業界図鑑 ~業界・セクターごとのトレンドを掴む~

2018年05月02日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】その他製品 ~ 市場が積み上がるゲーム業界

任天堂が2018年3月期の決算を発表した。2017年3月発売の新型ゲーム機「Nintendo Switch」が1,505万台売れたことで、売上高が1兆556億円(前期比+115.8%)と、7年ぶりに1兆円超えとなった。営業利益は1,776億円(同+504.7%)と業績が急回復。ソフトは6,351万本売れ、「星のカービィ」や「ベヨネッタ」などの新作タイトルも好スタートを切っている。今年9月にはオンライン機能を追加する予定で、ファンを飽きさせないための継続的な努力が伺える。

1. かつての市場は残っている

2011年はオンラインゲームの中でもソーシャルゲームが急成長し、この新しい市場が今後のゲーム業界を違う姿に変えるのではないかという見方もあった。実際、国内の「オンラインゲーム」市場は2015年に約1兆円となり、「家庭用ゲーム」市場の4倍の規模にまで成長した。しかしその後は伸び率が低下している。

40年前はゲームと言えばゲームセンターが中心だった。「アーケードゲーム」市場に分類されるものだが、世界的には今後も9%台の成長が見込まれている。国内ではゲームセンター自体の数は減ったものの、1箇所あたりの台数は増えている。

その後、1983年に任天堂の「ファミリーコンピュータ」が発売され、ソニーの「プレイステーション」などが続き「家庭用ゲーム」専用機の時代となる。2010年代に市場が縮小していったが、「Nintendo Switch」のようなゲーム業界をリードするハードも登場している。「アーケードゲーム」や「家庭用ゲーム」がまた盛り上がることも想定しなければならない。既存の市場は消えず、新しい市場が積み上がっていく業界なのである。

<国内ゲーム市場規模の推移>

国内ゲーム市場規模の推移

出所:ファミ通ゲーム白書2017

2. 時間の奪い合いは限界に

ゲームプレイ平均時間の統計は、アンケートの対象によって結果が異なる。例を挙げると、ゲームショウ来場者は、平日1時間半、休日2時間半。ゲームコンテンツ読者は、平日3時間、休日7時間。一般的なビジネスパーソンの平日の可処分時間は4時間程度であり、その時間を他のエンターテインメントと奪い合う。

通勤時間などの隙間時間に楽しめるスマホをデバイスとするゲームは有利だ。任天堂もスマホゲームの事業拡大を目指しており、開発ではサイバーエージェント子会社のCygamesと提携する。

3. 課金誘導と海外進出

スマホゲームのアプリは、ゲーム専用機ソフトよりも開発費がかからないが、マネタイズに工夫が必要だ。ソーシャルゲームの平均的プレイ時間は1回のログインで7分、1日2~5回というデータがある。課金誘導するためには、ゲーム経験があまりない60代の主婦を含むライトユーザーをヘビーユーザーに変えていくことが重要だ。

海外進出も成長のカギである。App storeやGoogle Playで配信されるゲームアプリは世界に広がりやすい。任天堂の海外売上高比率は75.3%と既に高いが、提携するCygamesのスマホゲーム「シャドウバース」は80ヵ国以上で配信されている。これまでのように自社のプラットフォームに限ってソフトを開発していれば、成長機会を逃すことになる。

ロールプレイングゲームはアジアでは人気だが欧米ではそれほどでもないなど、マーケティングにも工夫が必要とされる。これまで日本メーカーは世界を熱中させるゲームを作ってきたが、欧米メーカーも競争力を高めており認知度が高まっている。今後は日本で海外製ゲームをする人が増えていくことも予想される。

<その他製品メーカーのマッピング>

その他製品メーカーのマッピング

出所:岡三オンライン証券 - 企業分析ナビ

4. ゲーム関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(5/2)
注文画面
3635 コーエーテクモ
ホールディングス
東証1部 ソフト中堅のコーエーとテクモが2009年に統合。歴史シミュレーションが強い。他社とのコラボにも積極的で、レベルファイブの「妖怪ウォッチ」とのコラボタイトル「妖怪三国志」を配信。オンラインゲームを含め海外進出に積極的。主力タイトルは「信長の野望」、「DEAD OR ALIVE」。 2,258
7832 バンダイナムコ
ホールディングス
東証1部 バンダイとナムコが2005年に統合。アーケード市場でも存在感がある。スマホゲームが好調。主力タイトルは「鉄拳」、「ドラゴンボール」、「アイドルマスター」。 3,760
7974 任天堂 東証1部 ハード、ソフトで総合首位。2015年にスマホゲーム参入。主力タイトルは「スーパーマリオ」、「ゼルダの伝説」、「スプラトゥーン」 。 46,180
9684 スクウェア・エニックス・
ホールディングス
東証1部 スクウェアとエニックスが2003年に統合。「キングダム ハーツ ユニオン クロス」は世界累計800万ダウンロードを突破。主力タイトルは「ファイナルファンタジー」、「ドラゴンクエスト」。 4,645
9697 カプコン 東証1部 家庭用ソフト開発大手。スマホゲーム開発を強化中。「ストリートファイター」を軸にeスポーツ競技大会にも積極的。主力タイトルは「モンスターハンター」、「バイオハザード」。 2,150

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。2014年7月、経済アナリストとして独立。
主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

社会人になって最初に配属された外国証券室で、Excelプログラミングの勉強を始める。次第に社内でシステム開発やデータベース構築を担当するようになる。その後、アナリスト、エコノミストへとキャリアを変えていくが、ITスキルを活用することで業務を効率化し、分析のための時間を生み出すことで仕事のスピードとクオリティを高めている。また、社内でワークショップを開催し、相手のつまずきやすい点を把握。わかりやすい教え方に好評を得ている。

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