「サイコロジカルライン」は、古くから使われているオシレーター系のテクニカル指標です。
「サイコロジカル」とは、もちろん「心理的な」という意味ですが、投資家たちの間では「サイコロ何勝何敗」などという言い方で親しまれています。
株価の上昇が続くと、投資家心理はますます強気に傾きますが、市場が強気一色になった時、相場がピークを打つ可能性が高くなります。
逆に、株価の下落が続けば弱気に傾きますが、弱気一色になった時にボトムを打つケースが多いと考えられます。
サイコロジカルラインはこうした投資家心理を数値化し、強気になりすぎたら「売り」、弱気になりすぎた場合は「買い」のシグナルが出る逆バリのテクニカル指標です。
ある銘柄の日足とサイコロジカル(2020年4月30日現在)
その計算式は非常に単純。直近12日間の中で終値が「前日比プラス」の日数を数え、12日間のうちプラスの比率を求めるだけです。
この時、「前日比変わらず」の場合は、前日と同じ扱いをします。すなわち、前日がプラスであるなら、その日もプラス。前日がマイナスであれば、その日もマイナスとして数えるのです。
このように、計算式が非常に単純で分かりやすいうえ、相場の心理状態が簡単に分かることから、テクニカル指標としてよく使われます。
数値は比率で出す場合もありますが、「サイコロ10勝2敗」などというふうに実際の数字で表記する場合もあります。
使い方としては、75%(9勝3敗)以上は「売り」、25%(3勝9敗)以下は「買い」となり、80%以上は過熱ゾーン、20%以下は底値ゾーンとなります。
12日間における「高い・安い」の組み合わせは、じつに4096通り(2の12乗)。そんな「サイコロジカルライン」には、確率論的な考え方も含まれています。
たとえば、「高い・安い」の出現率をそれぞれ2分の1とすると、12勝0敗、0勝12敗となる確率は4096分の1であり、11勝1敗や1勝11敗となる確率は4096分の12。どちらも確率的には非常に低いので、逆バリのタイミングだといえるのです。
しかし、じつはこの確率には問題点があります。
コインの表か裏かのような、確率50%の場合はこの通りなのですが、株価はトレンドを持っているので、じつは12勝0敗となったとしても、トレンドが続いている場合は逆バリが効かないこともあります。
また、パラメーターの数字の「12」が適切かどうかという問題もあります。
過去には土曜日も相場があったので、「2週間=12日間」としたのではないかと考えられますが、今ならパラメーターは「10」のほうがいいかもしれません。
しかし、一般的なサイコロジカルラインは12日を使ったものがほとんどなので、今も皆が12日でサイコロジカルラインを見ています。そうした状況もあるので、他の投資家とサイコロの話をする場合は、標準の12日が適当だといえるでしょう。
ちなみに、「岡三ネットトレーダー」ではパラメーターを自由に変更可能ですので、いろいろ試してみる手もあります。
※サイコロジカルラインの「由来」や「概要」に関しては、リンク集の「テクニカルチャート解説」をご参照ください。
http://trade.okasan-online.rich-direct.jp/chart_help/frame.html
この項目は2010年7月16日のブログを元に書かれたものです。
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