きくなり、またその中でコミュニティーができ、番組への不満や注文が顕在化してきた。マーケティングにおいて、これまでどおり大衆をターゲットにしていると、セグメンテーションが得意なSVODにユーザーを奪われる時代になっていくのではないだろうか。

新聞業界では2010年頃から米国だけでなく、西欧でも名門紙の売上が低迷し、ネット進出に活路を見い出そうとしている。日本の各社も漸くデジタル版の会員数を伸ばすことに成功しつつある。読者の求めるクオリティーが上がり続け、速報性だけでなくエッジの効いた内容で勝負していかなければならなくなっている。したがって、以前よりも激務の業界となっていくことが予想される。

<新聞の発行部数の推移 (2000年~2017年)>

出所:日本新聞協会のデータより作成

<放送メディアのマッピング>

出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. 新聞・放送関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(11/7)
注文画面
4676フジ・メディア・ホールディングス東証産業経済新聞社に45%出資。過去の番組やオリジナル番組を配信するFODを提供。1,727
9401東京放送ホールディングス東証毎日新聞グループホールディングスが0.8%出資、逆に1.9%出資。ドラマ作品が多いParaviに出資。2,054
9404日本テレビホールディングス東証読売新聞系が26%出資。海外作品が多いHuluに出資。1,802
9409テレビ朝日ホールディングス東証朝日新聞が24%出資、逆に11%出資。サイバーエージェントと共にAbema TVを提供。2,320
9413テレビ東京ホールディングス東証日本経済新聞社が31%出資。Paraviに出資。2,634

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。2014年7月、経済アナリストとして独立。
主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

社会人になって最初に配属された外国証券室で、Excelプログラミングの勉強を始める。次第に社内でシステム開発やデータベース構築を担当するようになる。その後、アナリスト、エコノミストへとキャリアを変えていくが、ITスキルを活用することで業務を効率化し、分析のための時間を生み出すことで仕事のスピードとクオリティを高めている。また、社内でワークショップを開催し、相手のつまずきやすい点を把握。わかりやすい教え方に好評を得ている。

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