オプション価格の考え方

オプション価格の考え方

オプションは小額資金で大きなリタ-ンが狙える商品ですが、同時にハイリスクとも言えるでしょう。
現物取引と比較しハイリスク・ハイリタ-ンの商品であるオプション取引をはじめる前に知っていただきたい知識を解説します。

オプションプレミアムの理論価格について

オプション取引のプレミアムは、オプションを現時点で行使した場合の利益(本質的価値)と、現時点から将来の権利行使日までの利益に対する、期待可能性(時間的価値)の和で表されます。

プレミアム = 本質的価値 + 時間的価値

プレミアムの価格設定のために用いられるのが、オプションプライシングモデルであり、ブラック-ショールズモデルから導出された確率偏微分方程式「ブラック-ショールズ方程式」などがあります。

インプライド・ボラティリティとヒストリカル・ボラティリティ

インプライド・ボラティリティ(予想変動率)は、オプションの行使の可能性と連動すると考えられており、インプライド・ボラティリティが高くなるとオプションの価格は上がり、インプライド・ボラティリティが下がるとオプションの価格は下がります。 実際のプレミアムからボラティリティを逆算することによりもとめることが出来ます。 これに対して、過去の継続的な価格変動を平均化することによって算出されるボラティリティは、ヒストリカル・ボラティリティと呼ばれます。

用語解説

デルタ 原資産の価格変動に対する、オプション価格の変動率
ガンマ 原資産の価格変動に対する、デルタの変動率
ベガ インプライド・ボラティリティの変動に対する、オプション価格の感応度
セータ タイム・ディケイ(時間の経過)によって1日ごとに失われるオプション価格
ボラティリティ 価格の変動幅の比率のこと 価格変動が大きければ高く、価格変動が小さくなれば低くなる

ブラック-ショールズ方程式について

1973年にフィッシャー・ブラック (Fischer Black) とマイロン・ショールズ (Myron Scholes) は、ヨーロピアンコールなどのオプションに対して、1種類の配当のない株と1種類の債券の2つの資産が存在するモデルにおいて、最終時点のペイオフを確率1で複製することができることを示しました。そこでは株価に幾何ブラウン運動を仮定し、伊藤確率解析のもとにペイオフを複製する偏微分方程式を導きました。この方程式が、「ブラック-ショールズ方程式」と呼ばれるものです。

この方程式では、価格の分布が正規分布に従うという仮定を置いていますが、現実の金融商品では正規分布が成立していないため、この方程式は現実世界では成立しないという批判もあります。

一方、ブラック-ショールズモデルに換わる理論も方程式も認知されるに至ってはいないことから、未だに最も有力なプライシングモデルと言えるでしょう。

オプションの各種グリークスの算出方法について(日経225オプションの場合)

オプションのプライシングモデルは金融工学の発展・発達に伴い、現在多数存在しています。

しかしながら、一定の歴史を持ち広く利用されてきたブラック・アンド・ショールズモデル(以下BS式という)によって算出された通称グリークスと呼ばれている主要パラメーター(インプライドボラティリティ、デルタ、ガンマ、ベガ等)は、現在においても指標的な意味合いを持って、金融市場内で使用されています。

このような市場の慣行を尊重して、当社では基本となるBSモデルの基本部分はそのままに、日経平均オプションの各種グリークスを計算する際の手続きの上で散見される一般的誤りを修正する形で、表示される各数値の信頼性を改善しています。

現在Web上で取得できる様々な情報提供機関(証券会社を含む)がグリークスを算出しているときに見落とされがちなポイントに以下の二つがあります。

  • 1. 原資産価格として実際にどの指標(どの値)をつかうのか
  • 2. 日経平均株価採用銘柄の配当落ちの問題

1.原資産価格に何を使用するのか

日経平均オプションとは、厳密には225銘柄の現物株から構成された日経平均そのもののオプションであり、先物のオプションではありません。

いわゆるメジャーSQ時は日経平均先物が現物とSQ(の値)で連結される時点では経済的には等価となりますがそれ以前の日付では金利と配当の影響をうけて、この違いが価格差となります。

また1ヵ月毎に設定された限月のSQは、SQ当日の現物銘柄の寄付きで計算され、SQ日に於ける先物価格の朝方の価格とは厳密には直接の関係がありません。

故に日経オプションの原資産は、原則としてはリアルタイムで計算される日経平均の指数そのものであるべきだろうという発想が出てきますが、後述するようにこれにはいくつかの問題があります。

しかしながら、現在日本において各種グリークスをリアルタイムで公開している情報提供会社の多くで、日本経済新聞社が算出する15秒おきに更新されている(現物の)日経平均の指数の値を日経平均オプションの原資産価格としてそのまま使用しオプションの各種パラメータを算出しているケースが見うけられます。

当然のことながら、現物銘柄の取引が終了する東京時間15時以降、公式な日経平均は計算が更新されません。

15時以降の10分間および、ナイトセッションの取引時間に原資産価格をいくらと想定して各種グリークスを計算するのか、その根拠が曖昧な情報提供者も散見され、中には15時時点での日経平均終値のままで不変としてパラメータ計算をしているところもあるようです。

