はじめての投資信託
分配金の疑問にお答えします
運用の成果として投資家(受益者)に還元される「分配金」の疑問にお答えします。
(資料提供:岡三アセットマネジメント株式会社)
なぜ分配回数が多い商品が増えてきたの?
分配金の支払いには、お客さまが『売るタイミング』を判断する代わりに、決算という決められたタイミングで、ある程度の収益をファンドが自動的に現金化してお客さまのお手元にお届けする、という意味があります。分配回数の多い商品が増えてきた背景には、収益還元の回数を多くして欲しいというお客さまのニーズがありました。
投資信託は実績分配型の商品であり、確定利回り等をお示しできる商品ではありません。従って、これまではお客さまがファンドに投資をして、実際にその収益を手にするためには、お客さま自身がファンドの一部もしくは全てを換金し、収益を確定することが必要でした。
しかし多くのお客さまが、まさにこの『換金=売り時の判断』をすることが、投資の中で、もっとも難しいこととして捉えているのも事実です。
「お客さま自身がこういった「タイミング」をはからずに、手元に利益を受け取って頂くことはできないか、また、より多くのお客さまにもっと収益を実感して頂く機会をふやせないか」
このような考えから、ファンドの決算回数を多くして、『分配金』のかたちで資産の一部をお客さまに還元するタイプの商品が登場したのです。
そもそも分配金ってどこから来るの?
分配金は分配原資から支払われます。分配原資の主なものには
- (1)ファンドの経費を差し引いた利子・配当等収益
- (2)ファンドの経費を差し引いた売買益(含む評価益)
- (3)過去の決算で分配せずにファンド内に残しておいた(1)と(2)の合計
・・・があります。
分配金については、上記のような決められた範囲内からしか支払うことができません。このうち、いわゆるキャピタルゲインと呼ばれる『投資対象の値上がりにより得られる部分』については、その時々の相場環境により大きく左右される特色があります。一方、債券のクーポン(利子)や株式の配当金、REITの分配金などの利子・配当等収益はインカムゲインと呼ばれ、比較的安定的な分配原資といえます。
(注:債券のクーポンは債務不履行とならない限り、当初決められた一定の額が支払われますが、株式の配当金やREITの分配金はそれぞれの銘柄の決算の状況により変化し、必ずしも一定ではありません。)
海外に投資し円高により分配金額に変動が生じる部分を除けば、安定的な分配を実現するために下記のような利子・配当等収益から支払われる部分がどのくらいになるかを見ていくこともひとつのポイントになるでしょう。
| 投資対象 | 債券 | 株式 | REIT |
|---|---|---|---|
| 分配原資(除くキャピタル) | 投資した債券のクーポン(利子) | 投資した株式の配当金 | 投資したREITの分配 |
| 運用レポート等のチェックポイント | ポートフォリオの平均直利など | 配当利回りなど | 配当利回りなど |
分配金はどうやって決まるの?
投資信託の分配金については、投資信託協会「投資信託財産の評価及び計理等に関する規則」第5編で下記の通り決められています。具体的に分配金をいくら支払うのかといったことは、MMFやMRFなど、一部の追加型の公社債投信を除き、運用会社が決めることになっています。
投資信託の分配金(投資信託協会「投資信託財産の評価及び計理等に関する規則」第5編)
| 分類 | 内容 | 分配決定者 |
|---|---|---|
| 単位型 | 決算期末の純資産総額が経費控除後元本を上回る場合には、超過額と期間中の配当等収益のいずれか多い額の範囲内で分配を行うことができ、元本に満たない場合は配当等収益の範囲内で分配することができる。 | 投信会社が分配可能額の範囲内で約款上の収益分配方針に則り支払額を決定。 |
| 追加型株式投資信託 | 経費控除後の配当等収益の全額に加え、期中の実現売買損益と期末時価で評価替えした評価損益との合計額から経費を控除し、前期から繰り越された欠損金がある場合には当該欠損金を補填した後の額を分配することができる。 | |
| 追加型公社債投資信託 | 決算期末における元本超過額の全額を分配する。 | - |
運用会社で実際に、何をもとにしてどのように分配金を決めるのかについては『投資信託説明書(目論見書)』のファンド情報内の「投資方針」の中に『分配方針』として明確に記されています。
分配金の増減は何に影響されるの?
分配金の増減は、投資対象の価格の上下や、受取利息の増減などのほか、投資対象が海外に投資を行うファンドの場合は、為替相場の変化も大きく影響します。
外貨資産に投資するファンドの場合、分配金の増減要因として、最近の特徴的なものとして、『世界的な金利低下』と『円高』を見逃すわけにはいきません。これらがなぜ分配金に影響を与えるかというと・・・
- (1)投資対象市場の金利水準が低下することにより、新規に投資を行う債券のクーポンも全体的に低下傾向となり、結果として外貨ベースで受取る利子・配当等の減少につながります
- (2)外貨で受け取った利子・配当等の総額に大きな変化はなくても、外貨を円に換える際の為替レートが円高傾向になっていれば、実質的な円ベースでの受取額が減少します
(1)については、金利の低下そのものは、既に投資している債券の評価の観点からは、価格上昇要因となるため、基準価額にとってはプラスとなりますが、継続的に分配を行っていく視点から考えますと、利息収入の減少になると考える必要があります。
【参考】
利息収入の状況が気になる場合は、運用レポート等に記載されている『平均直利』などを目安にします。直利というのは年間の利息収入を組入れ債券の価格で割ったもので、値が大きいほど分配余力があるというように考えます。
では逆に、どのようなときに分配金が増えるのでしょうか?
