【次の一手】自動運転技術が作る新たなビジネスモデル~MaaS関連銘柄~

04/19(金)11:07

自動車と言えば、EVや自動運転技術への注目が高く、多くの自動車関連とIT関連の民間企業が協力してEVや自動運転技術の確立に動いている。ただ、若者の自動車離れと言われるように、自動車業界では自動車は「所有」から「利用」への移行が顕著であり、カーシェアリングの会員数が年々増加している。

【カーシェア図】

出典:各種資料より岡三オンライン証券作成

「所有」から「利用」への流れが続くとすれば、交通手段は個人の自動車ではなく、カーシェアリングや公共交通サービスが主流となるだろう。現に、国土交通省は公共交通サービスの運転手不足や増加していく高齢者の移動手段の確保等を課題としており、MaaS(マース)を推進している。MaaSとは、「モビリティ・アズ・ア・サービス」の頭文字であり、自家用車での移動手段以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとして捉える新たな移動の概念である。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索・予約・決済を行う。

出典:国土交通省「第8回 都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会 参考資料集」より

欧米の都市を中心にMaaSの事例が見られる。フィンランドのヘルシンキ市では、域内の自家用車を2025年までにゼロにするロードマップが示されており、2016年より様々な公共交通サービスを一括で検索・予約・決済できるアプリ「Whim」が展開されている。ヘルシンキ市内のWhimユーザーの交通利用状況は、Whimサービス開始前では公共交通が48%、自家用車が40%であったが、2016年のサービス開始後は公共交通が74%と大きく伸び、自家用車は20%に減少した。都市部の渋滞の緩和や環境負荷の低減、公共交通機関の運行効率化の効果があり、また交通流動データが収集できることから路線の再編にも役立っている。

出典:国土交通省「新たなモビリティサービスの推進について」より

近年、国内の民間企業においても自動車・鉄道関連とIT・通信関連の企業が連携するなどMaaSへの取組みが見られる。大型の事例だと、2018年9月に設立された「MONET Technologies」という企業だ。ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社であり、3月28日に日野自動車、本田技研工業と資本・業務提携に関する契約を締結し、業界全体でMaaSへの取組を強化している。また、乗換案内のサービスを提供しているジョルダンも2018年7月に子会社「J MaaS」を設立し、MaaS事業へ参入している。同社は3月26日に鉄道やバスなどを乗り継ぐことができ、食事券や宿泊券、観光施設の入場券なども一体になったモバイルチケットを2019年5月より提供開始すると発表したことで注目が集まり株価が高騰した。同社はこのサービスをMaaS事業に発展させたい考えだ。

【ジョルダン:日足:6ヶ月】

EV、自動運転技術、5G、IoT等と第4次産業革命技術が日々進歩するなか、MaaSは外せないテーマとなりそうだ。また、蓄積されうる交通流動データの情報価値は高く、MaaS事業での成功はビックデータ取得の鍵となることから、競争・注目度は激しくなるだろう。さらに、公共交通サービスの観点から社会的課題の解決を図るために官民が連携してMaaS事業を推進していくだろう。

以下に、MaaS関連銘柄を紹介するので参考にしていただきたい。

コード 銘柄名 業種 終値
(4/19)
注文画面
2432ディー・エヌ・エーサービス業1,688
3710ジョルダン情報・通信業1,648
3987エコモット情報・通信業1,747
4666パーク24不動産業2,383
6902デンソー輸送用機器5,182
7201日産自動車輸送用機器939
7203トヨタ自動車輸送用機器6,958
9005東京急行電鉄陸運業1,748
9007小田急電鉄陸運業2,476
9020東日本旅客鉄道陸運業10,080
9437NTTドコモ情報・通信業2,365
9984ソフトバンクグループ情報・通信業11,545

(岡三オンライン証券 エクイティ事業部)

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