業界図鑑 ~業界・セクターごとのトレンドを掴む~

2018年02月14日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】機械業界 ~ 世界の需要を取り込む建設機械メーカー

トランプ⼤統領は1月30⽇の⼀般教書演説で、今後10年のインフラ投資に「少なくとも1.5兆ドルを要求する」と発言。米国土木学会は、2016~2025年の10年間に必要な投資額は3.3兆ドルで、うち資金不足額は1.4兆ドルと発表している。同学会は米国インフラ状態を「D+」(Poor)と評価しており、老朽化対策が喫緊の課題となっていることからも、今後議会で関連法案が通過する可能性は高いのではないだろうか。

1. 建設機械の定義

機械業界は、一般機械、電気機械、輸送用機械、精密機械の4つに分けられる。東証業種で「機械」に分類されるのは主に一般機械であり、今回はその中の「建設機械」メーカーについて見ていく。建設機械は明確には定義されていないが、日本建設機械工業会が示す機種には、トラクタ、油圧ショベル、ミニショベル、建設用クレーンなどが含まれている。
2017年の国内建設機械出荷額は2兆5,513億円(前年比+19.1%)で、うち油圧ショベルが36%、ミニショベル、トラクタ、建設用クレーンがそれぞれ11%だった。

油圧ショベルの国内出荷台数シェアは、コマツ、日立建機、コベルコ建機(神戸製鋼所子会社)、キャタピラージャパン、住友建機(住友重機械工業子会社)の順となっている。

2. 海外売上高比率が高い

国内の建設機械需要は、2012年にリーマンショック前の水準に回復した。2017年の国内建設機械出荷額を見ると、国内への出荷が40%で前年比+5.6%と伸び悩んでいるが、輸出が60%を占めており+30.0%と伸びている。

日本の建設機械メーカーの海外売上高比率は高く、地域も分散されているのが特徴である。売上高内訳を見ると、国内首位のコマツは、日本14%、北米24%、中南米14%、アジア13%、欧州8%。第2位の日立建機は、日本21%、オセアニア16%、北米15%、アジア15%、欧州10%となっている。

<機械受注額-建設業の推移 (2005/4~2017/11)>

機械受注額-建設業の推移

注:季節調整済み月次データ

出所:内閣府「機械受注統計」より作成

3. アフターサービス強化、ロボット化、第四次排ガス規制対応

ここ最近は、日本メーカーによるM & Aが活発である。2016年に中国の建設需要が底打ちし、資源価格が反転したことで、大手メーカーは海外の鉱山向けサービス会社を買収している。利益率が高いとされる鉱山機械のアフターサービス業に注力していることが伺える。
また中期目標として、IoTなどのソリューション事業の拡大を掲げている。コマツは油圧ショベルに通信・管理機能を持たせたKOMTRAXというシステムを開発するなど、建設現場の生産性向上を目指す「スマートコンストラクション」を成長戦略としている。コマツは2008年に鉱山で無人ダンプトラックを稼働させているが、日立建機も鉄道技術を活かした製品を開発中であり、2019年度に発売する予定だ。
さらに、2012年から日米欧で開始した第四次排ガス規制への対応にも取り組んでいる。コマツはNOx(窒素酸化物)低減に対応した排ガス再循環装置(EGR)をディーゼルエンジンに採用している。こうした技術は中国をはじめとした新興国市場においてアドバンテージになっている。

<建設機械5社の業績推移>

コマツ

コマツ

日立建機

日立建機

クボタ

クボタ

タダノ

タダノ

竹内製作所

竹内製作所

注:17/12期、18/2期、18/3期以降はコンセンサス
出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. 建設機械関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(2/14)
注文画面
6301 小松製作所 東証1部 米キャタピラー社に次いで世界第2位。アジア地域でトップシェア。売上高の90%が建設機械・車両。2017年4月に米鉱山機械のジョイ・グローバル社を買収。 3,849
6305 日立建機 東証1部 国内第2位。売上高の89%が建設機械。2016年12月に米鉱山サービス・ソリューションのH-E PARTS社、2017年4月に豪鉱山機械向け鋳造部品大手のブラッドケン社を買収。 4,235
6326 クボタ 東証1部 ミニショベルで世界首位。農業機械で国内首位。売上高の82%が機械部門。建設機械は北米、欧州、中国で堅調。2016年7月に米農用作業機器のGP社を買収。 2,049
6395 タダノ 東証1部 独リープヘル社についでクレーンで世界第2位。高所作業車で国内第2位。移動式クレーンに強い。売上高の81%がクレーン及び高所作業車。足元では高所作業車が好調。 1,634
6432 竹内製作所 東証1部 ミニショベル主体の中堅。国内売上高は2.7%で海外売上高比率が高い。米国では日本からの仕入価格値上げの影響で減益(2018/02期第3四半期の前年同期比)となったが、国内、英国、フランス、中国では大幅増益。 2,423

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。2014年7月、経済アナリストとして独立。
主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

社会人になって最初に配属された外国証券室で、Excelプログラミングの勉強を始める。次第に社内でシステム開発やデータベース構築を担当するようになる。その後、アナリスト、エコノミストへとキャリアを変えていくが、ITスキルを活用することで業務を効率化し、分析のための時間を生み出すことで仕事のスピードとクオリティを高めている。また、社内でワークショップを開催し、相手のつまずきやすい点を把握。わかりやすい教え方に好評を得ている。

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