一般に日経225オプションが厳密には先物のオプションではないとはいえ、個別銘柄が充分な流動性を保ちつつ取引されていない時間帯で行うヘッジでは先物を用いるしかない事から、実務の観点からは先物の動きに想定原資産価格を連動させるとした方が自然なパラメータを取得することが出来ると考えられています。

2.日経平均株価全体の配当落ちの問題

BS式はその対象証券を無配当の株式としたオプションモデルです。

数学的なモデルが簡単であることと、配当落金額をいくらと設定するのか実務上推定することは困難である場合も多いことから、日経平均の配当落ちを考慮せず各種パラメータを算出している情報提供者も散見されます。

実際のマーケットで運用する場合には、株価指数の数字は配当落によって現実問題として変化してしまうわけですから、ここを考慮しないでいると将来の権利行使日における株価そのものが当初想定した価格から乖離し、それに基づいて計算した結果として各種グリークスの値は不正確になってしまいます。

※オプションはデリバティブ取引ゆえ、現物を保有していて権利として配当を受け取り、その分株価の配当落ち分と相殺される場合とは基本的に立場が異なるのです。

とくにこの配当落ちは、3月末、9月末をまたいで権利行使日が設定されているオプションに大きく影響します。 具体的には、3月末、9月末が接近している時の10月限や4月限の各種グリークスの値で誤差が大きくなるケースが多いようです。

権利落ち前の指数を原資産価格にそのまま使用すると配当落ち相当分を割高に評価していることとなり、取引されているオプション価格からインプライドボラティリティを逆算したときにはCallサイドでは見かけ上大さな数字(見積もる原資産価格が割高なため、行使価格と原資産価格の差(マネーネス)が実際より小さく見積もられ、結果取引されているプレミアムが割高に見えるため)が算出され、Putサイドでは小さな数字(Callの逆でプレミアムはより高いとみなしてしまうため、市場価格を割安とみなしてしまいます)が出てきてしまいます。

市場が想定している配当額を客観的に把握する方法

プットコールパリティから原資産価格を推定する

指数オプション取引の買方は、期日までに転売又は権利行使を行わない場合には、権利は消滅し、投資資金の全額を失います。
指数オプション取引の売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければならず、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。

日経オプション市場でマーケットメイクをしているような大手証券会社や専門の金融機関は一般に充実したシンクタンクをもっており比較的信ぴょう性の高い日経平均の配当落ち相当額を把握していると思われます。

彼らは、この予想配当額を考慮に入れた上でマーケットメイクをしていると考えられますので、市場のオプション価格は配当落ち込みの数字である蓋然性が高いと考えることが出来ます。このような考え方を効率市場仮説といいます。

この「市場で現に取引されている価格は様々な情報がすでに相当程度織り込まれた上でプライシングされている」という仮定をもとに市場が推定している原資産価格を算出する方法があります。

プットコールパリティとは?

オプションの組み合わせ戦略のひとつにプロテクティブプットがあります。

この戦略は原資産を保有しつつその額面相当額のプットオプションをヘッジとして購入すると、価格上昇時には原資産の利益がそのまま増加し下降局面ではプットオプションの利益と原資産の損失が相殺され、その経済効果はコールオプションの購入と同じとなる戦略です。

このプロテクティブプット戦略にコールオプションの売りを組み合わせるとすべてのオプション関連リスクが相殺されるため、権利行使日まで保有するのにかかるコストとリターンを含めた原資産と行使価格との差額とプットオプションの購入価格とコールオプションの売却価格の合計が、理論的にゼロとなるはずです。
(※このバランスが崩れると裁定取引が入りコールとプットの価格が調整されます)
このような状態で取引されていることをプットコールパリティが成立していると言います。

プットの市場価格とコールの市場価格と行使価格、権利消滅までの期間と金利がわかると、市場が想定している原資産価格を求めることが出来ます。(※結果として市場が考える配当落ち金額が推定出来ます)
このプットコールパリティは、すべての行使価格に於いて有効です。

当社ではこのプットコールパリティを利用して、市場が想定している権利行使日に於ける配当修正後日経平均株価を算出した上で、それを再度現在価値に割り引いたものを原資産価格として使用しています。

これを実務で応用する時には個別のオプション価格が大きな決定要素となるため、特定銘柄に特別に大きな取引があって市場が歪み、瞬間的に不自然な価格が付いた場合には算出値は不正確となります。

この問題を軽減するため、当社では複数の行使価格のプットコールパリティを算出し、流動性が最も高いと思われるATM近辺のものを中心に合理的と思われる按分方法を用いて基準原資産価格を生成しています。

この基準原資産価格を算出した上で、インプライドボラティリティなどの各種パラメータを算出しています。

またこの方法を使用しますと、前述しました現物の指数が動かない時間帯でも基準原資産価格の算出が可能となるため、15時以降の10分間や、ナイトセッション(※とくに夏時間であれば21時30分頃に発表される米国の重要経済指標によって大きく株価の全体水準が動きうる時も含め)に変動しているグローバルな株価体系に対応できると考えられるため、パラメータの連続性が保たれるなどの利点があると考えています。

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