例えば、基準価額が上昇すると、分配金が増えるのかというと、そうではありません。
分配原資は主に
- (1)ファンドの経費を差し引いた利子・配当等収益
- (2)ファンドの経費を差し引いた売買益(含む評価益)
- (3)過去の決算で分配せずにファンド内に残しておいた(1)と(2)の合計
とご説明しましたが、基準価額が上昇する場合とは、主として売買益や評価益が獲得できた時と考えられます。しかしその場合であっても、基準価額が当初設定の元本を下回っている場合(繰越欠損がある場合)は、基準価額が上昇し、繰越欠損が解消されない限り、分配原資に加算することが認められていません。
では分配原資に余裕がでてくれば、分配金は増えるのでしょうか?
これについても、必ずしもそうとは限りません。あくまでも分配金の水準は、投資環境等の判断もふまえて決定します。将来にわたり安定的に分配が行えるようにするために、慎重に対応することが大切だと考えています。
分配金の支払いが基準価額の下落要因となるとは?
ファンドの基準価額は、毎日『時価評価』を行い、ファンドの全ての資産の時価や収益の状況を反映して計算しています。分配金もファンドの資産の中から支払われるものです。
投資対象の価格変動がなかったものとして考えれば、分配金を支払った分だけ、ファンドの資産は減少し、基準価額の下落要因となります。

分配金が高いファンドがいいファンドなの?
投資の成果は分配金だけではありません。基準価額と分配金をあわせてみていくことが大切です。
分配金が高いファンドは、お客さまの立場からすると嬉しいものです。しかしこれまでご説明したとおり、分配金は収益を基準価額としてプール(貯める)せず、お客さまに還元して受け取って頂いていることに他なりません。
お小遣いを貯めずに毎月もらった分を使っていくか、ある程度貯めてから、まとまった大きな金額として使うかという『お金の使い方』が人によって違うように、ファンドに入ってきた利子・配当等や運用収益等をどのくらい支払うかということは、ファンド毎の分配方針によって異なりますし、投資対象、市場環境などによっても異なります。ファンドの中には基準価額を下げる要因につながる分配金の支払いを敢えて行わずに、そのまま資産として運用し、基準価額の上昇を目標とするものもあります。
分配金をたくさんもらっても、それ以上に基準価額が下落していれば、投資成果としてはマイナスとなってしまいます。投資の成果はあくまで期間中に受け取った分配金の合計と、基準価額の騰落額をあわせてみるべきものであることを是非ご理解ください。
分配金が減るとわかったら換金した方がいいの?
お客さまがファンドに投資した目的と、投資の成果をトータルにみてご判断頂きたいと考えます。
分配金が減る(引き下げられる)場合には、円高などを始めとする『投資環境の変化』という事実が想定されます。多くの場合はお客さまからすると、必ずしも好ましい状況変化とはいえないかもしれません。
しかし、ここでもう一度思い出して頂きたいのです。
お客さまの運用の目的は、分配金の受け取りだけだったのでしょうか?
投資信託という商品を通じて、資産を増やすことは全くお考えではなかったのでしょうか?
繰り返しになりますが、投資の結果は分配金だけでなく、基準価額の上昇を通じた資産の増加といった視点も必要です。今回ご説明した内容などを参考にして頂き、お客さまがファンドに投資した目的に照らし合わせ、お客さまご自身で総合的にご判断頂ければと思います。
分配金の増減でファンドの投資成果は変わるの?
分配金の増減のみが即、ファンドの投資成果につながるわけではありません。ファンドの投資成果はあくまで、投資期間における基準価額の騰落額と、投資期間内に受け取った分配金の合計で考えるものです。
分配金が減少しても、それ以上に基準価額が上昇すれば、お客さまにとって、保有期間の投資成果は高くなります。逆に、分配金が増加しても、その後に受け取った分配金の合計額以上に基準価額が値下がりすれば、投資成果はマイナスとなります。分配金はファンドというお客さま全体の資産からお支払いするものです。分配金の増減のみでなく、ファンドの基準価額とあわせてご確認ください。
なお、各商品の運用レポート等には『分配金再投資基準価額』を掲載しておりますが、これは、分配金として資産を払い出すことをせずに、そのまま運用を継続していたと仮定した場合のファンドの基準価額、つまり、ファンドの実力ともいえるものです。これらも是非ご参考にしてご判断ください。
- 本資料はお客さまへの情報提供を目的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を目的として作成したものではありません。
- 本資料は当社が信頼できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
- 本資料は分配金についての岡三アセットマネジメントの考え方を説明したものであり、特定のファンドの分配金について示唆するものではありません。
- 投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明者(目論見書)をお渡ししますので、必ず内容をご確認の上、投資判断はお客さまご自身で行っていただきますようお願いします。





















