業界図鑑 ~業界・セクターごとのトレンドを掴む~

2017年09月13日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】J-REIT ~ インカムゲイン志向の投資家の選択肢に

9月中旬に差し掛かり、配当金を意識し始める方も多いのではないだろうか。2007年9月末対象の場合、権利確定日は29日となり、その3営業日前である26日に株式を保有していれば、配当金や株主優待を取得できる。キャピタルゲイン(資産を売買することで得る差益:譲渡所得)よりインカムゲイン(資産を保有することで得る定期的な収入:配当所得、利子所得、不動産所得)を志向する投資家には、J-REITを選択肢に加えることをお勧めしたい。

 

1.不動産投資との違い

J-REITとは、「Japan Real Estate Investment Trust」の略で、「日本版不動産投資信託」のことである。不動産ファンドのうち投資信託のしくみを利用した金融商品であり、投資信託法に従う。投資信託の中でも「会社型」の形態を持つ。(普通の株式投資信託や公社債投資信託などは、信託をファンドの受け皿とする「契約型」)。

保有不動産で賃貸事業を行うのだが、不動産投資と異なるのは、経営を資産運用会社に委託しなければならないということ。すなわち外部運用モデル(ペーパーカンパニー)であるということだ。J-REITでは、資産の70%以上を不動産関連資産にしなければならない。投資家の視点から見れば、何よりも個人ではほぼ不可能な大規模オフィスビルなどへの投資が、一口5万~60万円程度の金額から可能なことが魅力的だ。

REIT(不動産投資信託)とは

2.株式投資との違い

J-REIT投資では、売買方法、税制は株式投資と同じで、成行、指値も可能である。ただし単位未満株制度はない。概念は、株式投資と用語が異なるものの、言葉を置き換えることでイメージしやすい。「自己投資口買い」は「自社株買い」、「投資主」は「株主」、「NAT倍率(投資口価格 ÷ 1口あたりNAV(保有不動産の時価-借入金や投資法人債等の負債)、1.2倍が中立的水準」は、「PBR(株価純資産倍率)」を簿価ではなく時価で計算したもの、と考えられる。

J-REITが上場会社より魅力的な点は、期間利益の90%超を配当すること等で、法人税が非課税になることだ。分配金は株式の配当金に相当するが、内部留保や法人税がないため、投資家への配分が大きくなっている。

3.投資にあたっての留意点と見通し

J-REITの情報開示は優れているが、投資にあたり留意すべき点は3つある。1つ目は利益相反問題である。資産運用会社はスポンサー(不動産会社、生損保、商社)から出資や人材提供を受けている。そのため、投資家よりスポンサーの利益を優先することはないとは言えないのである。2つ目として、導管性が不完全であることがあげられる。2007年には、FCレジデンシャル投資法人がファンドに買い占められて「支配」が発生した。3つ目は、破綻リスクがあるということ。2008年に、ニューシティ・レジデンス投資法人が資金繰り難で民事再生法を申請している。

J-REIT市場はスタート時の2001年9月、2銘柄で時価総額2,603億円であった。16年経ち、59銘柄で11兆2,231億円にまで成長している。東証REIT指数は、金利上昇の懸念から下落基調にあるが、価格が安いということは利回り(年間分配金÷投資口価格)が高いということでもある。現在、分配金利回りは4.15%となっており、東証1部配当利回りの1.66%を大きく上回っている。収益が安定的な賃貸住宅系、今後もインバウンド需要が見込まれるホテル系、物流施設系は手堅い投資対象であると考えられる。

4.J-REIT銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(9/13)
注文画面
3282 コンフォリア・
レジデンシャル投資法人
東証不動産投資信託
証券市場
利回り3.93%。成長性を重視した居住用資産への投資と東急不動産HDの活用が基本方針。投資先は東京都が9割。 234,400
3287 星野リゾート・
リート投資法人
東証不動産投資信託
証券市場
利回り4.34%。スポンサーは星野リゾートで、投資対象は地方のリゾートホテルや旅館から、都市のシティホテルやビジネスホテルに拡大。 556,000
3459 サムティ・
レジデンシャル投資法人
東証不動産投資信託
証券市場
利回り6.28%(9/12時点、以下同じ)。地方都市で良質なアコモデーションアセット等への投資を行う。 83,700
3468 スターアジア不動産投資法人 東証不動産投資信託
証券市場
利回り7.94%。オフィス、物流、住宅とホテルでほぼ3等分の割合。東京圏の投資割合を70%とする方針。 102,300
3471 三井不動産
ロジスティクスパーク
投資法人
東証不動産投資信託
証券市場
利回り3.48%。先進的物流施設のブランド「MFLP」を中心に、ロケーション、クオリティ、バランスを重視した物流施設ポートフォリオを構築。 317,000

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。2014年7月、経済アナリストとして独立。
主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

社会人になって最初に配属された外国証券室で、Excelプログラミングの勉強を始める。次第に社内でシステム開発やデータベース構築を担当するようになる。その後、アナリスト、エコノミストへとキャリアを変えていくが、ITスキルを活用することで業務を効率化し、分析のための時間を生み出すことで仕事のスピードとクオリティを高めている。また、社内でワークショップを開催し、相手のつまずきやすい点を把握。わかりやすい教え方に好評を得ている。

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